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索引があると,読む側としては「用語から検索して該当する部分のみ拾い読みする」という読み方が出来ますので,非常に便利です。
LaTeX で索引を作成するには,Makeindex, mendex, upmendex, texindy, xindy 等のツールを用います。 ここでは mendex を使用した索引の作りかたを説明します。
LaTeX では \index という「索引の対象となる用語があるよ」と目印をつける命令があります。 それを本文の随所につけておき,本文の最後に \printindex と記述することで,索引を出力することが出来ます。 ページ番号も自動的につきます。
まず,プリアンブルに次のように記述します。
\usepackage{makeidx} \makeindex
その上で,索引をつけたい用語が英語なら次のように索引用ラベルを貼ります。
If you want convert DVI file to PDF file, using dvipdfmx\index{dvipdfmx} is the greatest choice.
日本語で漢字を含む場合は,ラベルとして次のように @ の前に「ふりがな」,@ の後に漢字をつけます。
免疫\index{めんえき@免疫}とは,例外をおそれずにいえば,体内に入ってきた細菌や ウィルス(非自己\index{ひじこ@非自己}\footnote{抗原\index{こうげん@抗原}と総称される。}) といった自己にとって危険な要素を徹底的に排除しようと試みる際に,脳以上に主導権を握っている 生体防御機構\index{せいたいぼうぎょきこう@生体防御機構}である。
こうしたものをどんどん書いておき,索引を出力したい場所(本文の末尾など)に
\printindex
と書きます。
さて,索引を処理するのは mendex というツールです。
先ほど説明したように \index と \printindex を書いた TeX ファイル名を hoge.tex とします。 その上で,次のように実行してください。
platex hoge mendex hoge platex hoge
こうすると,索引の用語が自動でアルファベット順,平仮名の場合はあいうえお順に並べられて出力されます。 もし,同じ文書中で \tableofcontents によって目次を作ろうとしている場合は,最後にもう一回
platex hoge
でタイプセットしましょう。 そうすることで,目次に索引のページ番号が表示されます。
拡張子を省略していますが,そのほうが楽でしょう。 具体的には
索引を作成するうえで留意すべき点や,より楽に作業する試みなどのコメントです。
……\index{むやみにながいさくいんご@むやみに長い索引語}むやみに長い索引語……のごとく,\index コマンドを索引語の「直前」に置くほうがよいこともあります。
「漢字の読みの辞書」を用いた場合は,\index コマンドに「読み方」の記述は不要です。
索引語\index{索引語}を挿入\index{挿入}する。
\index{ゆうせんされるよみかた@優先される読み方}
\def\term#1{#1\index{#1}}とマクロ定義し,これを利用すると,
\term{索引語}を\term{挿入}する。
$ mendex -U -d foo.dic foo.idx $ cat foo.dic # Japanese pronounciation dictionary (tab-separated) 索引 さくいん 語 ご 挿入 そうにゅう #
例えば,saykotoeri というコマンドがあるようです(OS X 用)。
$ saykotoeri -o -m "索引" さくいん
用語の別名の索引は,基本的に「see」を用い,ページ数は表示させない方が良さそう。すなわち,記述例として,
\renewcommand{\seename}{$\rightarrow$} \index{クラクション|see{警笛(クラクション)}}
警笛\index{けいてき(クラクション)@警笛(クラクション)} % at p.10 クラクション\index{けいてき(クラクション)@警笛(クラクション)} % at p.20
クラクション, → 警笛(クラクション) 警笛(クラクション), 10, 20
ソース内で,加工コマンド付きの \index{・|加工コマンド} を付加する。ボールド体で表示の例。
索引語\index{さくいんご@索引語|textbf}を挿入\index{そうにゅう@挿入|textbf}する
試み例 (texindex.pl): 寒川光「LaTeX & PostScript スーパーユーザのテクニック」共立出版
挿入位置に注意が必要。下記の位置に\index{} コマンドを挿入すると,文字詰めを殺してしまう。
回避例
編集者・出版社のノウハウ(門外不出?)かもしれません。
上の例では mendex を使って索引を作りました。 ほかのツールを含めて,索引作成ツール比較で比較しました。