macOS (Mac) に TeX をインストールして使えるようになるまでの大まかな流れとしては,TeX 入手法で簡単に述べたとおり
が必要です。
TeX 及び関連ソフトウェアをまとめたものを TeX ディストリビューションといいます。 macOS 上で日本語が利用可能な TeX ディストリビューションは TeX Live です。 MacTeX や BasicTeX というディストリビューションも,この TeX Live をベースとしたものです。 奥村先生の[改訂第9版]LaTeX美文書作成入門の「A.3 Macへのインストールと設定」には MacTeX のインストール方法が書かれています。
macOS への TeX Live のインストール方法は TeX Live/Mac を参照してください。 TUG による公式サイト
にも情報があります。
LaTeX での文書作成を支援するための統合環境・エディタが各種開発されています。 これらは,LaTeX のソース中に書かれた特別な命令を色付けしてくれたり,LaTeX によるタイプセットをボタンやショートカットキー一つで実行してくれたりと,便利なものです。 初心者の方はまずは LaTeX 用の統合環境を使用して LaTeX に慣れるのが良いでしょう。
エディタ・マクロ・プラグインの種類によって得手不得手があったり不具合が発生したりする場合があります。 問題が発生した場合は別のエディタを使用してください。 人によってエディタの好みは様々なので自分にあったエディタを見つけてください。
このほかにも
には,macOS で使用可能な LaTeX 用の統合環境・エディタが紹介されています。
長らく LaTeX ファイルの編集は,dvi によるプレビューがもちいられてきました. ただ,最近は様々な理由から PDF によるプレビューが推奨されています.(古い情報も参考に.) TeXShop, TeXworks, TeXstudio, Texmaker などの統合環境には PDF 用のビューアが組み込まれています. 単独の LaTeX 用 PDF プレビューアとしては
などがあります.
オープンソースの文献管理ツールとして,以下を挙げておきます。
このほかにも
には,macOS で使用可能な文献管理ツールが紹介されています。
macOS で日本語 JIS キーボードを利用している場合,設定によっては Backslash (U+005C) を入力しているつもりが 円記号 (U+00A5) になる場合があります。 いくつかの対処法を紹介します。
~/Library/KeyBindings/DefaultKeyBinding.dict に次の4行を記したファイルを配置し,再ログインすれば \ と ¥ が逆転します。すなわち,¥ キーで \ が,option+¥ で ¥ が入力されるようになります。
{ "¥" = ("insertText:", "\\"); "~\\" = ("insertText:", "¥"); }
なお,デフォルトでは
~/Library/KeyBindings
というディレクトリは存在しませんので,次のようにして作成してください。
macOS 用の汎用的なキーボードカスタマイズツール Karabiner-Elements で,¥ を入力すると \ に変換することができます。
Unicode Keyboard Layout Editor の Ukelele で,_(アンダースコア) を入力すると \ に変換することができます。
macOS 用の自動化ツール Hammerspoon で,¥ を入力すると \ に変換することができます。
JIS キーボードの ¥ キーで入力する文字を \ に変更する設定が可能です。
こちらも JIS キーボードの ¥ キーで入力する文字を \ に変更する設定が可能です。
日本語入力に ATOK を利用している場合は,ATOK 2017 for Mac でも JIS キーボードの ¥ キーで入力する文字を \ に変更する設定画面がありません。
~/Library/KeyBindings/DefaultKeyBinding.dict によるキーバインドの変更 を参照して設定します。
いくつかの macOS 用統合環境は,この問題に対処する方法を用意しています。