あ〜お か〜こ さ〜そ た〜と な〜の は〜ほ ま〜も やゆよ ら〜ろ わ〜ん 記号・数字
A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z

あ〜お

アクティブな文字

TeX 文書において,1文字でひとつのコマンドであるかのように振る舞う文字。
LaTeX のデフォルトでは,文字 “~” (チルダ) が該当。

イタリック補正

主に斜体の文字の直後に入れる文字送り方向の空白 (およびこの空白を入れる操作)のこと。
これが適切に補われていない場合, (書体の変わり目で)文字が近づきすぎることがある。
\/ コマンド(\textit の類のコマンドを用いる場合には暗黙のうちに補われる) による場合は,イタリック補正を入れる箇所の直前の文字の傾き具合と高さに応じた値の空白が補われる。

動く引数

\section の見出しなどの「何らかのマクロの引数であって,かつ 柱や目次の作成に伴って原稿中に記述された位置以外の位置でも出力されるようなもの」のこと。
このような引数の中に (La)TeX のコマンドを書き込む場合には必要に応じて \protect を前置して保護することになるという点に注意が必要。

エンコーディング

(主に)フォントにおける個々の文字(字形そのもの)と文字コードの対応関係のこと。

起こし

新しい章などの始め方。 必ず右ページから始めるのが右ページ起こし。 左ページから始めるのが左ページ起こし

LaTeX では右ページ起こしを指定するクラスオプション “openright” と, 特に限定せずになりゆきにまかせる “openany” が用意されていることが多い (文書クラスによる)。 より正確には,“openright” は奇数ページ起こしにするオプションで,横書きの 左綴じ書籍の場合奇数ページは右ページとなるのでこの名前がついている。

か〜こ

拡張子

IT用語辞典 e-Words — 拡張子
TeX 関連で使われる拡張子には以下のようなものがある。

.4hf.4ht.afm.aux.bb.bbl.bib.blg.bmc.bmp
.bst.bz2.cfg.CID.cls.clo.def.dfu.doc.dtx
.dvi.enc.eps.fd.fdd.fmt.gf
.*gf
.gif.glo.gls
.gz.htf.idx.ilg.ind.ini.ins.ist.jb2
.jbig2
.jpg
.jpeg
.ldf.lig.lof.log.lot.ltx.lzh.map.mf.mp
.mps.mpx.ocp.ofm.opl.otf.otp.ovf.ovp.pbm
.pcd.pdf.pfa.pfb.pfm.pk
.*pk
.pl.pm.png.ppm
.pro.ps.rb.sfd.sh.sty.synctex.gz
.synctex
.tar.tar.xz
txz
.tar.bz2
.tbz
.tar.gz
.tgz
.tar.Z
.taz
.tbl.tcx.tex.tfm.tiff
.tif
.ttc.ttf.tti
.toc.vf.vpl.xdv.Z.zip

仮想フォント

Wikipedia.ja:仮想フォント
ただし,TeX 関連の文脈では vf ファイル(あるいは ovf ファイル)を指すことが多い。

カテゴリーコード

TeX 文書において文書ファイル中の個々の文字に割り当てられた分類番号。 例えば,TeX 文書のコマンドは通常,バックスラッシュ文字 (環境によっては円記号で表示されるが文字コードはバックスラッシュ文字と同一) で始まる文字列(\documentclass の類)だが, これはバックスラッシュ文字のカテゴリーコードが 0 に設定されていることによる (従って,ほかの文字のカテゴリーコードを 0 に変更すると, その文字をコマンドの記述に用いることができる)。 → TeX入門/マクロの作成にも解説あり。

環境

LaTeX では,\begin{<envname>} と \end{<envname>} で挟まれた部分を 「<envname> 環境」という。

環境変数

IT用語辞典 e-Words — 環境変数
なお,TEXMF などの kpathsea ライブラリ利用ソフトウェア (例えば,TeX 本体や一部の DVIware) に共通に用いられるパスなどを収めた変数はファイル texmf.cnf を通じて設定される。 それらの変数を本来の環境変数として設定することも可能ではあるが, そうすることは現在のシステムでは推奨されず,実際, 不用意に設定するとトラブルを招く。 変数の内容の確認は例えば “kpsewhich --expand-var '$TEXMF'” というように行う。 → texmf.cnf

クラスファイル

「章」 (\chapter) の有無といった文書構造,および ページレイアウト・パラメータや個々の見出しの書体・文字サイズといった体裁に関する指定を記述したファイル。 拡張子は通常 “.cls” を用いる。

クラスオプションファイル

クラスファイルで設定する項目のうち, 主に文字サイズ指定オプションに応じて変わる部分を記述したファイル (標準配布のクラスファイルでは 複数のクラスファイルに共通に用いられることが多いので,別ファイルにしてある)。 拡張子は通常 “.clo” を用いる。

グリフ

個々の文字を(画面表示あるいは印刷に伴い)描画する際に用いる, その文字の字形そのものを表す図形。

グルー

TeX 用語として用いる場合には,「伸縮度を伴う寸法」の意。

グループ

例えば LaTeX 文書内で “{\large something}” のような記述を行うと, \large の適用範囲は “{” と “}” で囲まれた範囲に限定される。 TeX 関係の文脈では,今の例の「“{” と “}” で囲まれた範囲」のような, 内部での変更が外部に及ばないような範囲を「グループ」と称する。
\bgroup と \egroup で囲んでも,“{” と “}” で囲んだ場合と同じ意になる (名前の付け方からするとむしろ逆。)。

罫線

水平モードでは \vrule,垂直モードでは \hrule によって罫線を配置できる。 それぞれ height, depth, width を指定できるが,指定しないと周りに合わせてサイズが決められる。その際の線幅は 0.4 pt。
<使用例> \vrule height 10pt depth 5pt width 0.8pt </使用例>
LaTeXでは \rule というコマンドも用意されている。

コンパイル

TeX 関連の文脈では,タイプセットの意で用いられることもある。

さ〜そ

索引スタイルファイル

mendex (あるいは makeindex)を用いた索引作成の際に使用される, 索引の体裁に関する設定などを記述したファイル。 拡張子は通常 “.ist” を用いる。

サンセリフ体

文字の端に飾りがない書体。TeX で使うことができる欧文用のサンセリフ体には Helvetica,ITC Avant Garde Gothic,Arial,Optima,Letter Gothic など (の URW++ による互換フォント)や Computer Modern Sans Serif などがある。 サンセリフ体をゴシック体と呼ぶのは欧文用の書体では不適切。
セリフ体とサンセリフ体

字体

Wikipedia.ja:字体

斜体

(横組み用フォントの場合)文字を右に傾けたような形状の書体のこと。 ただし,そのような形状(の欧文フォント)には 「イタリック体 (italic)」(直立体のフォントを単に傾けるだけでなく, 独自にデザインされたもの)と 「スラント体 (slanted)」(直立体のフォントを単に傾けただけのもの)がある。 書体に関して正確を期したい場合には, 「イタリック体」を「斜体」と称するのは避けたほうがよい。

書体

Wikipedia.ja:書体, 書体

シェープ(シェイプ)

NFSS2 (LaTeX におけるフォント選択システム)の文脈では, 個々の書体がもつ属性のうちエンコーディング・ファミリー・シリーズ (および文字サイズ)のいずれでも扱わない属性 (例えば,直立体とイタリック体の区別)。

シリーズ

NFSS2 (LaTeX におけるフォント選択システム)の文脈では, 個々の書体がもつ属性のうち, 文字を構成する線の太さや文字全体の幅(の傾向)による分類を指す。 例えば Helvetica は通常の太さ・幅(medium (m) シリーズ)だが, Helvetica-Narrow-Bold は線は太いが全体的に幅が狭い書体 (bold condensed (bc) シリーズ)である。

水平モード

モードを参照。

垂直モード

モードを参照。

スタイルファイル

クラスファイルクラスオプションファイルパッケージファイル(拡張子は通常 “.sty”)等すべての旧称。 現在では,(あえて古めかしい言い回しをしたいというのでなければ) この語は用いずに「クラスファイル」等のより適切な語を用いるほうがよい。

スペースファクタ

TeX において, 空白文字によるスペースの伸縮度を調整するのに用いられる内部パラメータ。 スペースファクタの主な目的は,文末スペースと(文内の)単語間スペースとの区別。

セリフ体

文字の端に小さな飾りがある書体。TeX で使うことができる欧文用のセリフ体には Times,Palatino,ITC Bookman,New Century Schoolbook,Times New Roman,Stempel Garamond,Courer など(の URW++ による互換フォント)や Computer Modern Roman,Utopia,Bitstream Charter などがある。
セリフ体とサンセリフ体

た〜と

タイプセット

「組版」を意味する語だが,TeX 関連の文脈では「TeX のソースを元に(TeX 処理系での処理によって),ページと文字配置の関係を決定すること」の意でも用いられる。 TeX は .tex ファイルなどを読んでタイプセットを行い DVI ファイルあるいは PDF ファイルを生成する。

ドキュメントクラス

論文・書籍といった文書の種別。LaTeX 文書では, こういった文書の種別に応じたクラスファイルを使用する(のが原則)。

綴じ

本の綴じ方。 表紙に向かって右側を綴じてあるのが右綴じ,左側を綴じてあるのが左綴じ

縦書きのものは右綴じで,見開き右側が偶数ページ。 横書きのものは左綴じで,見開き右側が奇数ページ。

右綴じのものは右側にページを繰ってゆくので右開きとも言い, 左綴じのことを左開きとも言う。起こしとは異なる。

綴じという言葉は製本の仕方を表す場合にも使われて,例えば重ねた紙を 二つ折りにして折り目をホチキスで綴じる方法を中綴じと言ったりする。

ドライバマージン

TeX での組版時の座標系の原点は紙面の左上隅ではなく, そこから右に 1 インチ,下に 1 インチ入った点にある。 この右方向および下方向にあらかじめとってある 1 インチの余白をドライバマージンという。

トークン

TeX入門/マクロの作成に解説あり。

な〜の

ノンブル

ページ番号のこと。nombre はフランス語由来。

は〜ほ

バウンディングボックス

元来は,画像が実際に占める領域をちょうど囲む矩形。 ただし,画像データによっては, バウンディングボックスとして設定された領域からはみ出していることもしばしばある (つまり,バウンディングボックス情報は画像の 「論理上」の寸法を示すものとみることになる)。

EPS ファイルにおいては, バウンディングボックスとして設定する矩形の左下頂点と右上頂点の座標 (PostScript 言語には「座標系」の概念があることに注意) で与えられる。

ページの本文領域の外(上部あるいは左右の余白)に載せる文字列。 現在のページに記述されている章・節の見出しおよびページ番号などの情報 (辞典・字典の類では掲載項目)を記述することが多い。 LaTeX 文書の柱をカスタマイズするには, 本来ならページスタイルについて学習する必要がある。

パス

  1. コンピュータに保存されているファイルやフォルダの保存場所のこと。
  2. 環境変数の一つである path のこと。実行ファイルの保存場所(パス)を収める。本来 exe-path や command-path とでも呼ぶべきところだがそうはなっていない。
  3. プログラムの実行過程のこと。例えば latex で目次を作る場合,一回目の latex 処理で目次情報を toc ファイルに書き出し,二回目の latex 処理で toc ファイルから目次情報を読み出して目次を生成する。それぞれの処理過程を「ファーストパス」,「セカンドパス」などということがある。

パッケージ

LaTeX 関連の文脈では,(\usepackage コマンドなどを用いて読み込まれる) LaTeX に対する拡張機能を記述したファイル(拡張子は通常 “.sty”) (およびそれに伴って用いられる一連のファイル,例えばフォント定義ファイル) を指すことも多い。パッケージにも解説あり。

開き

右開き,左開きなどについては綴じを参照。

ヒラギノ

字游工房によって作成され,株式会社SCREENグラフィックソリューションズから発売されているフォント。 基本6書体は,ヒラギノ明朝体 Pro(N)-W3/W6,ヒラギノ角ゴシック体 Pro(N)-W3/W6,ヒラギノ角ゴシック体 Std(N)-W8,ヒラギノ丸ゴシック体 Pro(N)-W4。macOS は基本6書体12フォントを標準搭載。

ファミリ(ファミリー)

NFSS2 (LaTeX におけるフォント選択システム)の文脈では, 個々の書体がもつ属性のうち,書体のデザイン上の系統による分類を指す。 例えば,Times-Roman と Times-BoldItalic では,直立体・イタリック体の別, あるいは個々の文字を構成する線の太さの別はあるが, いずれも Times (ptm ファミリー)に分類される。

フォーマットファイル

各種のマクロ定義やハイフネーションパターン, 一部のフォントといったものをあらかじめ TeX 処理系に読み込ませた結果を書き出させたファイル。 拡張子は通常 “.fmt” を用いる。 また,TeX 処理系は(uplatex コマンド使用時には uplatex.fmt が読み込まれる, という具合に)コマンドの名称に応じたフォーマットファイルを使用する。 フォーマットファイルを使用することで, マクロ定義等をそれらが定義されている大元のファイルから読み込ませるよりも早く読み込むことができる。 その一方,フォーマットファイル作成時にすでに読み込まれているファイルの更新の際には注意が必要。 実際,そのようなファイルの更新を反映させるためにはフォーマットファイルの更新が必要となる。

フォント

Wikipedia.ja:フォント — ビットマップフォント,スケーラブルフォント, ストロークフォント,アウトラインフォントについて簡単な解説あり。

フォント定義ファイル

LaTeX 関連の文脈では通常,LaTeX 文書で用いるフォントの(論理的な)属性と TFM ファイル名との対応などを記述したファイルを指す。 拡張子は通常 “.fd” を用いる。

符号化文字集合 (CCS: coded character set)

Wikipedia.ja:符号化文字集合
通信用語の基礎知識 — CCS
[cf. 文字コード (character encoding)文字符号化方式 (CES: character encoding scheme)

フォントメトリック

あるフォントに収められている個々の文字の論理上の寸法 (実際に印字される部分の寸法ではなく, その周囲の「余白」部分も加味した寸法)のこと。 ただし実際に用いられるフォントメトリックデータにはそれだけでなく, 合字(リガチャ,複数の文字を組み合わせて1文字にした文字) やカーニング(文字詰め)に関する情報も含まれる。

プリアンブル(プレアンブル)

LaTeX 文書においては,\documentclass コマンドと \begin{document} コマンドの間の部分を 指す。 ただし,文脈によっては \begin{document} より前の部分を指すことがある。

プレビューア

文書などをモニタ上で確認するためのソフトウェアのことではあるが, TeX 関係の文脈では特に DVI ファイルのプレビューアのことを指すことも多い。

フロート

figure 環境や table 環境で用いられているような, 本文部分とは別に作成されたのちに本文部分と組み合わされるような対象(のひとつ)。 この説明に合致するものには「脚注」や「柱」もある。 しかし脚注は(原則として)その脚注が用いられたページ (あるいは段)の下端に出力される一方, フロートの出力先ページはほかのフロートの配置状況によって変動する。 また柱は本文部分のテキストの分量に影響を与えないが, フロートはそれ自身が占める部分だけ本文部分のテキストを減らす。 これらの事実により,フロートと脚注・柱とは区別できる。

文献スタイルファイル

BibTeX を利用した文献作成の際に用いる, 文献リストの体裁を規定したファイル。 拡張子は通常 “.bst” を用いる。 BibTeX 独自のプログラミング言語で記述されているので, カスタマイズ(あるいは自作)にはそれなりの学習が必要。

文書クラス

ドキュメントクラス

ページスタイル

LaTeX 文書における,ページのヘッダ・フッタ部の体裁(を規定する仕組み)。

ベースライン

「基準線」ではあるが,特に(組版時に)文字を並べる際の基準線のこと。 横組み用和文フォントのベースラインは個々の文字の下端ではない (和欧混植の場合を考慮し,個々の文字がいくぶんベースラインよりも下に出るようにしてあることが一般的な)ので,注意が必要。

ま〜も

マクロ

一般には「複数の命令をひとまとめにしたもの」だそうだが, TeX 関係の文脈では \def コマンド(\newcommand も内部で \def を用いている) によって定義された,TeX (がもつプログラミング言語)の文法上の 「マクロ」を指すことも多い。

モード

TeX の動作を分類したもの。組版要素(文字・罫線・ボックスなど)を横に並べてゆく水平モード,縦に並べてゆく垂直モード,数式要素を組み立てる数式モードに大別される。 水平・垂直モードで並べた要素はそれぞれ行分割・ページ分割されるが,分割をともなわない限定水平モード内部垂直モードもある。(数式モードはなんと呼ぶのでしたっけ? inline と display で。) TeX が現在どのモードにあるかは,\ifvmode,\ifinner などで調べることが出来る。

文字コード (character encoding)

Wikipedia.ja:文字コード
通信用語の基礎知識 — 文字コード
[cf. 符号化文字集合 (CCS: coded character set)文字符号化方式 (CES: character encoding scheme)

文字符号化方式 (CES: character encoding scheme)

Wikipedia.ja:文字符号化方式
通信用語の基礎知識 — CES

[cf. [[符号化文字集合 (CCS: coded character set)>#ccs]],[[文字コード (character encoding)>#character-encoding]]]

やゆよ

ら〜ろ

リュウミン

Wikipedia.ja:リュウミン。 → rml

ログファイル

各種のソフトウェアの処理過程を記録したファイル (TeX の場合も例外ではない)。 TeX の場合に限らず,しばしば拡張子には “.log” が用いられる。 なお,各種のエラーメッセージ・警告メッセージも (もちろん)ログファイルに記録されている。 → blg ファイル(BibTeX のログファイル), ilg ファイル(makeindex, mendex のログファイル)

わ〜ん

記号・数字

$TEXMF

TDS において,texmf, texmf-dist などのディレクトリのパスを保持する texmf.cnf で用いられる変数。例えば “/usr/share/texlive/texmf/” などの こと。具体的なパスは OS や配布物によって異なるため, 総称としてもよく用いられる。なお kpathsea を組み込んでいるプログラムでは, 環境変数 TEXMF が優先する(不用意に環境変数を設定しない)。

4hf ファイル

TeX4ht で用いられる,(フォントの) エンコーディング定義ファイル (See $TEXMF/doc/tex4ht/mn-htf.html)。

4ht ファイル

TeX4ht で用いられる,「マクロ定義」ファイル。 既存のパッケージ等で提供されるコマンドに対する TeX4ht での処理の指定などが記述できる (See 『LaTeX Web コンパニオン』,$TEXMF/doc/tex4ht/mn6.html)。

83pv-RKSJ-H

CMap の一つ。x-Mac-Japanese から Adobe-Japan1 への 変換の横書き用の割り当てが記述されている。JIS 未定義部分は Apple の外字。

90ms-RKSJ-H

CMap の一つ。Windows-31J から Adobe-Japan1 への 変換の横書き用の割り当てが記述されている。JIS 未定義部分は Microsoft の外字。

A

Adobe Acrobat Reader DC

アドビ システムズ社が無償で配布している PDF ファイル閲覧のためのアプリケーション。 市販されている Adobe Acrobat DC とは異なり Adobe Acrobat Reader DC の機能は閲覧のみであり 編集することは出来ない。

afm

Adobe Font Metrics”。 → Wikipedia.ja:Adobe Font Metrics

afm2pl

afm ファイルなどを読み込んで pl ファイルを作成するツール。

afm2tfm

afm ファイルなどを読み込んで TFM ファイルを作成するツール。

AGL

Adobe Glyph List”。 これに関連するファイルで,Glyph 名と Unicode の対応テーブルがあり, TeX 関係では dvipdfmx, LCDF type tools で使用される。 Adobe 社による glyphlist.txt および TeX 用に追加した texglyphlist.txt がある。

ASCII

符号化文字集合の一つ。 規格名は “ANSI INCITS 4”。文字コードの 名称としては “US-ASCII” を用いるのが望ましい。
US-ASCII
Wikipedia.ja:ASCII
通信用語の基礎知識 — ASCII

AUCTeX

Emacs 上の TeX 支援環境 → AUCTeX

aux ファイル

LaTeX 文書のタイプセット時に作成される, 相互参照や目次等に関する情報を記録したファイル。

B

BB ファイル

bounding box file”。画像の寸法(というより縦横比)に関する 情報をバウンディングボックス情報の形式で記述した ファイル。PNG 形式や JPEG 形式などの EPS 形式でない画像ファイルの 寸法(あるいは縦横比)は(原則としてテキストファイルしか扱えない) LaTeX 処理系からは取得できないので,そういった画像の寸法を 何らかの形で与える必要があるが,その目的に用いられるファイル。 extractbb のようなツールを用いて作成できる。

bbl ファイル

BibTeX によって生成された参考文献リストを記述したファイル。

BibTeX

文献リスト作成ソフト(「文献管理ソフト」ではないので,注意)。 文献リストを添えたい LaTeX 文書の aux ファイルに抽出された 「引用済み」文献を BibTeX 用の文献データベースファイル(bib ファイル) から探し出し,整形された参考文献リストを作成する。

また,BibTeX の処理時に標準出力に「何も」表示されなかったとしてもそれは 「正常に文献リストが生成された」ことを意味するとは限らないので, BibTeX を常用するのならば blg ファイル内のエラーメッセージ (の有無)を確認する習慣をつけるのがよい。

bib ファイル

BibTeX 用の文献データベースファイル。 基本的には,

@book{TeXbook,
  author = "D.E. Knuth",
  title = "The {\TeX}book",
  publisher = "Addison-Wesley",
  year = 1984}

のごとく,@<文献のカテゴリ>{<文献情報リスト>} の形式の記述を列挙すれば いいのだが,著者が複数の場合の記述の仕方や「大文字のままで」 記述しなければならない語の記述(文献タイトルなどは,文献のスタイルに応じて 適宜小文字化されることに注意)などに注意すべき点が多々ある。

blg ファイル

BibTeX のログファイル

BMP

Unicode の文脈では “Basic Multilingual Plane” (Unicode 番号で 65535 以下の領域,「基本多言語面」と直訳されている)を指す。

BMP ファイル

Microsoft Windows で標準的に用いられる,比較的単純な形式のビットマップ画像。
Wikipedia.ja:Windows bitmap

bp

長さの単位。big point。1 bp = 1/72 inch。 PostScript における「ポイント」がこの big point であることもあり,DTP 関係で単にポイント (pt) というとこの big point であることも多い。

bst ファイル

文献スタイルファイル

bz2 ファイル

データ圧縮アルゴリズム bzip2 により作成された 圧縮ファイル。

C

cfg ファイル

システムやユーザに固有のローカルな設定(コンフィギュレイション)を収めたファイル。LaTeX では,ハイフネーションの設定や graphics パッケージのデフォルトドライバ設定などのために利用される。

CID

Character Identifier”。 → CID フォント

CID フォント (CID-keyed fonts)

出版業界では 通常のコード規格では扱えない異体字に対応したコード規格が必要であり, そうした要求から Adobe 社が開発したコード規格が CID エンコーディングである。 CID フォント(正式には “CID-keyed fonts”)は CID エンコーディングに対応したフォントのこと。

CID フォントには Naked-CID と SNFT-CID がある。PostScript RIP (プリンタやソフトウエア RIP [Ghostscript を含む])にインストールできるものは Naked-CID である。 SNFT-CID は Mac OS で使用される。CID コードで直接グリフを指定せずにアプリケーションレベルで異体字の切り替えを行うためには,SNFT-CID フォントでなければならない。 異体字切り替えや字詰めのための情報は,全てリソースフォークに含まれている。荒っぽく言えば,これらの情報をデータフォークに持たせたものが OpenType フォント。

なお,一般に CID フォントファイルに拡張子は附いていない。 しかし,Windows で使われる CID フォントファイルには拡張子 “.CID” が附いている場合もある。 (例えば Adobe Illustrator 7.0 [for Windows] 付属の「平成明朝 W3」の CID フォントファイル “HEMIW3.CID” や, 「平成角ゴシック W5」の CID フォントファイル “HEKAGOW5.CID” が挙げられる。)

cls ファイル

クラスファイル

clo ファイル

クラスオプションファイル

CMap

Character Map”。 JIS と CID 間での文字コード対応表を含む。 具体的に挙げれば HV が CMap である。

cmr

Computer Modern Roman”。 TeX システムにおいては(とりあえず)デフォルトで使用されるフォント。

config.ps

dvips の基本設定ファイル。

CP50220

Wikipedia.ja:ISO-2022-JP#ISO-2022-JPと機種依存文字
Legacy Encoding Project — cp50220
(cf. ISO-2022-JP)

CTAN

Comprehensive TeX Archive Network”。 (La)TeX 関係の各種ソフトウェア・フォント・マクロパッケージを多数収録している。 → CTAN

D

def ファイル

各種のマクロ定義を記述したファイルのうち, データベースに類したもの (例えば,ot1enc.def のようなエンコーディング依存の定義を収めたファイル)や DVIware 依存の処理を記述したもの(例えば,graphics パッケージとともに用いられる dvips.def などのドライバ定義ファイル)のファイル名の拡張子には, しばしば “.def” が用いられる。

dfu ファイル

inputenc パッケージを用いて UTF-8 入力を可能とする際に用いられる “UTF-8 mapping file for font encoding”。 個々の文字の Unicode 番号とその文字の各エンコーディングにおける表記との対応を

\DeclareUnicodeCharacter{00A1}{\textexclamdown}

のような形式で列挙している (ただし,「変換不要」な ASCII 部分については載っていない)。 また,<encoding> エンコーディングに対する dfu ファイルの名称は <encoding>enc.dfu (<encoding> に含まれる大文字のアルファベットは小文字化する)である。

doc ファイル

諸般の事情により「.doc ファイル」が「Microsoft Office Word の文書ファイル」 とみなされる「文化圏」(?) が存在しはするが, 古来,何らかの「文書」一般のファイルには拡張子 “.doc” が用いられた。 もちろん拡張子が “.doc” であったとしても, TeX 関係のソフトウェアやパッケージの解説ファイルの場合は通常 (Microsoft Office Word のファイルなどではなく)単なるテキストファイルである。

Donald E. Knuth

元スタンフォード大学教授。 TeX の作者。 完璧主義者で,TeX プログラムのバグ報告1件につき $5 の懸賞金を提供し, ミスの少ないプログラムができたといわれる。

DSC

Document Structuring Conventions”。PostScript 言語による プログラムの構造に関する約束ごと。 例えば BoundingBox は DSC comment に書かれている。DSC のバージョンと PostScript 言語のバージョン(レベル)は別のものである。

dtx ファイル

LaTeX の各種のパッケージ(あるいは LaTeX 自身) の配布に用いられるファイルのひとつ。 このファイルからパッケージ自身が生成されるだけでなく, dtx ファイル自身をタイプセットすると, そのパッケージに関するマニュアルが得られることも多い。

DVI ファイル

TeX による組版結果を記録したファイル。 元来は DVI (device-independent) の名称の通り, デバイス非依存な一種のページ記述言語によるファイルであったのだが, いまどきのユーザは各種の \special を(意図的にあるいは暗黙のうちに) 使うことによって「デバイス依存」な DVI ファイルを作りがちであることに注意が必要。
DVI ファイルで用いられる日本語の文字コードは ISO-2022-JP (JIS コード)である。
アスキー日本語TeX — DVIフォーマット

dvips

Wikipedia.ja:dvips

dvipsk

kpathsea に対応した dvips。ただし現在の dvips は kpathsea に対応している。

DVIware

タイプセットされて出来上がった DVI ファイルを, 表示・印刷・変換するためのアプリケーション。 dvipdfmx, dvips, dvisvgm, dvipng など様々なものがある。

E

enc ファイル

TeX 関連で用いられる .enc ファイルは, たいてい PostScript フォントのエンコーディング定義ファイル。

EPS ファイル

Encapsulated PostScript file”。 PostScript 言語により(いくつかの制限の下で)記述された画像。

EUC-JP

Wikipedia.ja:EUC-JP
通信用語の基礎知識 — EUC-JP

F

fd ファイル

フォント定義ファイル

fdd ファイル

dtx ファイルのうち,特にフォント定義ファイルを 生成するのに用いるものは拡張子を “.fdd” とする (あえて言えば「フォント定義の定義ファイル」というところになる)。

float

フロート

fragile なコマンド

動く引数の中で用いる際には, \protect を前置して保護しなければならないコマンド。

G

gbm

GothicBBB-Medium”。 モリサワの角ゴシック体である中ゴシックでウエイトが中くらいのフォント。 日本語 PostScript の処理系(プリンタ等)では,標準で利用することができる 角ゴシック体が GothicBBB-Medium (HeiseiKakuGo-W5 などの適切な代用フォントに 置き換えられることあり)。gbm は goth10.vf や jisg.vf に記述されている GothicBBB-Medium に対応するフォント名であり,goth10.vf や jisg.vf を読んだ DVIware が gbm を適切なフォントで出力する。dvips や dvipdfmx では gbm は出力機器の内蔵フォントとして処理され,適切なマップファイルを経て GothicBBB-Medium-H になる。gbm.tfm を (p)LaTeX が参照することは通常ない。

gf

generic font”。METAFONT によって生成された (非圧縮の)ビットマップフォントデータ。このデータを収めたファイルの 拡張子は “.gf” であることもあるが,いわゆる long-filename を許す環境では “.300gf” のごとく .<解像度>gf とすることが多い。

Ghostscript

フリーの PostScript/PDF インタプリタ。 また,関連するソフトウェアなどを含むパッケージ。
Wikipedia.ja:Ghostscript

GID

Glyph ID”。TrueType フォントで, グリフの内部配列におけるグリフの番号。CID フォントの CID と同様のもの。TrueType フォントの内部配列は フォントが作成されたときのツールや作成者に依存し,CID フォントや OpenType フォントで用いられる Adobe-Japan1 のような標準的な配列はない。

glo ファイル

\glossary コマンドを含む LaTeX 文書をタイプセットした際に作成される, 「用語集」項目を書き出したファイル。 これを mendex (あるいは makeindex)で処理して用語集そのもの (gls ファイル)を作成する。 ただし dtx ファイルにおいては 「用語集」ではなく「更新履歴」の作成に用いられ, その際には索引スタイルファイルとして gglo.ist を用いる。

gls ファイル

glo ファイルmendex (あるいは makeindex)で 処理して得られる「用語集」ファイル。 ただし,これは mendex (あるいは makeindex) のデフォルトの出力ファイルとは異なった拡張子を持つので, glo ファイルの処理時に出力ファイル名を指定することになる。 また,LaTeX 自身では gls ファイルを読み込むためのコマンドを用意していないので, 必要があればユーザ自身が明示的に読み込むことになる (ただし,doc パッケージ使用時には \PrintChanges コマンドの際に gls ファイルが読み込まれる)。

glyph

グリフ

glyphlist.txt

dvipdfmx によって参照される。

gsftopk

PostScript Type 1 フォントを pk フォントに変換するツールのひとつ。 直接用いるよりも,mktexpk から呼び出されることが多い。 設定ファイルは config.gsftopk。

H

H

CMap の一つ。 ISO-2022-JP (JIS コード)から Adobe-Japan1 への 横書き用の割り当てが記述されている。DVI ファイルでは通常 ISO-2022-JP が 使用されるので,dvipdfmx では必須の CMap。なお,dvips は CMap を読まない。

H

単位のひとつ(歯)。1 H = 0.25 mm。 Q と同じだが,慣例として行送りの指定の際には H を用いる。

htf ファイル

TeX4ht で用いられる “Hypertext Font”。 書式等については,$TEXMF/doc/tex4ht/mn-htf.html に解説がある。

I

idx ファイル

索引付きの LaTeX 文書をタイプセットした際に作成される, 索引項目を書き出したファイル。 これを mendex (あるいは makeindex)で処理して索引そのもの (ind ファイル)を作成する。

ilg ファイル

mendex (あるいは makeindex)のログファイル

ind ファイル

mendex (あるいは makeindex)によって生成された索引ファイル。

ini ファイル

各種ソフトウェアの初期設定ファイル。 TeX 自身の場合は, フォーマットファイル作成時に用いられることがある。 例えば,uplatex.ini には uplatex.ltx の読み込み および「バナー」に関する細工が記述されており, fmtutil による uplatex.fmt 作成時には(uplatex.ltx を直接処理するのではなく) uplatex.ini を用いるように設定されている。

initex

フォーマットファイル作成用の特別な TeX。 ただし現在の TeX 処理系ではこの initex の機能は TeX 自身に取り込まれており, “tex -ini” のごとく “-ini” オプションを適用すると initex として動作する。

ins ファイル

LaTeX においては,LaTeX のパッケージの配布の際に用いられるファイルのひとつ。 このファイルを (p)LaTeX で処理することで, パッケージを構成する個々のファイルが作成される。

なお Windows においては拡張子 “.ins” のファイルは 「インターネット通信設定」ファイルとされているため, 閲覧・編集時には不用意にダブルクリックしないよう注意が必要。

ISO-2022-JP

Wikipedia.ja:ISO-2022-JP
通信用語の基礎知識 — ISO-2022-JP
(cf. CP50220)

ISO-8859-1

通信用語の基礎知識 — ISO-8859-1
Wikipedia.ja:ISO-8859-1
(cf. windows-1252, ISO-8859-15)

ISO-8859-15

通信用語の基礎知識 — ISO-8859-15
Wikipedia.en:ISO-8859-15
(cf. ISO-8859-1)

ist ファイル

索引スタイルファイル

J

jfm

pTeX で使用する和文フォントメトリック。ただし,jfm データを 記述したファイルの拡張子も “.tfm” であることに注意が必要。
アスキー日本語 TeX — JFM ファイルの構成要素

K

kanjix.map

dvipdfmx によって参照される map ファイル。

Knuth

Donald E. Knuth

kpathsea

Kpathsearch library”。Karl Berry によって書かれたディレクトリを 再帰的に検索するライブラリ。TeX 本体をはじめ 多くの DVIware (dvipdfmx, dvips など) が使用している。

kpsewhich

Kpathsea のための,パスの照合と展開のプログラム。

L

latex.ltx

LaTeX のソースファイル。LaTeX は TeX 上に LaTeX 独自のマクロ(例:\documnetclass, \begin, \usepackage, \frac 等)を定義することによって作られている。それらのマクロ定義が書かれているのが latex.ltx。中身はテキストファイルで、通常の「.tex」ファイルと同じようにテキストエディタで扱うことができる。この latex.ltx を「裸のTeX」(iniTeX, TeX -ini)に読み込ませたあとの内部状態を書き出したフォーマットファイルである latex.fmt がシステムに用意されていて、実際に LaTeX(latex.exe)が起動されるたびに読み込まれるのは latex.fmt である。このため、仮に latex.ltx を改変してもフォーマットファイルを作成し直さないと改変内容は反映されない。また、latex.ltx 自体もさらに元となる複数のソースファイル群(ltdefns.dxt, ltalloc.dtx, lterror.dtx, ltfntcmd.dtx 等)から生成されるようになっているので、latex.ltx 自体を改変することは通常行わない。

ldf ファイル

Babel パッケージが用いる,各言語の言語定義ファイル。言語 <language> に対する 設定はファイル <language>.ldf に記述されるのが基本だが,Babel パッケージの 読み込み時に指定する言語名(\usepackage のオプション)と ldf ファイル名との正しい対応は ファイル babel.sty における各オプションの定義で確認する必要がある。

また,言語 <language> に対応する言語定義ファイルでは主に次のものが定義される。

また,各種のアクティブ文字を用いた短縮記法の定義なども行われる。

lig ファイル

afm2pl が用いる,リガチャ定義ファイル。

lof ファイル

LaTeX 文書中の \listoffigures コマンドに対応して作成される図目次ファイル。

log ファイル

ログファイル

lot ファイル

LaTeX 文書中の \listoftables コマンドに対応して作成される表目次ファイル。

ls-R

$TEXMF 以下の全てのファイル名を記したテキストファイル。 mktexlsr コマンド(UNIX では texhash という名称も使用できる) によって生成・更新される。kpathsea によって参照される。

ltx ファイル

LaTeX 本体の定義を記述したファイル。

lua ファイル

Lua スクリプト。

LyX

Windows, macOS, Linux 上で WYSIWYM で編集可能なドキュメントプロセッサ。 → LyX

M

makeindex

汎用的な索引作成ツール。 階層化した索引(索引項目の「子項目」がある索引)をサポートし, また,索引スタイルファイルを用いて索引の体裁を詳細にカスタマイズできる。

mktexlsr

ls-R ファイルの作成・更新ツール(UNIX システムでは通常, スクリプト mktexlsr へのシンボリックリンクとして texhash も用意されている)。

map ファイル

TFM の名称と実フォント (例えば,PostScript Type 1 フォント)との対応関係を記述したファイル。 DVIware ごとに独自の形式をもつ。 また map ファイルの所在は TDS のバージョンによって異なるので, 利用している TeX システムがどのバージョンの TDS に準拠しているかに注意が必要。 もっとも,最近ではこういった問題は DVIware によっては updmap コマンドを用いることで回避できる。

また,和文フォント・欧文フォントを問わず, VF (仮想フォント)を通じた変換が入ることによって TeX 文書側で使用している TFM (あるいは jfm)名と map ファイルに記述される TFM 名とが異なっていることが多い点にも注意が必要。 例えば jis.tfm に対しては jis.vf を通じて rml.tfm に帰着され, map ファイルにはこの rml に対する実フォントの指定を記述することになる。

mendex

makeindex を日本語化したもの(ごく一部, 和文主体の文書の索引を作成する限りにおいては気にならない非互換性がある)。

METAFONT

TeX と対になるフォント作成ソフトウェア。 もっとも,現在では種々の DVIware 作者の方々のご尽力により, METAFONT によるものばかりでなく世間一般に流通しているほかの形式のフォントも (DVIware を選び,然るべき設定を行えば)使えるようになっている。

MetaPost

META 言語(METAFONT で使用される図形描画言語)を用いる作図ツール。 出力は EPS。John Hobby による。現在は Luigi Scarso が メンテナンスしている。 MetaPost の日本語版は pMetaPost である。

mf ファイル

METAFONT によるフォントのソースファイル。

mktexpk

DVIware の要求に応じて pk フォントを生成するツール。 METAFONT で作成されたフォントに限らず, 例えば PostScript Type 1 フォントについても ps2pk の類を経由して pk フォント化できる。 ただし,任意のフォントを pk フォント化できるわけではない。

mktextfm

タイプセット時に文書中で要求された TFM ファイルが存在しない場合に, 必要な TFM ファイルを生成するツール (主に METAFONT で作成されたフォントの場合に有効)。

mp ファイル

MetaPost による図のソースファイル。

mps ファイル

MetaPost の出力ファイル(何もしなければ拡張子は “ピリオド + beginfig で与えた番号” であるか,または “.ps”)を pdflatex 等で用いる場合,拡張子を “.mps” とすることがある。

mpx ファイル

mp ファイル 中で btex ... etex を用いて TeX の記述を直接書き入れた場合に, その mp ファイルの MetaPost 処理時に生成される中間ファイル。

N

NFSS2

New Font Select Schema version 2”。 (La)TeX システムにおけるフォント管理機構。 エンコーディング・ファミリ・シリーズ・シェイプ・サイズという属性を基にフォントを管理する。

O

OpenType

OpenType はスケーラブルフォントの標準規格。 TrueType の次期規格として Adobe 社と Microsoft 社が共同で作製した。 異体字に対応している。 拡張子は “.otf”, “.ttf”, “.ttc”。

ovf2ovp

Omega 用 virtual font (ovf ファイル,256以上の文字コードを扱うことができる)を ovp ファイルに変換するツール。

ovp2ovf

Omega 用の virtual property list ファイル(256以上の文字コードを扱うことができる)を ovf ファイルに変換するツール。 2 バイトコードを扱う pTeX 用 virtual font の作成にも使用できるが,pTeX の拡張である direction 命令を使用することはできない。

P

pBibTeX

BibTeX を日本語化したもの。

pdftex

Hàn Thế Thành によって開発された TeX ソースから PDF を出力できる もの。“\pdfoutput=0” の場合は通常のように DVI を出力する。eTeX の 内容も含んでいるので欧文 TeX の世界では TeX の標準エンジンとして 使用されている。HZ アルゴリズムが使用可能で,特に PDF 出力の際には 容易に使用できる(microtype パッケージ)。

pdvitype

DVI ファイルに記述されている命令を人間に可読な形式に変換するプログラム。 アスキーが dvitype を日本語対応にした。

PFA

Printer Font ASCII”。PostScript Type 1 フォントの 形式の1つ。US-ASCII で記述されている。dvipdfmx では使用できない。dvips では 使用可能。

PFB

Printer Font Binary”。PostScript Type 1 フォントの形式の1つ。 バイナリデータなので そのままプリンタに送信されることはない。dvipdfmx および dvips で使用可能。

PFM

Printer Font Metrics”。

pk (フォント)

gf ファイルを(gftopk で)圧縮して得られる圧縮ビットマップフォント。 pk フォントのフォントファイル名の拡張子は “.pk” であることもあるが, いわゆる long-filename を許す環境では “.300pk” のごとく .<解像度>pk とすることが多い。

pl ファイル

TeX 関係ではしばしば,“property list” ファイル (TFM ファイルの中身を人間でも読める形式にしたもの)を指す。 なお拡張子 “.pl” は Perl スクリプトにも用いられるので, 混同しないように注意が必要。

pltotf

pl ファイルTFM ファイルに変換するツール。

pm ファイル

Perl module”。

poor man's bold

あるフォントの本物の太字フォントを利用出来ない場合に,文字を(少し位置をずらして)重ね打ちすることで,擬似的に太字に見せる方法。タイプライタやドットインパクトプリンタで使用されていた方法。

PostScript

DTP 業界標準のページ記述言語。非常に高機能だが,出力を得るためには PostScript インタプリタが必要であり他型式への変換が難しい (この問題は TeX と相似形である)。このため,PostScript ファイルそのものを インポートできるアプリケーションは少ない (読み込む場合は Adobe 社の製品を用いるか,フリーソフトでは Ghostscript を介すのが一般的)。 PostScript Level 1 はカラーに非対応。 なお,PostScript ファイルの拡張子には通常 “.ps” が用いられる。

pro ファイル

dvips が用いるヘッダファイル (各種の共通定義の PostScript コードを記述したファイル)。

ps2pk

PostScript Type 1 フォントを pk フォントに変換するツールのひとつ。 直接用いるよりも,mktexpk から呼び出されることが多い。 (W32TeX における設定ファイルは pspksupp.map)。

pt

長さの単位。TeX point。1 pt = 1/72.27 inch (JIS における 1 ポイント (0.3514 mm) に非常に近い)。 DTP 業界で一般に用いられている pt とは長さが異なる。 → bp

Q

Q

長さの単位(級)。 1 Q = 0.25 mm。 和文主体の出版物の文字サイズの指定によく用いられる。

R

rb ファイル

Ruby スクリプト。

RKSJ

Romaji Kana Shift_JIS”。 Shift_JIS の文字コードを表わす。

RKSJ-H

CMap の一つ。横書き (horizontal) で,Shift_JIS から Adobe-Japan1 への変換の割当が記述されている。

RKSJ-V

CMap の一つ。縦書き (vertical) で,Shift_JIS から Adobe-Japan1 への変換の割当が記述されている。

rml

Ryumin-Light”。 モリサワの明朝体であるリュウミンのウエイトの小さいフォント。 日本語 PostScript の処理系(プリンタ等)では,標準で利用することができる 明朝体が Ryumin-Light (HeiseiMin-W3 などの適切な代用フォントに 置き換えられることあり)。rml は min10.vf や jis.vf に記述されている Ryumin-Light に対応するフォント名であり,min10.vf や jis.vf を読んだ DVIware が rml を適切なフォントで出力する。dvipdfmx や dvips では rml は適切なマップファイルを経て出力機器の内蔵フォントとして処理され, Ryumin-Light-H になる。rml.tfm を (p)LaTeX が参照することは通常ない。

robust なコマンド

動く引数の中で用いる場合であっても, \protect による保護を必要としないコマンド。

S

sfd ファイル

Unicode 番号と何らかのエンコーディングにおける文字コードとの対応表 (サブフォント定義ファイル)。 (CJK パッケージなどでの利用のために) TrueType フォントなどを 「Unicode 番号順に分割したもの」を用いる際に dvipdfmx などの(サブフォントに対応した) DVIware や ttf2tfm といったツールに 「分割後のフォントの個々の文字と分割前のフォントでの文字コードの対応」を 教える,といった目的で用いられる。

sh ファイル

UNIX 互換 OS で用いられる (ba)sh などのシェルのスクリプトで あるシェルスクリプトの 拡張子に “.sh” が用いられる。

Shift_JIS

Wikipedia.ja:Shift_JIS
通信用語の基礎知識 — Shift_JIS
(cf. Windows-31J)

special 命令

DVI ではサポートしていない,デバイス依存の命令を埋め込むための命令。 各種図形・画像ファイルの取り込み,ハイパーテキスト,ソースコードへのジャンプ,用紙サイズの埋め込みなどには全て special 命令が使用されている。 special 命令も参照。

T

t1lib

Rainer Menzner らによって書かれた PostScript Type 1 フォントを扱うためのライブラリ。いくつかの DVIware が使用している。

t1utils

Type 1 utilities のこと。PostScript Type 1 フォントの 形式の変換 (t1ascii, t1binary) や人間に可読な形式への変換 (t1disasm) およびその反対方向への変換 (t1asm) を行うためのプログラム群。

tbl ファイル

ttf2pt1 が用いるエンコーディング定義ファイルには, 拡張子として “.tbl” が用いられる。 もっとも,他のアプリケーションも自らが用いるデータファイルの 拡張子に “.tbl” を用いることがあるので,文脈に注意が必要。

tcx ファイル

TeX 処理系に入力ファイル中の個々の文字の「読みかえ方」を指示するファイル。 例えば,

\documentclass{article}
\usepackage[latin1]{inputenc}
\usepackage[T1]{fontenc}
\begin{document}
 <iso8859-1 (latin-1) エンコーディングにて記述された文書>
\end{document}

のような文書から inputenc パッケージの読み込み行を外したとしても,

latex --translate-file=il1-t1.tcx filename

のごとく il1-t1.tcx を用いて入力テキストを読みかえさせると, inputenc パッケージを使用した場合と同じ出力が得られる。 もっとも,tcx ファイルを利用するよりも inputenc パッケージを用いるほうが扱いやすいだろう。

TDS

TeX Directory Structure”。 ディレクトリ構成標準化の試み。 A Directory Structure for TeX Files

tex ファイル

もちろん,TeX 文書の標準的な拡張子が “.tex”。 詳しくは,「TeX の本」の項で挙げられている参考書などを参照。

TeX4ht

E. M. Gurari 氏による,(La)TeX 文書から (X)HTML/MathML 文書へのコンバータ。 基本的には “DVIware” であり,DVI ファイルから変換させることにより 「原理的にはタイプセットできれば変換可能」であり,しかも 「special 経由での制御」および「TeX マクロレベルでの強力なカスタマイズ機構」を 兼ね備えている(See 『LaTeX Web コンパニオン』)。

texhash

ls-R ファイルの更新ツール(mktexlsr へのシンボリックリンク)。

TeXlipse

Eclipse 上の TeX 支援環境 → TeXlipse

Texmaker

Windows, macOS, Linux 上での TeX 環境総合支援ソフト。 → Texmaker

texmf.cnf

kpathsea の設定ファイル。

TeXShop

macOS 上での TeX 環境総合支援ソフト。 → TeXShop

TeXstudio

Windows, macOS, Linux 上での TeX 環境総合支援ソフト。 → TeXstudio

TeXworks

Windows, macOS, Linux 上での TeX 環境総合支援ソフト。 → TeXworks

TFM

TeX で使用する(欧文)フォントメトリック。 TeX 自身のタイプセット処理には(文字の配置に関しては) TFM データのみを用いる。 「タイプセット時に使用された個々の TFM に対してどの実フォントを用いて表示・印刷等の作業を行うか」というのは (原則として)個々の DVIware に対してきちんと設定することになる。

アスキー日本語 TeX — TFM ファイルの構成要素

tftopl

TFM ファイルを pl ファイルに変換するツール。

toc ファイル

LaTeX 文書中の \tableofcontents コマンドに対応して作成される目次ファイル。

TrueType フォント

フォントの形式のひとつ(「IT用語辞典 e-Words」による解説)。 単一のフォントからなる TrueType フォントファイルの拡張子は通常 “.ttf” で, 複数の TrueType フォントをまとめたもの (TrueType collection) の拡張子には 通常 “.ttc” が用いられる。

ttf2afm

TrueType フォントからフォントメトリックデータを抽出して afm ファイルを作成するツール。

tti ファイル

JIS コードと TrueType フォントの内部コードの対応表。 ttindex コマンドによって生成される。 (truetype ドライバではなく) freetype ドライバを用いる場合は必要ない。

ttindex

ttindex コマンドを実行したディレクトリに存在する TrueType フォントを調べ,.tti ファイルを生成する。 VFlib に付属する。

U

upBibTeX

BibTeX を日本語化したもの。

updmap

map ファイルの更新ツール。 → 使い方 updmap and kanji embedding in TeX Live (TeX Live), qa:42444 (W32TeX)

URW

フォントメーカー URW++。PostScript Level 2 での基本35書体(Times,Helvetica,Courier,ITC Zapf Chancery,Symbol,ITC Zapf Dingbats など)の互換フォント(Nimbus Roman No9 L, Nimbus Sans L, Nimbus Mono L, URW Chancery L, Standard Symbols L, Dingbats など)が Ghostscript 用に提供されている。dvipdfmx や dvips で(適切な map ファイルの選択により)利用できる。

US-ASCII

文字コードの 一つ。IANA によって IANA 文字集合レジストリ (IANA Character Set Registry) に登録されている。符号化文字集合の 名称としては “ASCII” や “ANSI INCITS 4” を用いるのが望ましい。
ASCII

UTF-8

Wikipedia.ja:UTF-8
通信用語の基礎知識 — UTF-8

V

V

CMap の一つ。 ISO-2022-JP (JIS コード)から Adobe-Japan1 への 縦書き用の割り当てが記述されている。

VF

Virtual Font”。 複数のフォントからグリフを集めたり,代用フォントと整合をとるための 補正を行ったりするためなどに用いられる。Virtual font には,special 命令を 含めて DVI に記述できる命令を全て記述できる。

VFlib

Vector Font library”。 TrueType などのフォントデータをラスタライズし ビットマップデータを生成するためのライブラリ。

vfontcap

VFlib によって参照される。フォントの存在するパスや利用する際の短縮名 (エントリ名)などを記述する。UNIX 類似環境では通常 /etc// 以下に置かれる。 /etc/printcap の書式に類似する。詳しい書式については VFlib 付属のドキュメント(/usr/share/doc// 以下などに存在する)を参照のこと。

vfontmap

xdvi によって参照される。当初は,vfontcap に記述されている任意のエントリ名を利用するために作成された。現在では,FreeType を使う場合には,フォントファイルの実体のパスおよびエンコーディグを記述するために用いられる。

vftovp

VF ファイルを vpl ファイルに変換するツール。

vpl ファイル

VF ファイルの中身を人間でも読める形式にしたもの (“virtual property list” ファイル)。

vptovf

vpl ファイルVF ファイルに変換するツール。

W

Web2C

Knuth による TeX, METAFONT オリジナルのソースは,Knuth が考案した WEB という書法で記述されている。WEB とはコード (Pascal) と文書を 統合したもので,これを tangle で処理するとコード部分がとりだされ,weave で 処理すると TeX で処理可能な文書ができる。Web2C とは元来 tangle で 生成された Pascal コードを C 言語に変換するプログラムを意味し, Tomas Rokicki によって書かれた。その後 Tim Morgan によって拡張され, Karl Berry を経て、最近まで Olaf Weber によってメンテナンスされていた。 現在は再び主として Karl Berry によってメンテナンスされている。 TeX の機能拡張を含むチェンジファイルや,多くのユーティリティも 配布されるので Web2C のバージョンで TeX 処理システム全体の特徴を 表すこともある。バージョン番号は 7.5.7 のように付けられて来たが、 このタイプは 7.5.7 が最後であり、2009年から TeX Live のリリース年と あわせて年号をバージョン番号として使用するようになったようである。 従って 2016年の最新のバージョンは Web2C 2016 である。

windows-1252

Wikipedia.en:windows-1252
(cf. ISO-8859-1)

Windows-31J

Wikipedia.ja:Windows-31J
通信用語の基礎知識 — Windows-31J
(cf. Shift_JIS)

W32TeX

角藤さんが Windows に移植した TeX 配布ファイルの名称。 → W32TeX

X

xdv ファイル

XeTeX が生成する拡張 DVI ファイル。

xdvik

kpathsea ライブラリを組み込んだ xdvi。

XeTeX

TrueType/OpenType フォントから メトリック情報を取得して,組版を行う TeX。従来の TFM ファイルも使用できる。 「ズィーTeX」と読む。入力は UTF-8 ベースが標準。 → XeTeX

Y

YaTeX

Emacs 上の TeX 支援環境 → YaTeX

Z


Last-modified: 2024-02-03 (土) 15:48:26 (73d)