MathTime Pro フォント

MathTime Pro Fonts とは?

MathTime (\mathit{MathT\kern-.05em{\i}me})Pro Fonts は Times ベースの数式用フォントで,商品です。 Personal TeX Inc. から MathTime Professional 2 Fonts (MTPro2 Complete) が販売されています。

MathTime フォント

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MathTime とは?

MathTime (\mathit{MathT\kern-.05em{\i}me}) は Times ベースの数式用フォントで,商品です。 以前はY&Y Inc.から MathTime がオンライン購入できました。

[2014-08-10追記] Y&Y TeX はオープンソースとなり Clerk Ma さんによって開発が続けられています (→ YandYTeX (Y&Y TeX) · GitHub)。

[2005-09-15追記] MathTimeの後継MathTime Professional 2 Fontsが http://www.pctex.com/ から出ています。MathTimeを販売していた Y&Y Inc. は倒産しました(→ TUGのY&Yサポートページ)。

[2004-09-30追記] Y&Yのサイトはあるものの、実際に営業活動をしていないようです。 以下にある他のベンダについても古い情報ですのでご注意ください。

[2003年追記] ↓現在Y&Yは持ち直しています。

[2002-10-18 追記] Y&Y Inc. は技術者が退社してしまったようで,今後が心配です。

Times ベースの数式フォントとしては,ほかに MicroPressTM Math ($150.00 + 送料 $20.00) や,フリーのものでは newtx や,LaTeX の PSNFSS パッケージに含まれている mathptmx などがあります。

ご覧のように MathTime は TX Fonts よりゆったりとした組み方になるので,TX Fonts で組まれたものを MathTime で組みなおそうとすると数式が行長を超えたりページ数が増えたりすることがあります。

オンライン購入とインストール

[2005-09-16追記] Y&Yから購入した製品に関する記述です。ファイルの展開方法・インストールするディレクトリ等は、適宜読み替えて下さい。

オンライン購入してみました。 Linux 上の Netscape 6.1J を使いました。 クレジットカード番号などを入れてダウンロードボタンを押します。 ところが,ダウンロードファイル名に非常に長いチェック用文字列が含まれていて,[OK] ボタンまで表示されません。 やや焦りましたが,まず [詳細] をクリックしてその窓の [OK] をクリックすると,次はエンターキーだけで 1780236バイトの mathtime.zip がダウンロードできました。 念のため Print Invoice で領収書を表示し,印刷しておきます。

mathtime.zip の中身は次の通りでした。

$ unzip -v mathtime.zip
Archive:  /home/okumura/mathtime.zip
Length   Method    Size  Ratio   Date   Time   CRC-32    Name
--------  ------  ------- -----   ----   ----   ------    ----
715511  Defl:N   705921   1%  05-28-97 14:22  375a64d7  MATHPLUS.ZIP
642526  Defl:N   631513   2%  05-28-97 14:26  ece4dfea  MATHTM11.ZIP
354329  Defl:N   265575  25%  05-30-97 08:30  a0192585  TIMEMANU.PDF
250809  Defl:N   176805  30%  05-30-97 08:26  bb1a02e3  PLUSMANU.PDF
--------          -------  ---                            -------
1963175          1779814   9%                            4 files

まず展開して PDF の説明書をざっと読みます。

ZIP ファイルは中身も大文字ですので,unzip に -L フラグを付けて小文字で展開します。

MATHTM11.ZIP を展開し,たとえば次のようにします。

mkdir -p /usr/local/share/texmf/fonts/type1/yandy/mathtime/
mv *.pfb /usr/local/share/texmf/fonts/type1/yandy/mathtime/

MATHPLUS.ZIP を展開し,たとえば次のようにします。

mkdir -p /usr/local/share/texmf/fonts/type1/yandy/mathplus/
mv *.pfb /usr/local/share/texmf/fonts/type1/yandy/mathplus/

これで teTeX 2ベースのシステムなら完了です。

teTeX 3ベースのシステムでは、MathTimeではなく互換のフォント(plusのないサブセット)が使用されます。 MathTimeを使用するためには、次のコマンドを実行します。

updmap --disable mt-belleek.map
updmap --enable Map=mt-yy.map
updmap --enable Map=mt-plus.map

なお、デフォルトでは、Times-Romanなどは互換フォントが埋め込まれます。印刷時に本物のTimes-Romanなどを使用するので互換フォントを埋め込まないように設定するためには、次のコマンドを実行します。

updmap --setoption dvipdfmDownloadBase14 false

これでteTeX3ベースのシステムなら完了です。

teTeX ベースのシステムでないなら,他の設定もしなければなりません。 まずはスタイルファイルです。 いずれかの ZIP ファイルを展開してできる psnfss ディレクトリに LaTeX2e 用の材料が収められています(CTANmacros/latex/contrib/psnfssx/mathtime/ にも同じものが入っています)。 ここで次のようにします。

latex mathtime.ins

出てくる *.tex,*.sty,*.fd ファイルを,たとえば /usr/local/share/texmf/tex/latex/mathtime ディレクトリに移します。

同様に,ZIP ファイルに含まれる *.tfm,*.vf ファイルを次のようなディレクトリを作ってそれぞれ入れます。

/usr/local/share/texmf/fonts/tfm/yandy/mathtime
/usr/local/share/texmf/fonts/tfm/yandy/mathplus
/usr/local/share/texmf/fonts/vf/yandy/mathtime
/usr/local/share/texmf/fonts/vf/yandy/mathplus

dvipdfmx

dvipdfmxでは、TFM名に一致するPFBを検索しますので、mapファイルは不要です。

dvips

dvips用に、次のような mt-yy.map を作ります。

mtex MTEX <mtex.pfb
mtsy MTSY <mtsy.pfb
rmtmi RMTMI <rmtmi.pfb

また,次のような mt-plus.map を作ります。

mtexb MTEXB <mtexb.pfb
mtexh MTEXH <mtexh.pfb
mtgu MTGU <mtgu.pfb
mtgub MTGUB <mtgub.pfb
mtls MTLS <mtls.pfb
mtlsb MTLSB <mtlsb.pfb
mtms MTMS <mtms.pfb
mtmsb MTMSB <mtmsb.pfb
mtsyb MTSYB <mtsyb.pfb
mtsyh MTSYH <mtsyh.pfb
mtsyn MTSYN <mtsyn.pfb
rmtmib RMTMIB <rmtmib.pfb
rmtmih RMTMIH <rmtmih.pfb
rmtmub RMTMUB <rmtmub.pfb
rmtmuh RMTMUH <rmtmuh.pfb

これらは /usr/local/share/texmf/dvips/config に入れておきます。

/usr/local/share/texmf/dvips/config/config.ps に

p +mt-belleek.map

あるいは

p +mathtime-blk.map

のような行があれば消してください。 これらは Belleek フォントという MathTime(Plus ではない基本3フォントだけ)クローンのフリーのフォントを使うためのマップファイルです。 そして,その代わりに

p +mt-yy.map
p +mt-plus.map

を加えてください。

これだけで問題なく使えると思いますが,角藤さんの W32TeX で gsftopk ではなく ps2pk を使ってビットマップフォント生成をしたい場合は, ZIP ファイルの afm ディレクトリに含まれる *.afm ファイルをたとえば次のようなディレクトリを作って入れます。

c:/w32tex/share/texmf-local/fonts/afm/yandy/mathtime
c:/w32tex/share/texmf-local/fonts/afm/yandy/mathplus

そして,c:/w32tex/share/texmf-local/dvips/ps2pk/pspksupp.map に次のように追加します。

%
% MathTime
%
mtex       mtex.pfb       0      1
mtsy       mtsy.pfb       0      1
rmtmi      rmtmi.pfb      0      1
%
% MathTime Plus
%
mtexb      mtexb.pfb      0      1
mtexh      mtexh.pfb      0      1
mtgu       mtgu.pfb       0      1
mtgub      mtgub.pfb      0      1
mtls       mtls.pfb       0      1
mtlsb      mtlsb.pfb      0      1
mtms       mtms.pfb       0      1
mtmsb      mtmsb.pfb      0      1
mtsyb      mtsyb.pfb      0      1
mtsyh      mtsyh.pfb      0      1
mtsyn      mtsyn.pfb      0      1
rmtmib     rmtmib.pfb     0      1
rmtmih     rmtmih.pfb     0      1
rmtmub     rmtmub.pfb     0      1
rmtmuh     rmtmuh.pfb     0      1

使い方

古い7ビット版の TeX でも使える方法:

\documentclass[uplatex]{jsarticle}  % またはujarticleなど
\usepackage{amsmath,amsfonts}       % AMS-LaTeX, AMSFonts
\usepackage[noTS1,mtbold]{mathtime} % ここで MathTime を読み込む
\usepackage[scaled]{helvet}         % Helveticaをやや小さく
\renewcommand{\ttdefault}{cmtt}     % cmttを使うなら
\usepackage{bm}                     % boldmath
\begin{document}
……
\end{document}

しかしこれでは注釈で用いるダガー(†)印などが文字化けを起こします。 次のようにT1エンコーディングにすれば解決できます。

\documentclass[uplatex]{jsarticle}  % またはujarticleなど
\usepackage[T1]{fontenc}            % T1エンコーディングにする
\usepackage{amsmath,amsfonts}       % AMS-LaTeX, AMSFonts
\usepackage[mtbold]{mathtime}       % ここで MathTime を読み込む
\usepackage[scaled]{helvet}         % Helveticaをやや小さく
\usepackage{bm}                     % boldmath
\begin{document}
……
\end{document}

T1 エンコーディングの場合,Computer Modern フォントを使うとそのままではビットマップになります。
Latin Modern フォント・パッケージを入れるか,cm-super を入れる,ae パッケージを使う等の手が必要です。

オプションの意味などは,mathtime.dtx を LaTeX で処理して得られるドキュメントに詳しく書かれています。

和文ゴシックが出ない?

このままでは jarticle 等で \section などの和文がゴシック体になりません。 jsarticle 等では大丈夫です。

理由

まず,和文のゴシック体は,明朝体の太字(太明朝体)とはまったく違うものです。

jsarticle 等では \section 等のコマンドを「欧文はサンセリフ,和文はゴシック」と定義しています。 ところが,jarticle 等では「欧文も和文も太字」となっています。 つまり,欧文はローマン体の太字,和文は明朝体の太字になるはずです。

しかし,pTeX では明朝体の太字を太明朝体ではなくゴシック体で代用しています。 詳しく言えば,太字の太い方(bx)をゴシック体で代用し,太字の細い方(b)を標準の明朝体のままにしています。

LaTeX の標準では太字は太い方(bx)を使うようになっているので,これで jarticle と jsarticle で同じ振舞いをするように見えます。 ところが,mathtime では Times を使う関係上,太字は細い方(b)を使うので,辻褄が合わなくなります。

辻褄を合わせる方法その1

jarticle 等を fix する。 または jsarticle 等を使う。

本文でゴシック体を使うには,明朝体の太字がゴシック体で代用されることを仮定せず,\gtfamily または \textgt{...}(または jsarticle 等なら \textsf{...} や \sffamily)を使う。

辻褄を合わせる方法その2

upTeX で細い太字(b)もゴシックで代用するようにする:

\DeclareFontShape{JY2}{mc}{b}{n}{ssub*gt/m/n}{}
\DeclareFontShape{JT2}{mc}{b}{n}{ssub*gt/m/n}{}

これなら ujarticle 等もそのままで使えます。 明朝とゴシックの2書体の場合はこれで辻褄が合うでしょうが,多書体化を考えると,やはりまともな実装を最初からしたほうがいいように思います。


Last-modified: 2016-04-17 (日) 09:04:37 (1192d)