図の作り方

ここでは,LaTeX で使用するための図の作り方を説明します。 LaTeX における図表の取り扱いは LaTeX入門/図表で説明しています。



基礎事項

図には大きく分けて,ベクター画像(ドロー系)とラスター画像(ペイント系)があります。 ベクター画像はいくら拡大しても滑らかであるのに対し,ラスター画像はドットの集まりで描画されているため拡大するとギザギザになります。

PDF はベクター画像もラスター画像も扱えますが,せっかく PDF にするのなら,図はペイント系(ラスターグラフィックツール)ではなくドロー系(ベクトルグラフィックツール)で描くとよいでしょう。

利用可能な描画ツール

フリーソフトウェアでは InkscapeLibreOffice/Apache OpenOffice の Draw などがドロー系,GIMP などがペイント系です。 Windows に付属しているペイントもラスター画像を作成できますし,Blender もラスター画像を出力できます。

商品では Illustrator がドロー系,Photoshop がペイント系です。

より多くのツールを取り上げた一覧が描画・グラフツールにあります。

EPS 形式の図の作り方

注意dvipdfmx, pdfLaTeX, LuaLaTeX, LuajitLaTeX, XeLaTeX を使う場合は,PDF, PNG, JPEG 形式のほうが便利です。

ここでは,dvips を使う場合や学会誌の要求で EPS 形式の図を作らなければならない場合の方法を説明します。

ドロー系ソフトから EPS ファイルを作る

ドロー系ソフトは多くの場合,EPS (Encapsulated PostScript) 形式で出力できます。 Word や DTP ソフトに挿入するときは EPS 保存時にプレビュー用のラスター画像を付けておくと便利です。 こうしておけば,画面や非 PostScript プリンターへの出力ではラスター画像が使われ,PostScript プリンター(Adobe Acrobat Distiller DC も含む)への出力にはベクトル画像が使われます。 なお,LaTeX に挿入するときはプレビュー画像は不要です。

注意すべき点を挙げておきます:

ラスター画像を EPS ファイルに変換する

画面キャプチャーなどのラスター画像は,dvips などを使って PS を作るなら,EPS に変換する必要が生じます。 Illustrator や Adobe Acrobat DC などに貼り付けたり開いたりしてから EPS で保存することもできますし,ImageMagicksam2p などのツールを使う方法もあります。

PostScript Level 2 の EPS は JPEG 形式を含んでいますので,正しいツールを使えば,サイズをあまり変えずに JPEG → EPS 変換できます。 写真などのラスター画像の場合,解像度は 300–600 dpi でかまいません。 詳しくは変換ツールの項目をご覧ください。

Windows 10 のソフトから PDF ファイルを作る

Windows 10 は,プリンターに Microsoft Print to PDF が追加されているのでどんなソフトからでも「印刷」メニューで PDF が作れます。

Windows のソフトから EPS ファイルを作る

EPS 形式での書き出しに対応していないソフトでも,Metafile to EPS Converter をインストールすれば EPS 形式で保存できます。Metafile to EPS Converter がうまく動作しない場合は Windows の PostScript プリンタードライバーをインストールして「ファイルに印刷」すれば,PostScript 形式で保存できます。 ただし,Windows の PS プリンタードライバーではなかなか質の高い EPS ができないようなので,別の方法も紹介します。

Windows の PostScript プリンタードライバーの利用

設定から[デバイス]→[プリンターとスキャナー]画面を表示し,[プリンターとスキャナーの追加]の「プリンターまたはスキャナーを追加します」をクリックしてインストールできます。 インストール時にローカルプリンター(出力先 FILE:)としてください。 適当なプリンター記述 (PPD) ファイルがないなら,Generic PostScript Printer としてインストールします。

EPS 出力に設定するには,設定から[デバイス]→[プリンターとスキャナー]画面を表示します。 「プリンターとスキャナー」で PostScript Printer をクリックして「管理」→「印刷設定」を選び,「レイアウト」→「詳細設定」で「ドキュメントのオプション」→「PostScript オプション」→「PostScript 出力オプション」を「EPS (Encapsulated PostScript)」にします。 保存するときはファイル名の拡張子を “.eps” にします(例:test.eps)。

この方法では BoundingBox(図の外枠の情報)が間違って附き,余白が広くなりすぎることがよくあります。 バウンディングボックスを直すには次のいずれかの方法を使います:

ほかの方法

Windows の PS プリンタードライバーではなかなか質の高い EPS ができず,crop しても BoundingBox の外を侵蝕するような EPS を出力することもあるようです。

macOS のソフトから PDF ファイルを作る

macOS では,どんなソフトからでも「印刷」メニューで PDF が作れます。 これをうまく使えば EPS を経由せずに高品位の画像が挿入できます。 印刷するときに1ページだけにしておくと無難です。


Last-modified: 2018-04-13 (金) 21:27:42 (525d)