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いったんここで,ごく基本的なレポートを作成してみましょう。
以下に示したソース例を実際に作成してみてください。
\documentclass{jsarticle} \begin{document} \title{情報科学レポート} \author{奥村晴彦} \maketitle \section{はじめに} この文書は,ごく基本的なレポートや論文の例を示すものです。 実際にこのソースを入力してタイプセット(コンパイル)し, タイトル,著者名,本文,見出し,箇条書きがどのように表示されるかを 確認してみましょう。 \section{見出し} この文書の先頭にはタイトル,著者名,日付が出力されています。 特定の日付を指定することもできます。 そして,セクションの見出しが出力されています。 セクションの番号は自動的に付きます。 \section{箇条書き} 以下は箇条書きの例です。これは番号を振らない箇条書きです。 \begin{itemize} \item りぼん \item なかよし \end{itemize} これは番号を振る箇条書きです。 \begin{enumerate} \item 富士 \item 鷹 \item なすび \end{enumerate} \section{おわりに} これは一段組の例ですが,二段組に変更することもできます。 解説文を読んで,このソースをいろいろと変更してみましょう。 \end{document}
最初の
\title{情報科学レポート} \author{奥村晴彦} \maketitle
がレポートのタイトルを出力する部分です。 日付は今日の日付に自動出力されますが,日付を指定したいなら
\title{情報科学レポート} \author{奥村晴彦} \date{2017年1月22日} \maketitle
のように書きます。
各 \section{……} はセクション(節)の見出しを出力するコマンドです。 セクションの番号は自動的に出力されます。 番号が不要なら \section*{……} のようにします。
セクションの下位のサブセクションの見出しは \subsection{……} です。 これも番号が不要なら \subsection*{……} のようにします。 これらは HTML(ホームページ作成用のタグ)の <h1> …… </h1>,<h2> …… </h2> などに相当するものです。
二段組にしたいなら,最初の行すなわち文書クラスのオプションに twocolumn を加えて
\documentclass[twocolumn,(ほかのオプション)]{(文書クラス)}
のようにします。ほかのオプションがない場合は
\documentclass[twocolumn]{(文書クラス)}
となります。
番号を振らない箇条書きは,たとえば
\begin{itemize} \item りぼん \item なかよし \end{itemize}
のように書きます。 これは HTML の
<ul> <li>りぼん</li> <li>なかよし</li> </ul>
に相当します。 番号を振る箇条書きは,たとえば
\begin{enumerate} \item 富士 \item 鷹 \item なすび \end{enumerate}
のように書きます。 これは HTML の
<ol> <li>富士</li> <li>鷹</li> <li>なすび</li> </ol>
に相当します。
学位論文のような大がかりなレポートになると,目次をつけることを要求されるでしょう。 目次を付けたい場所に
\tableofcontents
と書けば,その場所に目次が作成されます。
目次を正しく出力するには少なくとも2回タイプセットが必要です(より確実にするなら3回以上)。 詳細は相互参照とリンクで説明します。
レポートや論文の最後に付ける参考文献一覧の一番簡単な書き方は,次のようにします。
\begin{thebibliography}{99} \item Leslie Lamport『文書処理システム \LaTeXe』 (阿瀬はる美 訳,ピアソン・エデュケーション,1999年) \item 奥村晴彦,黒木裕介『[改訂第7版]\LaTeXe 美文書作成入門』 (技術評論社,2017年) \end{thebibliography}
詳細は,後で出てくる文献引用のページにあります。