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LaTeX は数式の組版を得意としています。 ここで簡単な数式を含む文書を作成してみましょう。
次のファイルを作ってみましょう。
\documentclass{jlreq} \begin{document} 日本で漱石が「吾輩は猫である」を発表したころ, ドイツではAlbert Einsteinが特殊相対論を発表した。 この理論によれば,エネルギー$E$と質量$m$は \begin{equation} E = mc^{2} \end{equation} で関係づけられる。 ここに$c$は光速で, \begin{equation} c = 299{,}792{,}458 \, \mathrm{m/s} \end{equation} である。 \end{document}
ファイルに ex2.tex という名前を付けて保存し,タイプセットします。 ex2.pdf を開いてみると,以下のように表示されるはずです。
この例のように,数式は $ でサンドイッチして記述します。
数式番号つきの別行立て数式(独立した行に置かれる数式)は
\begin{equation} \end{equation}
で囲みます。 数式番号のない別行立て数式は
\[ \]
で囲みます*1。 後で紹介する amsmath パッケージを使う場合には
\begin{equation*} \end{equation*}
でもかまいません。
「c の2乗」のような上付きは c^{2} のように書きます。 上付きが1文字だけの場合は c^2 としてもかまいません。
同様に 「a の i 番目」のような下付きは a_{i} のように書きます。 下付きが1文字だけの場合は a_i としてもかまいません。
上の例を見ると,「3 桁区切りのコンマ」について 299{,}792{,}458 のような少し妙な書き方をしています。 その理由は,数式中で 299,792,458 と書くと,数列と見なされてコンマの後に微小な空きが入ってしまい,桁区切りとして不適切な表示になるからです。 コンマを { } で囲むことでこれを防ぐことができます。
数値と単位の間には微小な空きを入れると見栄えが良くなります*2。 微小な空きを出力するにはコマンド \, を使用します*3。
数式中では,いくら数値と単位の間に空白を入力しても無視されます。
\begin{equation} c = 299{,}792{,}458 \mathrm{m/s} \end{equation}
科学論文のルールでは,単位は斜めのイタリック体ではなく直立したローマン体で書きます。 LaTeX では数式中の英字は通常はイタリック体になりますが,\mathrm コマンドを使うとローマン体の英字を出力できます*4。