ヒラギノフォント とは



ヒラギノフォントとは,株式会社モリサワのグループ会社である有限会社 字游工房(じゆうこうぼう)*1が創作し,株式会社SCREENグラフィックソリューションズが販売している商用フォントのファミリー名です。

ちなみに,ヒラギノは京都の地名(柊野)に由来します。

macOS (OS X, Mac OS X) にバンドルされているヒラギノフォント

macOS (OS X, Mac OS X) には,ヒラギノフォント(基本6書体)が標準でバンドルされています。--> ヒラギノフォントとMac OS Xのバージョン相関表

ヒラギノの Pro 書体はグリフ集合として Adobe-Japan1-5 に準拠し,20,317 ものグリフが収録されています。 (Std 書体は Adobe-Japan1-3 準拠で,9,354 グリフ。)

加えて Mac OS X 10.5 Leopard では,JIS X 0213:2004 の例示字形変更に対応した ProN と StdN が各書体に追加されました。 (ProN のグリフ集合は Adobe-Japan1-6 完全準拠ではなく, Adobe-Japan1-5 に CID 21072, 21073, 21074, 21371, 21558, 21722, 21933, 22920 の 8 文字が追加された,20,325 グリフの Adobe-Japan1-6 のサブセットとなっている模様です。ただし,ヒラギノではこれらの追加された 8 文字のデザインは,その置換前の字形である CID 13369, 8612, 8625, 17469, 14541, 17755, 14762, 15319 と差がなく,実質的なグリフの増補はなかったようです。なお,キャラクタマッピングがどのように変更されたかに関しては,JIS90字形とJIS2004字形 - フォント専門サイト fontnaviが参考になります。)

Mac OS X 10.5 Leopard から OS X 10.10 Yosemite までは OpenType Font 形式(拡張子 .otf) でしたが,OS X 10.11 El Capitan では,従来の OpenType Font 形式(拡張子 .otf) から,これらを束ねた OpenType Collection Font 形式(拡張子 .ttc) に変更されました*2。 このとき,OS X El Capitan (10.11,10.11.1) 搭載のヒラギノフォントを DTP で利用する際に,以前のヒラギノフォントとの互換性の問題により「Adobe InDesign CC/CS や Illustrator CC/CS などで文字間のカーニングをオプティカルに設定していると組体裁が崩れる」という問題が発生しました*3

この深刻な問題は,OS X El Capitan 10.11.2 でついに解消されました。

macOS Sierra と OS X El Capitan に搭載のヒラギノフォントは同じ仕様です。

macOS (OS X, Mac OS X) にバンドルされているヒラギノフォントの場所

各フォントの配置ディレクトリとフルパスは下記の通りです。

macOS 10.13 と macOS 10.14

/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W0.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W1.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W2.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W3.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W4.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W5.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W6.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W7.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W8.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W9.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.ttc

OS X 10.11 と macOS 10.12

/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W3.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W6.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W0.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W1.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W2.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W3.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W4.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W5.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W6.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W7.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W8.ttc
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W9.ttc
/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.ttc

Mac OS X 10.5 から OS X 10.10 まで

/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W3.otf
/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W6.otf
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf
/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ StdN W8.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf
/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf

macOS Catalina / macOS Mojave / macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントのセットアップ

TeX Live 2019 をインストールした環境で,OS X El Capitan 以降に付属するヒラギノフォントを pLaTeX / upLaTeX + dvipdfmx のワークフローで利用する方法は,以下の2通りあります。

いずれの設定方法を用いた場合も結果は同じです。 なお,pLaTeX / upLaTeX + dvips + Ghostscript (ps2pdf) ではこれらのヒラギノフォントを埋め込むことはできません(Ghostscript が OpenType Collection という新しいフォント形式に対応していないため)。 そのため,これらの設定方法では文字化け予防として「システムで見つかった日本語フォントの中から自動的にいずれかフォールバックする設定を Ghostscript に与える」という処理も同時に行われます。

このうち (2) については,[改訂第7版]LaTeX2e美文書作成入門 ヒラギノフォントパッチを参照してください。

以下では (1) の方法を説明します。

まず,tlmgr を実行して TeX Live を最新の状態に更新します。

sudo tlmgr update --self --all

次に,TLContrib から必要なパッケージをインストールします。

sudo tlmgr repository add http://contrib.texlive.info/current tlcontrib
sudo tlmgr pinning add tlcontrib '*'
sudo tlmgr install japanese-otf-nonfree japanese-otf-uptex-nonfree ptex-fontmaps-macos cjk-gs-integrate-macos

BasicTeX を使用している場合は以下のパッケージも追加でインストールします。

sudo tlmgr install cjk-gs-integrate adobemapping

続いて,以前のインストール・設定時に作られた可能性のあるリンクなどを削除するコマンドを実行します。

sudo cjk-gs-integrate --link-texmf --cleanup

そして,リンクを作成するコマンドを実行します。

sudo cjk-gs-integrate-macos --link-texmf

最後に,

sudo mktexlsr

を実行すれば,作成したリンクが認識されるようになります。

続いて,ヒラギノフォントを埋め込むためのマップファイルを指定します。 ここで,各 macOS のバージョンに対応したものを選択することに注意してください。

macOS Catalina / macOS Mojave / macOS High Sierra の場合は

sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-highsierra-pron

macOS Sierra / OS X El Capitan の場合は

sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-elcapitan-pron

を実行します。

以上で,ヒラギノフォントを pLaTeX / upLaTeX + dvipdfmx で PDF に埋め込むことができます。

一連の対応についてまとめられた記事や,実際の例を挙げておきます。

過去の情報

関連リンク


*1 モリサワ 有限会社字游工房の株式取得によるグループ会社化を発表字游工房 株式譲渡による株式会社モリサワとのグループ会社化を発表
*2 OpenType Collection Font の拡張子は既存の TrueType Collection Font と同じ .ttc ですが中身は別物です。
*3 DTP で使用する場合は,多くの方がヒラギノフォントを macOS にたよらず購入していると想定されますが,ここでは情報として記載します。

Last-modified: 2019-07-14 (日) 18:18:27 (131d)