LaTeX のエラーメッセージ

LaTeX を使っているときに出されるエラーメッセージには「! LaTeX Error:...」で始まるものと単に「! ...」で始まるものに大別されます。 前者は LaTeX が出すエラーメッセージで、後者は TeX にもともと組み込まれているエラーメッセージです(一部例外もあります)。 ここでは LaTeX が出すエラーメッセージを集めてあります。ここに載っていないエラーメッセージは TeX のエラーメッセージLaTeX の警告メッセージ もご覧ください。

全体をとおして “!” に続くエラーメッセージをアルファベット順に並べてあります。

全般的な注意

エラーメッセージ一覧(アルファベット順)

! *** What's this? NFSS release 0? ***

NFSS1 のコマンド \new@fontshape の引数を調べている最中に,仕様に合わない記述が見つかった場合のエラーメッセージのようですが…

→ もしこれを目にしたら,問題となっている \new@fontshape を \DeclareFontShape を用いて書き換えてください. 必要があれば,パッケージあるいはクラスファイルの作成者に連絡して修正を促すことになるでしょう.

! Bad texsys.cfg file: \@currdir .

フォーマットファイル latex.fmt/platex.fmt の作成時に,ファイル texsys.cfg で \@currdir が定義されているにもかかわらずその \@currdir で与えられる文字列がカレント・ディレクトリを正しく表していない(カレント・ディレクトリにあるはずのファイル “\@currdir texsys.aux” (\@currdir が与える文字列に texsys.aux を連結した文字列)を読み込めない)場合に現れるエラーメッセージです.

→ (ヘルプメッセージに現れるように)とりあえず,ファイル texsys.cfg を削除(あるいは退避)させてから再びフォーマットファイルの作成を試みてください. 特に,UNIX タイプ,Macintosh タイプ,VMS タイプのファイルシステムに対しては \@currdir およびファイルネーム・パーサは自動選択されるので,それらのシステムを用いている場合にはファイル texsys.cfg の中で \@currdir を定義する必要はありません.

! Corrupted NFSS tables.

何らかの理由でフォントの代替に失敗した場合に現れるエラーメッセージ(のひとつ)です. 例えば,次のような記述をオリジナルの LaTeX で処理するとこのエラーが生じます(pLaTeX で処理した場合には,\begin{document} のところで別のエラーが生じます).

\documentclass{article}
\DeclareFontEncoding{LXX}{}{}
%%%\DeclareFontSubstitution{LXX}{cmr}{m}{n}%%% (*)
\DeclareFontFamily{LXX}{cmr}{}
\DeclareFontShape{LXX}{cmr}{m}{n}{<-> cmr10}{}

\DeclareFontEncoding{LXY}{}{}
\DeclareFontSubstitution{LXY}{cmr}{bx}{n}
\DeclareFontFamily{LXY}{cmr}{}
\DeclareFontShape{LXY}{cmr}{bx}{n}{<-> cmb10}{}

\begin{document}
\fontencoding{LXY}\selectfont%%% ここで \default@series などが変更される.
zzz \textbf{bold?}

\fontencoding{LXX}\selectfont
%%% (*) に相当する設定を欠いている(\D@LXX が未定義である)ため,
%%% ここでは \default@series は LXX 用のものに変更されない.
zzz
\textbf{bold?}%%% ここで,フォントの属性の代替に失敗.
\end{document}

→ このエラーが生じた場合には,とりあえず“フォントの代替”(デフォルトの属性の設定)に関する部分をチェックするとよいでしょう. 特に,\DeclareFontSubstitution(あるいは \DeclareKanjiSubstitution)の指定忘れには注意が必要です.

! Infinite tan !.

trig パッケージ使用時に,\UseTan の引数に±90 といった tan の定義域に含まれない値を与えた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \UseTan の引数の値が±90+(360 の倍数)にならないように \UseTan の引数を変更してください. ユーザ定義のマクロの中で \UseTan を用いている場合(特に,\UseTan の引数が可変である場合)には,\UseTan の引数のチェック処理を導入することになるでしょう.

! LaTeX Error: \< in mid line.

tabbing 環境で \<(現在の行の先頭項目のタブ位置(項目を揃える位置)を 1 個前のタブ位置に戻すマクロ) を行の先頭項目以外で用いた場合に(原則として)現れるエラーメッセージです.

→ tabbing 環境内で \< を用いる場合には,行の先頭項目の中(先頭に置くのがよいでしょう)で用いてください.

! LaTeX Error: Bad \line or \vector argument.

(picture 環境内の)\line あるいは \vector の方向が“処理可能なもの”ではない場合のエラーメッセージです.

→ \line あるいは \vector の方向の指定が正しいかどうかをチェックしてください. なお,特に \line あるいは \vector の機能を拡張していない場合には,水平・垂直のどちらでもない線分・矢印の方向は次の条件をみたさなければなりません(ただし,お使いの LaTeX が十分に新しい場合には,pict2e パッケージを用いると下記の制限を外せます).

! LaTeX Error: Bad math environment delimiter.

\( を数式中で用いた場合のように,\(,\),\[,\] を不適切な箇所で用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ 数式になる部分の範囲をチェックして,\(,\),\[,\] をインライン数式・ディスプレイ数式の範囲を正しく表すように使用してください.

! LaTeX Error: \begin{env_X} on input line lineno ended by \end{env_Y}.

環境の \begin と \end の対応が狂っているときに現れるエラーメッセージです.

→ まず,環境名が正しいかどうかをチェックしてください. 正しければ,エラーメッセージ中およびエラーメッセージの後に現れている行番号などを参考にして “個々の環境の開始位置・終了位置” をチェックしてください. 環境の終了順序を間違えているということもよくあることですし,また,必要があれば \end{env_X} あるいは \begin{env_Y} を補うことになるでしょう.

! LaTeX Error: Can be used only in preamble.

\usepackage のようなプリアンブルでしか使えないコマンドを本文部分(\begin{document} のあと)で用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ このエラーを引き起こした記述をプリアンブルに移動してください.

! LaTeX Error: Can not include graphics of type: extension.

拡張子が .extension の形式の画像ファイルの取り込み方法が(def ファイルにおいて)規定されていない場合に現れるエラーメッセージです.

extension 形式の画像をサポートした dviware を用いるように graphicx パッケージのオプション指定を変更するか,画像ファイルの形式のほうを適宜変換してください. 画像ファイルの取り込みは TeX そのものが行うのではないため,ドライバごとに扱える画像形式も具体的な扱い方も異なります(参考:TeX と「TeX 以外」).

! LaTeX Error: Cannot be used in preamble.

\nocite をプリアンブルで用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \nocite を本文部分(\begin{document} 以降)に移動してください.

! LaTeX Error: Cannot determine size of graphic in filename (no BoundingBox).

\includegraphics による画像ファイルの取り込みの際に,“バウンディングボックス情報”(eps ファイルの場合は画像自体の寸法)を取得することに失敗した場合に現れるエラーメッセージです.

dvipdfmx を使っている場合は,extractbb の自動実行許可の設定を参考にしてください. あるいは,必要な xbb ファイルを用意してください. graphicx パッケージに hiresbb オプションを指定しているにもかかわらず,取り込む eps ファイルには %%HiResBoundingBox 行がない(%%BoundingBox 行しかない),という可能性もあります.

graphicx パッケージのオプション指定によっては,サポートしているか否かに関係なく“処理が定義されていない拡張子に対するデフォルトの処理”が(def ファイルの中で)与えられていることがあります(例えば,dvips や dvipdfmx のようなオプションを指定した場合). この場合には,サポートしていない形式の画像ファイルを取り込もうとしても “Unknown graphics extension: …” のエラーは生じないでこのエラーが生じることがあります.

OS 側で .PNG と .png が同一視されていようと,仮に「graphics/graphicx パッケージ(および .def ドライバファイル)の中で .png に対する処理のみ定義されていて .PNG に対する処理が未定義」という場合にはこのエラーが発生するかもしれません.

! LaTeX Error: Cannot determine size of graphic in filename (no size specified).

画像自身の“バウンディングボックス情報”は用いずに \includegraphics の width,height(あるいは totalheight)の両オプションによって画像が占める(予定の)領域の寸法を指定することになっている場合に, 幅と高さの指定の少なくとも一方が欠けている場合に現れるエラーメッセージです.

→ \includegraphics のオプション指定で幅と高さの両方を指定してください.

直前に挙げたメッセージの場合と同様に,サポートされていない形式の画像を取り込もうとしているという場合もあります.

! LaTeX Error: \caption outside float.

\caption を figure 環境や table 環境の外部で用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \caption および \caption をつける対象を figure 環境などの適切な環境に入れてください.

! LaTeX Error: Command `\somecs' already defined.

\DeclareMathAlphabet,\DeclareMathSymbol などを用いて数式用書体変更コマンドや数式用記号を定義(あるいは再定義)する際に,\somecs が定義済みであって,かつ,\DeclareMathAlphabet などによっては定義を上書きできない(と判定された)場合のエラーメッセージです. 例えば,

\DeclareMathSymbol{\circle}{\mathord}{symbols}{"0D}

のような記述を行った場合に現れます.

→ まず,定義あるいは再定義するコマンドの名称が正しいかどうかを確認してください. 正しい場合(全く別の意味で定義されているが,真にやむを得ない事情により数式用のコマンドとして再定義する場合)には,再定義する前に \let\somecs\relax のように \somecs の定義を消去してください.

! LaTeX Error: Command \somecs already defined.
Or name \end... illegal, see p.192 of the manual.

\newcommand などで \somecs を定義しようとしている場合に, (1) \somecs が定義済みである (2) \somecs が \end... という形をしている (3) \somecs が \relax そのものである のいずれかの理由で(新規に)定義できない場合のエラーメッセージです.

→ コマンドを新設する場合には,\somecs の名称を既存のコマンドと衝突しないものに変更してください. 本当に再定義する場合には \renewcommand を用いてください. なお,あるパッケージで定義されているマクロと同じマクロが別のパッケージでも \newcommand で定義されていると,パッケージの読み込み順によっては \newcommand を用いたほうのパッケージの読み込み時にこのエラーが生じることがあります.

環境 envname は環境の開始時に \envname を用い,終了時に \endenvname を用います. ここで,環境の終了時には特に何もしない,という場合には \endenvname は未定義であったとしても構いません. そのため,仮に \end... という形の名称のあるコマンドが未定義であったとしても,それを不用意に定義すると既存の環境の挙動に影響を与える可能性があります. そこで,\newcommand で定義する際には \end... という形の名称のコマンドは定義できないようにしてあります.

! LaTeX Error: Command \somecs invalid in math mode.

コマンド \somecs は数式中では使えない,というエラーメッセージです.

→ 数式用のコマンドを使って書き換えてください. 例えば,${\rmfamily a}$ → $\mathrm{a}$ のようにします.

! LaTeX Error: Command \somecs invalid with `disablejfam' class option..

和文フォントに対する数式用書体変更コマンド(標準配布のクラスファイルでは \mathmc,\mathgt の 2 個が用意されています)を disablejfam クラスオプション適用時に使用した場合に現れるエラーメッセージです.

→ disablejfam クラスオプションを用いるのを取り止めるか,\textgt 等の(数式フォントを用いない)コマンドで書き換えてください.

何もパッケージを用いない状態で \textgt などを数式中で用いると,添字の中でも地の文における文字サイズになってしまいますが,amsmath パッケージ(amstext パッケージで充分です)を併用すると使用箇所に応じた文字サイズで出力されるようになります.

! LaTeX Error: Command `\somecs' not defined as a math alphabet.

\SetMathAlphabet を用いて“あるバージョンの数式で数式用書体変更コマンド \somecs に対して用いる書体”を指定しようとした場合に,その \somecs が数式用書体書体変更コマンドとして定義されていない場合のエラーメッセージです. 例えば,

\SetMathAlphabet\textrm{bold}{OT1}{cmr}{bx}{n}

のような記述を行った場合に現れます.

→ まず,\SetMathAlphabet による設定を追加する対象のコマンド(\somecs)の名称が正しいかどうかを確認してください. 正しい場合には,次のように対処してください.

! LaTeX Error: Command \somecs not provided in base LaTeX2e.

latexsym パッケージあるいは amsmath パッケージ(あるいはそれに代わるようなパッケージ)を使用しない状態で \mho,\Join,\Box,\Diamond,\leadsto,\sqsubset,\sqsupset,\lhd,\unlhd,\rhd,\unrhd のいずれかを用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ latexsym パッケージなどを用いて,使いたい記号に対応するコマンドを定義してください.

! LaTeX Error: Command \somecs unavailable in encoding encoding.

現在のエンコーディングが encoding である箇所で,そのエンコーディングでは利用できない文字に対応するコマンド \somecs を用いた場合に現れるエラーメッセージです. 例えば,

\documentclass{article}
\begin{document}
10\textperthousand
\end{document}

のような記述を処理すると現れます.

→ 今の例で言えば 10\textperthousand の部分を

10{\fontencoding{T1}\selectfont\textperthousand}

のように変更して然るべき字形を提供するエンコーディングを使用するか,もっと単純に textcomp パッケージを用いて \textperthousand を(特に細工しなくても出力されるように)再定義するとよいでしょう. ほかの記号に関しても同様です.

! LaTeX Error: Command something invalid in math mode.

数式中では使えない記述 something を数式中で用いた場合のエラーメッセージで,数式中で \item を用いた場合などに現れます.

→ エラーを引き起こした記述が数式の外に出るように,文書を修正してください. 例えば,\item がこのエラーを引き起こした場合には,その \item の直前の項目の中に終了していないインライン数式がある,といったことが考えられます.

! LaTeX Error: Counter too large.

LaTeX のカウンタの値を \alph,\Alph,\fnsymbol などで文字列化する際に,カウンタの値が文字列化できる値の上限を超えた場合のエラーメッセージです.

→ 番号の形式を変更しないのなら,文書自身に手を加えて,問題となっているカウンタの値が大きくなりすぎないようにすることになります. 文書自身に手を加えることができないなら,\alph などのコマンドを別のものに取り換えるか再定義して,文字列化できる範囲を拡大することになります(例えば,\alph の場合なら,27 以降の番号に対しては a に戻るか,aa,ab のように続ける,といった変更が考えられるでしょう).

! LaTeX Error: Encoding scheme `encoding' unknown.

\DeclareFontFamily や \fontencoding などを用いた際に,指定したエンコーディング名 encoding が未定義である場合のエラーメッセージです.

→ まず,エンコーディング名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ,\DeclareFontEncoding を用いてエンコーディング encoding の宣言を行ってください.

jarticle, jreport, jbook を使用していて ! LaTeX Error: Encoding scheme `JY1' unknown. と表示される場合は,それぞれ ujarticle, ujreport, ujbook という upLaTeX で使用するクラスファイルに変更します.

! LaTeX Error: Environment envname undefined.

\renewenvironment で envname 環境を再定義しようとしているにもかかわらず,その envname 環境が未定義であった場合のエラーメッセージです.

→ まず,環境名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ(環境を新設する場合なら),\renewenvironment ではなく \newenvironment を使ってください.

! LaTeX Error: File `filename' not found.

\usepackage や \input などでファイルを読み込む際に,読み込み対象のファイルが見つからなかった場合に現れるエラーメッセージです.

→ まず,読み込み対象のファイル名・パッケージ名などを確認してください. 正しいファイル名などを指定している場合には,そのファイルが“TeX が探し出せる”ディレクトリ(カレント・ディレクトリあるいはファイル texmf.cnf の TEXINPUTS.platex などで指定されるディレクトリ)にあるかどうかをチェックしてください(ファイル texmf.cnf における TEXINPUTS などの書式は,ファイル texmf.cnf 自身に書いてあります;texmf.cnf ファイル参照). ユーザ自身が所有していないファイルを読み込もうとしていた場合には,もちろん然るべきファイル(あるいはパッケージ)を入手(あるいはインストール)することになります. さらに,次のようなことにも注意してください.

! LaTeX Error: Font attributes not found.

書体・文字サイズの変更などの際に,属性 attributes に対して使用するフォントを割り出せなかった場合のエラーメッセージです.

→ 使用することになった属性 attributes に対するフォント定義が適切なものであるかどうかを確認してください(\DeclareFontShape の第 5 引数の記述に不備があって,フォント定義がすべてのサイズをカバーしていないかサイズ代用ができないようになっていると考えられます). 専用フォントを用いるようなパッケージを使用している場合には,そのパッケージに含まれる fd ファイルが充分に新しいものであるかどうかにも注意してください.

! LaTeX Error: Font family `encoding+family' unknown.

\DeclareFontShape を用いてエンコーディングが encoding でファミリーが family の何らかのシリーズ・シェイプに対するフォント定義を与える際に,このエンコーディング encoding とファミリー family の組み合わせが宣言されていない場合のエラーメッセージです.

→ まず,エンコーディング名・ファミリー名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ,\DeclareFontFamily または \DeclareKanjiFamily を用いてエンコーディング encoding にファミリー family が存在することを宣言してください.

jsarticle, jsbook を使用していて ! LaTeX Error: Font family `JY1+mc' unknown. と表示される場合は,

\documentclass[uplatex]{jsarticle}

\documentclass[uplatex]{jsbook}

のように uplatex オプションを追加すれば upLaTeX 対応になります.

! LaTeX Error: ftnright package used in one-column mode.

ftnright パッケージ使用時に,1 段組部分(正確には,LaTeX の *デフォルトの* 2 段組の処理を用いていない箇所)に脚注が存在する場合に現れるエラーメッセージです.

→ ftnright パッケージを用いる場合には,twocolumn クラスオプション(または \twocolumn コマンド)で 2 段組にし,さらに, 1 段組部分では脚注を用いないでください. これは,ftnright パッケージの仕様と思われます. 特に,multicol パッケージとは併用できないことに注意してください.

! LaTeX Error: Illegal character in array arg.

array,tabular 両環境の引数(個々の列の揃え方の指定)の中に使用できない文字(k など)が存在する場合のエラーメッセージです.

→ 列の揃え方の指定が c,r などの使用できる指定だけからなるかどうかをチェックしてください.

! LaTeX Error: Illegal use of \verb command.

doc パッケージ使用時(例えば,dtx ファイルの記述)において,何らかのコマンド(例えば,\section)の引数の中で \verb を用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \verb は(原則として)ほかのコマンドの引数の中では使えないので,\verb を用いている箇所を \texttt などを用いて書き換えてください. また,doc パッケージ使用時には,コマンド名の記述に \cs を用いることもできます.

! LaTeX Error: \include cannot be nested.

\include で読み込んだファイルの中で再び \include を用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \include で読み込んだファイルの中では \include を使わずに \input などを用いてください.

! LaTeX Error: Index type `type' already defined.

index パッケージ使用時に \newindex を用いてすでに定義してあるタイプ type の索引を再び \newindex コマンドで定義した場合に現れるエラーメッセージです.

→ 同じタイプの索引を重複定義しないように,\newindex の引数を適宜変更してください. 定義済みの索引を再定義する場合には \renewindex を用いてください. なお,index パッケージ使用時には \makeindex コマンドによってタイプ default の索引が定義されることに注意してください.

! LaTeX Error: Index type `type' not defined.

index パッケージ使用時に \renewindex を用いて未定義のタイプ type の索引を再定義しようとした場合に現れるエラーメッセージです.

→ 索引のタイプの名称を確認してください. 正しい名称を用いている場合には,\newindex を用いて新規定義にしてください.

! LaTeX Error: Index type `type' undefined.

index パッケージ使用時に \index または \printindex のオプション引数で指定したタイプ type (オプション引数を与えない場合にはdefault タイプになります)の索引が \newindex によって定義されていない場合に現れるエラーメッセージです.

→ \index のオプション引数が正しいかどうかを確認してください. 正しい引数を用いている場合には,そのタイプの索引を \newindex で定義してください. また,オプション引数なしの \index/\printindex を使用する場合には,プリアンプルで \makeindex コマンドを使用するか,default タイプの索引を定義する必要があることに注意してください.

! LaTeX Error: KANJI Encoding scheme `encoding' unknown.

\DeclareKanjiFamily や \fontencoding(\kanjiencoding)などを用いた際に,指定した和文フォント用のエンコーディング名 encoding が未定義である場合のエラーメッセージです.

→ まず,エンコーディング名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ,\DeclareTateKanjiEncoding あるいは \DeclareYokoKanjiEncoding を用いてエンコーディング encoding の宣言を行ってください(充分に新しい pLaTeX では,さらに \KanjiEncodingPair の設定も適宜行うことになるでしょう).

 (u)pLaTeXの場合、kanji-config-updmap-sys [argument]の設定が正しいかどうかも確認してください。例えばhiragino-pronのままmorisawaを使おうとすると、このエラーが出ます。

 →これは本当でしょうか? 原理的には kanji-config-updmap-sys が担当するのは「dvipdfmx や dvips が使うマップ」なので,その手前である「(u)pLaTeX でのタイプセット」に使われるエンコーディングとは無関係のはずです。また,「例えばhiragino-pronのままmorisawaを使おうとする」とは具体的にどのような処理でしょうか? むしろ,pLaTeX で処理すべきソースを upLaTeX で処理すると,JY2 ←→ JY1 が異なるのでエラーが発生するケースが多いような。 -- aminophen 2017-06-28

! LaTeX Error: LaTeX2e command \somecs in LaTeX 2.09 document.

(\documentstyle を用いた)LaTeX 2.09 形式の文書を LaTeX2e(の LaTeX 2.09 互換モード)で処理するときに,その文書内に LaTeX2e 専用のコマンド \somecs が現れた場合のエラーメッセージです.

→ 文書自身を LaTeX2e 形式に直しましょう. このとき \documentstyle は \documentclass に修正します.

! LaTeX Error: \LoadClass in package file.

パッケージ(.sty)ファイル内で \LoadClass が用いられている場合に現れることがあるエラーメッセージのひとつです(典型的な場合は,そのようなパッケージをクラスファイル内で \RequirePackage で読み込んだ場合).

→ \LoadClass はクラスファイル内でしか使えませんので,読み込むことにするファイルの拡張子を変えて \RequirePackage あたりを用いてください. もし,既存のクラスファイルを読み込まなければならない場合には,\LoadClass を用いているパッケージファイルをクラスファイルに格上げしてください(なお,\LoadClass で読み込まれるクラスファイルがさらに別のクラスファイルを \LoadClass で読み込むのは構いません).

! LaTeX Error: Lonely \item--perhaps a missing list environment.

enumetate 環境,itemize 環境といった list 系の環境の外部で \item を用いた場合などに現れるエラーメッセージです. “など”と書いていますが,特に変わったことをしていなければ,ほかの場合は考えなくても構いません.

→ \item を用いた箇所の周囲の記述を調べ,その \item が適切な箇条書きの環境に含まれるように変更してください.

! LaTeX Error: Math alphabet identifier \somecs is undefined in math version `version'.

“数式用書体変更コマンド \somecs は,数式バージョン version に対しては未定義”ということですが… きちんとメンテナンスされていて,かつ,充分に新しいクラスファイル・パッケージを使用している場合にはお目にかかることはないでしょう.

→ もし,これを目にした場合は,使用しているパッケージあるいはクラスファイルの中の NFSS1 形式 の記述を現行の NFSS2 形式の記述に変更してください.

! LaTeX Error: Math version `version' is not defined.

\mathversion を用いた際に,指定したバージョン version が未定義である場合のエラーメッセージです.

→ まず,バージョン名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ,\DeclareMathVersion を用いて数式バージョン version を宣言してください. 必要があれば,さらに \SetSymbolFont,\SetMathAlphabet を用いてこのバージョンの数式で用いるフォントの設定を行ってください.

! LaTeX Error: Misplaced \endSbox! Should be in LR mode.

(fancybox パッケージによる)Sbox 環境の終端で用いられる \endSbox を水平ボックスの中ではない箇所で用いた場合に現れるエラーメッセージですが…

→ Sbox 環境の中身に余分な閉じ括弧 } が存在しないかどうかをチェックしたほうがよいでしょう.

! LaTeX Error: Misplaced \end{Verbatim}.

fancybox パッケージ使用時に \endVerbatim などのコマンドを直接使用すると現れるエラーメッセージです.

→ 各種の環境を環境の形で使用してください.

! LaTeX Error: Missing @-exp in array arg.

array,tabular 両環境の引数(個々の列の揃え方の指定)の末尾が文字 @ である場合のエラーメッセージです.

→ @ の後に適切な記述を追加してください(@ は @{item} という形で item を挿入するために用います).

! LaTeX Error: Missing \begin{document}.

\begin{document} がない,すなわち LaTeX 文書のプリアンブル部分に本文部分に属する記述が入り込んでいる,ということです.まずは\begin{document}の記述を忘れていないか確認.また、プリアンブルに,コマンド名の一部になっていない通常の文字や,記号類を出力するコマンドが入っていないか確認(全角空白は見えにくいので特に注意). しかし,むしろ “プリアンブル部分で用いるコマンドの引数の個数を間違えたために,後続のコマンドの引数になるはずのものがただの文字列として扱われている” ということも多いようです. また

\newcommand{\key-word}[1]{key words: #1}

あるいは

\newcommand{\sample*}[1]{\textbf{#1}}

のごとく,“\newcommand/\renewcommand の第 1 引数が単一のコマンドではない” ような定義・再定義をプリアンブルで行った場合にもこのエラーが生じます(pTeX 使用時には,\ルール のようなものも単一のコマンドではなく,\ル + 文字列“ール”となることに注意が必要です).

→ いずれにせよ,プリアンブル部分の記述を見直すことになります.

まれに,拡張子がaux の補助ファイルの読み込み中にこのエラーが生じることがあります.大抵は,何かの拍子にこの補助ファイルに余計な物が紛れ込んだためです.この場合,当該の補助ファイルを一旦削除してタイプセットすれば解消します.

! LaTeX Error: Missing p-arg in array arg.

array,tabular 両環境の引数(個々の列の揃え方の指定)の末尾が文字 p である場合のエラーメッセージです.

→ p の後に項目の幅を表す寸法を追加してください(p は p{size}(size は寸法)という形で幅が size の段落型の項目を指定するために用います).

! LaTeX Error: *** NFSS release 1 command \somecs found
*** Recovery not possible. Use \othercs.

文字通り NFSS の旧版(NFSS1)のコマンド \somecs が用いられている場合のエラーメッセージです.

→ メッセージに従い \somecs を用いた部分を \othercs を用いた書式に書き換えてください. 必要があれば,パッケージ(あるいはクラスファイル)の作成者に連絡して訂正を促すことになります.

! LaTeX Error: *** NFSS release 1 command \newmathalphabet found
*** Automatic recovery not possible.
*** TYPE H for Help.

これも文字通りです.

→ パッケージあるいはクラスファイル中の \newmathalphabet が用いられている箇所を \DeclareMathAlphabet を用いて書き換えてください. 必要があれば,パッケージ(あるいはクラスファイル)の作成者に連絡して訂正を促すことになります.

! LaTeX Error: No counter 'cntname' defined.

\addtocounter,\setcounter,\stepcounter によって LaTeX のカウンタの操作を行う際などに, カウンタ cntname が未定義である場合のエラーメッセージです.

→ カウンタ名 cntname が正しいかどうか(あるいは定義済みであるかどうか)をチェックしてください. 新設すべき場合には \newcounter でカウンタ cntname を定義してください.

(v2.13 の)amsmath パッケージの \numberwithin の第 2 引数に未定義のカウンタ名を用いると,cntname が ? になったメッセージが現れますが,これは単にエラーメッセージに関する処理の変更漏れと思われます.

! LaTeX Error: No \title given.

\title を用いない状態で \maketitle を行った場合に現れるエラーメッセージです(使用するクラスファイルによっては現れないこともあります).

→ \maketitle を用いる前に \title を用いて文書の表題を与えてください.

! LaTeX Error: No verbatim file filename.

fancybox パッケージによる \VerbatimInput などで読み込もうとしたファイル filename を読み込めなかった場合に現れるエラーメッセージです.

→ まず,読み込み対象のファイル名を確認してください. 正しいファイル名を指定している場合には,そのファイルが“TeX が探し出せる”ディレクトリ(カレント・ディレクトリあるいはファイル texmf.cnf の TEXINPUTS.platex などで指定されるディレクトリ)にあるかどうかをチェックしてください. 詳細は ! LaTeX Error: File `filename' not found. の項の説明を参照してください.

! LaTeX Error: Not a command name: `something'.

\DeclareMathAccent の第 1 引数(数式用アクセント記号として定義されるコマンドのはずのもの)が,コマンドではない場合のエラーメッセージです. 例えば,

\DeclareMathAccent{z}{\mathalpha}{letters}{"7E}

のような記述を行った場合に現れます.

→ \DeclareMathAccent の第 1 引数を修正して何らかのコマンドを用いるようにしてください.

! LaTeX Error: Not in outer par mode.

figure,table の両環境や \marginpar を“ページ分割できない”箇所で用いた場合のエラーメッセージです.

→ figure 環境などの記述位置が“ページ分割可能な箇所”であるかどうかチェックしてください. ページ分割可能でない(ものとみなされる)箇所に figure 環境などがある場合には,それらの位置を適宜変更してください. なお,「(個々の)画像にキャプションをつけない場合には,そもそも figure 環境を用いなくてもよい」ことにも注意してください(figure 環境は「図扱いのもの(とキャプション)を『配置する』環境」で,画像の貼り付け自体は \includegraphics コマンドが行う処理).

eclbkbox パッケージによる breakbox 環境のようなある種の枠囲みの環境では,出力結果自体はページ分割可能であっても,処理上は“一度(ひとつの)ボックスを作成したのち,そのボックスを適宜分割・加工して並べ直す”という取り扱いがなされていることがあります. そのような場合,(明示的に作成されたボックスの中,というのはページ分割可能な箇所とは(一般には)言えませんので)breakbox 環境の中のようなところでも figure 環境の類は使えない,ということになります.

! LaTeX Error: Option clash for package package.

package パッケージが 2 度以上読み込まれ,1 回目には指定されていなかったオプションが 2 回目以降に新たに指定されたとみなされた場合に現れるエラーメッセージです. 例えば,プリアンブルで

\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[hiresbb]{graphicx}

のような記述を行うと上記のエラーメッセージが現れます.

→ 同じパッケージを複数回読み込んでいる場合は,オプションをまとめて一度に読み込むようにするとよいでしょう.

\usepackage[dvipdfmx,hiresbb]{graphicx}

そうでない場合は,衝突がおこるオプションをクラスオプションとして

\documentclass[dvipdfmx]{article}

のようにグローバルに指定するか,パッケージの読み込み順序を変えてみることで解決することがあります.

それでも解決しない場合は,そのパッケージあるいはクラスファイルの作成者に “内部で読み込まれているパッケージのオプション指定” を調整するためのオプションの導入を促すか,特定の環境を前提としているものとして諦めるか,のいずれかでしょう.

解決法が一概にはいえない理由として,何らかのパッケージが(不要なオプション指定とともに)別のパッケージあるいはクラスファイルの中で読み込まれている場合があるためです. 例えば,color パッケージや xcolor パッケージはしばしば他のパッケージによって内部で読み込まれますが,そのオプション指定の状態によってはこのエラーメッセージが出ることがあります.

! LaTeX Error: Page height already too large.

\vsize(ページ分割時に用いられる“ページの高さ”を表す寸法,LaTeX においては \textheight 経由で設定されます)の値が充分に大きい状況(8192pt 以上の場合)において \enlargethispage を用いたときに現れるエラーメッセージです.

→ \enlargethispage を用いるのを取り止めるか,版面寸法を再検討してください. 本当に版面が大きい状況でさらに \enlargethispage を用いなければならないのであれば… 組版時には(\mag を用いるのではなく,本当に版面寸法および文字サイズを小さくして)全体を縮小して処理しておき出力時に dviware 側あるいは出力機器側で拡大するといった方法によって,版面寸法(および \enlargethispage の引数)を充分に小さいままにすることになるでしょう.

! LaTeX Error: \pushtabs and \poptabs don't match.

tabbing 環境の中では \pushtabs によってタブ位置(\= によって設定した,各項目を揃える位置) を保存し,保存しておいたタブ位置を \poptabs によって復元することができますが, 復元するようなタブ位置を保存していない状態で \poptabs を用いると上記のエラーメッセージが現れます.
→ \pushtabs と \poptabs の対応をチェックしてください(余分な \poptabs があるか, \pushtabs の書き忘れであることが大半でしょう).

! LaTeX Error: \RequirePackage or \LoadClass in Options Section.

クラスファイルあるいはパッケージファイルの中の \ExecuteOptions または \ProcessOptions(オプション指定を処理する部分)で \RequirePackage または \LoadClass が用いられた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \DeclareOption によるオプションの処理内容の定義の中には,\RequirePackage または \LoadClass を含めることはできないので,それらを含まないように書き換えます. 何らかのパッケージの読み込みを必要とするオプションがある場合には,オプション自身には適当なフラグを立てさせるだけにし,\ExecuteOptions および \ProcessOptions の処理ののちにそのフラグに従ったパッケージの読み込みを行う,といった方法をとることができます.

! LaTeX Error: Rotation not supported.

回転処理をサポートしない dviware に対応するオプションを graphicx パッケージに対して指定しているときに,\rotatebox などの回転処理を伴うコマンドを用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ 回転処理をサポートした dviware を用いるように graphicx パッケージに対するオプション指定を変更してください. 使用する dviware を変更できない場合には,回転処理を必要としないように文書の記述などを変更することになります.

! LaTeX Error: Scaling not supported.

拡大・縮小処理をサポートしない dviware に対応するオプションを graphicx パッケージに対して指定しているときに,\scalebox などの拡大・縮小処理を伴うコマンドを用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ 拡大・縮小処理をサポートした dviware を用いるように graphicx パッケージに対するオプション指定を変更してください. 使用する dviware を変更できない場合には,拡大・縮小処理を必要としないように文書の記述などを変更することになります.

! LaTeX Error: Slide rotation `type' not defined..

slide クラス使用時の \sliderotation の引数にサポートされていないもの(デフォルトでは left,right,none のみサポート)を指定した場合に現れるエラーメッセージです.

→ \sliderotation の引数にはサポートされる left,right,none のいずれかを用いてください. また,left,right を用いる場合には,クラスオプションに semrot を加えてください.

! LaTeX Error: \somecs allowed only in math mode.

文字通り“\somecs は数式中でしか使えない”ということです.

→ \somecs が用いられている箇所が数式に含まれるように変更するか,数式の外部でも使えるコマンドで書き換える(例えば,\mathbf → \textbf)ことになります.

! LaTeX Error: \somecs undefined.

\renewcommand で \somecs を再定義しようとしているにもかかわらず,その \somecs が未定義であった場合のエラーメッセージです. → まず,再定義しようとしているコマンドの名称が正しいかどうかを確認してください. 正しければ(コマンドを新設することになるのなら),\renewcommand ではなく \newcommand を使ってください.

! LaTeX Error: Something's wrong--perhaps a missing \item.

メッセージにもあるように,enumerate 環境などで \item を忘れた状態で環境の中身のテキストを書いた場合などに現れるエラーメッセージです. → \item を忘れていないかどうかチェックしてください. ただし,\addvspace を段落内で用いた場合にも上記のエラーメッセージが現れるので,ユーザ自身が \addvspace を(手動で)用いる場合には \addvspace を用いる前に段落を終了させるように注意してください.

なお,LaTeX 2.09 ではそのあたりのチェックが甘くて \item なしでもエラーにならない場合があったようです. そのバグを使って(?) quote 環境か何かを用いるべきところを \item なしの enumerate 環境あたりで書くようなことがなされてもいたようですが,そのような記述は然るべき記述に書き換えてください.

! LaTeX Error: Suggested extra height (size) dangerously large.

\enlargethispage で指定した寸法 size が大きすぎる場合(8192pt 以上の場合)に現れるエラーメッセージです.

→ \enlargethispage で指定する寸法を減らしてください. 本当に大きな寸法を指定しなければならない場合には… 組版時には(\mag を用いるのではなく,本当に版面寸法および文字サイズを小さくして)全体を縮小して処理しておき出力時に dviware 側あるいは出力機器側で拡大するといった方法によって,\enlargethispage の引数は充分に小さいままにすることになるでしょう.

! LaTeX Error: Symbol font `mathgroup' is not defined.

\SetMathAlphabet を用いて数式グループ mathgroup に対するフォントの設定を行う場合や \DeclareMathSymbol などを用いて数式グループ mathgroup のフォントを使用して出力する文字・記号の定義を行う際に数式グループ mathgroup が未定義である場合のエラーメッセージです.

→ まず,数式グループ名が正しいかどうかを確認してください. 正しければ,\DeclareMathAlphabet を用いて数式グループ mathgroup を導入してください.

(ファイル latex.ltx 中の記述の不統一により)エラーメッセージ中の“is”が欠けている場合があります.

! LaTeX Error: Tab overflow.

tabbing 環境では \= によってタブ位置(項目を揃える位置)を設定できますが,設定できるタブ位置の個数の上限を超えてタブ位置を設定しようとしたときに現れるエラーメッセージです.

→ タブ位置の設定の仕方を再検討してタブ位置を減らしてください.

設定可能なタブ位置の個数を増やすのは,ファイル latex.ltx に手を加えてからフォーマットファイルを再作成するか,tabbing 環境の実装にかなり手を加えない限り無理のようです.

! LaTeX Error: Text for \verb command ended by end of line.

doc パッケージ使用時(例えば,dtx ファイルの記述)において,行末にいたっても \verb の適用範囲が終了していない場合に現れるエラーメッセージです.

→ doc パッケージでは(\MakeShortVerb を用いて)\verb|...| の代わりに単に |...| と記述できるといった設定を行うことができますが,このような \verb の短縮記法(あるいは \verb そのもの)の適用範囲の終端を表す文字を適宜補ってください.

! LaTeX Error: The font size command \normalsize is not defined:
there is probably something wrong with the class file.

\normalsize が適切に定義されていない状態で \normalsize を用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ メッセージ通りにクラスファイルがおかしい場合もありますが,\documentclass を用いるのを忘れているというミスの可能性もあります.

! LaTeX Error: There's no line here to end.

強制改行の \\,\linebreak あるいは行分割の抑制の \nolinebreak を段落間(のような,行分割の強制または抑制の対象となる行が存在しない箇所)で用いた場合のエラーメッセージです.

→ 本当に \\ などを用いる必要があれば,\\ などの前に \leavevmode を入れて段落を開始してください.

list 系の環境(enumerate/itemize/description の各環境や \newtheorem で作成した環境など)の \item の直後はまだ段落間になっていることに注意してください(\item によって与えられる箇条書きの番号・記号は \item に続く段落の開始時に出力されます). したがって,description 環境などで \item[...] の直後で改行するには,

\item[...] \leavevmode \\

という具合に記述することになります.

! LaTeX Error: \TheSbox is empty!.

fancybox パッケージ使用時に,Sbox 環境を用いて保存した対象が存在しない状態で \TheSbox(Sbox 環境で保存した対象を使用するコマンド)を用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \TheSbox を用いる前に Sbox 環境を用いてください. なお,Sbox 環境で保存した対象を \TheSbox で使用できるのは 1 回限りです. 同じ対象を複数個コピーすることはできないので,\TheSbox を使用する前に毎回保存してください.

! LaTeX Error: This file needs format `format_X'
but this is `format_Y'.

(実際に起こるエラーの場合,format_XのところがpLaTeX2eなどとなり,format_YのところはLaTeX2eなどとなります)

一口に LaTeX といっても,実際に稼働しているのは LaTeX2e だったり pLaTeX2e だったりといろいろです(この違いを,フォーマットが違うといいます). それぞれよく似ていますが,フォーマットによって使えるLaTeX命令に若干の相違があります. クラスファイルによっては特定のフォーマットでないと使えない命令を使っていたりするので,そのようなクラスファイルが期待するフォーマットを指定しているのが \NeedsTeXFormat 命令です.

このエラーは,「クラスファイルが処理に使うフォーマットとして指定しているのはformat_Xであるのに、今実際に稼働しているのはformat_Yだ」というエラーです(ただし,pLaTeX 使用時には,\NeedsTeXFormat によって“LaTeX2e” を指定してあってもエラーなく処理できるようになっています).

→ \NeedsTeXFormat の指定に沿った処理系で処理するように,統合環境などの設定を見直してしてください. 典型的な場合としては,jarticle.cls などの pLaTeX 用のクラスファイルを用いた文書をオリジナルの LaTeX で処理すると上記のエラーメッセージが現れるので,オリジナルの LaTeX ではなく pLaTeX で処理するようにします.

! LaTeX Error: This may be a LaTeX bug.

バグかもしれないと言っていますが,実際には単に“起こり得ないはずの状況”が起こった,ということです.

→ これを目にしている,ということはおそらく出力ルーチンの改造に手をつけているのでしょうから,きっちり机上デバッグを行ってから実装を試みましょう.

! LaTeX Error: This NFSS system isn't set up properly.

(\DeclareFontSubstitution で設定される)あるエンコーディングに対するデフォルトのファミリー・シリーズ・シェイプの指定が適切でない(デフォルトの属性に対するフォント定義がなされていない)場合のエラーメッセージです.

→ どのエンコーディングに対する設定が適切でないかは,このエラーメッセージに対して“H”と返答したときのヘルプメッセージに含まれているので,そのエンコーディングに対する \DeclareFontSubstitution の指定を変更するか \DeclareFontSubstitution で与えた属性に対応するフォント定義を追加します.

実は,\DeclareErrorFont による“非常時用の”代替フォントの設定が適切でない場合にも上記のエラーメッセージが現れますが… ユーザ自身が独自のフォーマットファイルを作りでもしない限り \DeclareErrorFont の設定の不備のほうで上記のエラーメッセージを見ることはないでしょう.

! LaTeX Error: Too deeply nested.

enumerate,itemize,description といった箇条書きの環境は多重にして用いることができますが,無制限に重ねることができるわけではなく,制限があります(デフォルトでは,enumerate,itemize の各環境のそれぞれについて 4 段階までで,enumerate,itemize,description といった環境の合計で 6 段階までです). その制限を超えて重ねた場合に上記のエラーメッセージが生じます.

→ 文書自身に手を加えて,箇条書きをむやみに重ねずに済むように変更してください. ただし,真にやむを得ない場合には,\itemize の定義中の

\ifnum \@itemdepth > \thr@@ \@toodeep

の部分の \thr@@(= 3)を増やし,\labelitemv などを追加すれば 5 段階目(以降)の itemize 環境が使えるようになります. enumerate 環境についても同様に拡張することができます. ただし,そのような拡張を行う場合には \list の定義の冒頭の

 \ifnum \@listdepth >5\relax

の 5 という数値も適宜大きくし,\@listvii といった list 系の環境の初期化マクロも追加するとよいでしょう.

! LaTeX Error: Too many columns in eqnarray environment.

eqnarray 環境のひとつの行の中に 3 個以上の & が存在する場合のエラーメッセージです.

→ 余分な & がないかどうか,あるいは \\ を書き忘れていないかどうかをチェックしてください. 揃える箇所が 3 箇所以上存在する場合には,amsmath パッケージによる align 環境などを用いるとよいでしょう. また,揃える箇所が 2 箇所以下でも align 環境などを用いた方がいい,という意見もあります(実際,eqnarray 環境をデフォルトのままで使うくらいなら amsmath パッケージが提供する環境を用いたほうがよいでしょう).

! LaTeX Error: Too many math alphabets used in version version.

\mathsf などの数式用書体変更コマンドを多種類用いたためにバージョン version の数式で使用可能な数式用フォント(個々のバージョンにつき 16 種が上限)を使い果たした場合のエラーメッセージです.

→ 文書中で使用している数式用書体変更コマンドの種類を減らしてください. 例えば,添字の中では用いていない文字の書体を変更するには \mathsf の代わりに \textsf を用いることができます. また,和文用の標準配布のクラスファイルを用いている場合には,disablejfam クラスオプションを適用すれば,数式中に和文文字を直接入れることはできなくなりますが,その代わり数式中で用いる欧文フォントの書体数を 2 個増やすことができます(この場合であっても,“和文文字を \mbox に入れたもの” を数式中で用いることはできます). なお,bm パッケージを使用していて,かつ,amsmath パッケージによる \boldsymbol で間に合う場合には,bm パッケージの使用を取り止めて \boldsymbol を用いることにするとこのエラーを回避できることがあります.

余談ですが,bm パッケージは \boldsymbol を \bm のコピーにします(\let\boldsymbol\bm という設定を含みます)ので,いつでも \boldsymbol で記述しておけば bm パッケージ使用時には \bm で処理されます.

! LaTeX Error: Too many unprocessed floats.

未出力のフロート(figure 環境・table 環境などによって配置されるもの)の個数が多すぎて,これ以上 figure 環境・table 環境などを使えない状態になったときなどに現れるエラーメッセージです.

→ 文書中に適宜 \clearpage を入れたり,\topfraction や topnumber カウンタの値などの図版の配置に関するパラメータを変更して,未出力の図版が生じにくくなるようにしてください(なお,「キャプションがつかない」図表に対しては figure 環境・table 環境を用いる必要はありません). \clearpage を入れる際には afterpage パッケージを併用して \afterpage{\clearpage} のようにするのもよいでしょう. 真にやむを得ない場合には,

\makeatletter
\count@\z@
\@whilenum\count@<16\do{%
   \advance\count@\@ne
   \expandafter\newinsert\csname bx@\romannumeral\count@\endcsname
   \@cons\@freelist{\csname bx@\romannumeral\count@\endcsname}}
\makeatother

のような記述をプリアンブルに入れて“保存可能な図版の個数”を増やすこともできます(上記の記述の中の 16 という値は適宜変更して構いませんが,極端に大きくするとエラーが生じます).

なお,ひとつの段落の中で多数の傍注を用いた場合にもこのエラーが生じることがありますが,その場合には当該段落を(適当な位置に {\parfillskip=0pt \par} を挟み込むといった方法で)複数の段落に分割してください.

! LaTeX Error: Two \documentclass or \documentstyle commands.

文字通り,\documentclass,\documentstyle を複数回用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ LaTeX 文書では \documentclass(あるいは \documentstyle)はただ 1 回しか使えませんので,不要な \documentclass(あるいは \documentstyle)を削除してください.

! LaTeX Error: Two \LoadClass commands.

ひとつのクラスファイルの中で \LoadClass を 2 回以上用いたり,\LoadClass が含まれるパッケージファイルを(プリアンブルで)\usepackage で読み込んだ場合に現れるエラーメッセージです.

→ クラスファイル中の \LoadClass については,本当に必要なものを 1 個のみ残し,ほかの \LoadClass を用いるのは取り止めてください(文書クラスというのはその性格上,複数のクラスを同時に用いることはできません). 一方,\usepackage で読み込むパッケージの中の \LoadClass については,読み込まれるファイルの拡張子を変更して \RequirePackage あたりで済ませてください.

! LaTeX Error: Undefined color `colorname'.

\textcolor などでの色指定に,定義されていない色名 colorname を用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ 指定した色名が正しいものであるかどうかをチェックしてください. 正しい(はずの)色名を用いている場合には,color パッケージに対するオプション指定に usenames を追加してください. それでも未定義なら,\definecolor コマンドを用いて色名 colorname に対応する色(カラーモデルとパラメータ)を与えることになるでしょう.

! LaTeX Error: Undefined tab position.

tabbing 環境では \= によってタブ位置(項目を揃える位置)を設定できますが,\> を用いて次のタブ位置に移動するときなどに未設定のタブ位置を使用しようとした場合に上記のエラーメッセージが現れます.

→ \= を用いて適切なタブ位置を与えてください(途中の行でタブ位置を追加・変更しても構いません). または,不要な \>,\< などがないかどうか調べ,不要なものを削除してください.

! LaTeX Error: Unknown graphics extension: extension.

拡張子 extension をもったファイル名の画像ファイルを \includegraphics によって取り込む際に,graphicx パッケージのオプションで指定した dviware ではその拡張子に対応する形式をサポートしていない場合に現れるエラーメッセージ(のひとつ)です.

→ 取り込みたい画像の形式をサポートした dviware を用いるように graphicx パッケージのオプション指定を変更するか,画像ファイルの形式のほうを適宜変換してください.

! LaTeX Error: Unknown option `option' for package `package'.

package パッケージに対して,そのパッケージが理解できないオプション option を指定した場合に現れるエラーメッセージです.

→ \usepackage,\RequirePackage(あるいは \PassOptionsToPackage)のオプション指定の部分が package パッケージに対して適切なものであるかどうかチェックしてください.

! LaTeX Error: Unknown symbol font `mathgroup'.

\DeclareSymbolFontAlphabet を用いて数式用書体変更コマンドを定義しようとしたときに,\DeclareSymbolFontAlphabet の第 2 引数が既存の数式グループ名ではない場合のエラーメッセージです.

→ \DeclareSymbolFontAlphabet の第 2 引数が正しいかどうかをチェックしてください(\DeclareSymbolFontAlphabet ではなく \DeclareMathAlphabet を用いるべき場合であるかどうかもチェックするとよいでしょう). 正しい場合には,\DeclareSymbolFontAlphabet を用いる前に \DeclareSymbolFont を用いて \DeclareSymbolFontAlphabet の第 2 引数を数式グループ名として宣言してください.

! LaTeX Error: \usepackage before \documentclass.

文字通り,\usepackage を \documentclass よりも前で用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \usepackage を \documentclass コマンドと \begin{document} の間の部分に移動してください. 何らかのパッケージを \documentclass より先に読み込まざるを得ない場合には,\RequirePackage を使えば読み込めます.

! LaTeX Error: Variable name ended by end of line..

program パッケージ使用時に,行末にいたっても“変数名”の記述(文字 | で挟まれた部分)が終わらない場合に現れるエラーメッセージです.

→ 変数名部分の開始・終了の対応をチェックしてください.

! LaTeX Error: \verb ended by end of line.

文字通り,行末にいたっても \verb の範囲が終わっていない場合に現れるエラーメッセージです.

→ \verb+...; のように \verb の適用範囲を挟む文字が異なる文字になっている箇所を探し,\verb の適用範囲を同じ文字で挟むように書き換えてください.

! LaTeX Error: \verb illegal in command argument.

\verb をほかのコマンドの引数の中(例えば,脚注のテキストや \section などの見出し文字列)で用いた場合に現れるエラーメッセージです.

→ \verb は(原則として)ほかのコマンドの引数の中では使えないので,\texttt などを用いて書き換えてください. 特殊文字に関しては \symbol{`\^},\symbol{`\\} のように記述することができます.

! LaTeX Error: Verbatim file filename is empty.

fancybox パッケージによる \VerbatimInput などで読み込んだファイル filename が空である場合に現れるエラーメッセージです.

→ まず,読み込み対象のファイル名を確認してください. ファイル名が正しい場合には,ファイルの中身が意図どおりのものであるかどうかをチェックしてください. 本当に空のファイルを読み込ませる場合には… (ファイルを読み込んだとしても何も出力されないわけですから)当該箇所の \VerbatimInput などを用いるのを取り止めても構わないでしょう.

! LaTeX must be made using an initex with no format preloaded.

フォーマットファイル latex.fmt/platex.fmt の作成の際に,ファイル latex.ltx の読み込みを開始した時点ですでに文字 { のカテゴリーコードが 1 になっている(すなわち,すでにほかのフォーマットファイルが読み込まれていると想定される)場合に現れるエラーメッセージです.

→ フォーマットファイル latex.fmt/platex.fmt を作成する場合には,ほかのフォーマットファイルを読み込まない状態でファイル latex.ltx あるいは platex.ltx を処理してください.

なお,一般には tex -ini "&tex" otherfmt のような具合に,あるフォーマットに別の定義を追加したフォーマットファイルを作成することができますが,LaTeX/pLaTeX のフォーマットファイルを作成する際にはそのようなことはしないでください,ということです.

! LaTeX source files more than 5 years old!.

文字通りです. 5 年前より昔の latex.ltx を用いてフォーマットファイルを作成しようとした場合に現れるエラーメッセージです.

→ LaTeX システム全体を更新しましょう.

! Multicol Error.

multicol パッケージによる multicols 環境において,内部処理に用いられるコマンド \page@sofar が垂直モードでない箇所で用いられた場合に現れるエラーメッセージですが… 通常の文書においてはこのエラーメッセージにお目にかかることはないでしょう. とりあえず次のようなことをすれば,このメッセージを目にすることができます.

\documentclass{article}
\usepackage{multicol}
\begin{document}
\begin{minipage}{200pt}
\begin{multicols}{3}
...
\aftergroup\leavevmode
\end{multicols}
\end{minipage}
\end{document}

! No declaration for shape attributes.

(sub/ssub サイズ関数を用いた)フォントの代替の際に,代替先の属性 attributes のフォント定義がなされていない場合に現れるエラーメッセージです.

→ 代替元のフォント定義を修正して適切な代替先に変更するか,属性 attributes のフォント定義を追加してください.

! OOPS! I can't find any hyphenation patterns for US english.
Think of getting some or the latex2e setup will never succeed.

! OOPS! I can't find any kinsoku patterns for japanese
Think of getting some or the platex2e setup will never succeed.

前者はフォーマットファイル latex.fmt/platex.fmt の作成時にファイル hyphen.tex を読み込むことができなかった場合に現れるエラーメッセージで,後者はフォーマットファイル platex.fmt の作成時にファイル kinsoku.tex を読み込むことができなかった場合に現れるエラーメッセージです.

→ TeX/LaTeX システムで用いる各種のファイルが正しくインストールされているかどうかをチェックしてください. TeX/LaTeX システムを更新したような場合には,各種の環境変数(例えば,TEXINPUTS)の値が正しいかどうかにも注意してください.

! Undefined font size function function.

tracefnt パッケージ使用時に,フォント定義の中に未定義のサイズ関数 function が現れているような属性のフォントを用いようとした場合に現れるエラーメッセージです.

→ 問題となっているサイズ関数 function が含まれているような fd ファイルなどでのフォント定義を修正するか,サイズ関数 function に対応する処理を(\DeclareSizeFunction を用いて)与えてください. なお,サイズ関数 function がどの属性のフォントのフォント定義に現れているかは,このエラーメッセージには表示されないので,修正すべきフォント定義については log ファイル中のほかの記述などを調べて割り出してください.

tracefnt パッケージを使用していない場合には,未定義のサイズ関数が用いられたとしても,単に“Font attributes not found.”のエラーになるだけです.


Last-modified: 2017-06-28 (水) 12:12:54 (387d)