TeX Live > macOS



インストール

macOS に TeX Live をインストールする場合,以下の方法があります。

いずれの方法でも,TeX Live をインストールして必要であれば最新版にアップデートします。

以下でそれぞれのインストール法およびセットアップ法を説明します。

TeX Live 2018 のバイナリの動作環境に関する変更点

TeX Live 2017 以降は x86_64-darwin バイナリは Apple セキュリティアップデートが提供されている OS のみサポートされることになりました。 Apple セキュリティアップデートが提供されないレガシーな OS では x86_64-darwinlegacy バイナリを使用します。 TeX Live 2016 まで存在していた universal-darwin バイナリは TeX Live 2017 で削除され、i386-darwin バイナリと powerpc-darwin バイナリに置き換えられましたTeX Live 2017 の i386-darwin バイナリと powerpc-darwin バイナリは TeX Live 2018 で削除されました

MacTeX-2018 / BasicTeX-2018 に付属する TeX Live には x86_64-darwin バイナリのみ収録されます。

下の表で自分が使用している OS はどのバイナリをインストールすればよいのか確認できます。 ✔ マークは OS と対応するバイナリを示しています。

TeX Live 2018 が動作する OS と対応するバイナリ
macOS 10.13 High SierramacOS 10.12 SierraOS X 10.11 El CapitanOS X 10.10 YosemiteOS X 10.9 MavericksOS X 10.8 Mountain LionMac OS X 10.7 LionMac OS X 10.6 Snow Leopard
x86_64-darwin
x86_64-darwinlegacy

TeX Live のインストール

TeX Live のインストールガイド

を見ると MacTeX が推奨されていますが,MacTeX に付属する TeX Live には x86_64-darwin バイナリのみ収録されるので, ここでは x86_64-darwin バイナリがサポートしていない x86_64-darwinlegacy な環境でも TeX Live をインストールできるように MacTeX に付属する TeX Live ではなく TeX Live の公式サイトにあるインストーラからインストールする方法について簡単に説明します.

まず,ミラーサイトから install-tl-unx.tar.gz をダウンロードします.

$ curl -O http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz

install-tl-unx.tar.gz を展開します.

$ tar xvf install-tl-unx.tar.gz

展開したインストーラのディレクトリに移動します.

$ cd install-tl*

root 権限でインストーラを実行します. オプションでダウンロードするリポジトリを指定できます.

$ sudo ./install-tl --repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/
...
Actions:
 <I> start installation to hard disk
 <H> help
 <Q> quit
Enter command: I

I を入力してインストールを開始します. サーバーの接続エラーが発生したり,何らかの理由により取得したアーカイブに問題があったりした場合はインストールが途中でストップします. この場合は,以下のコマンドで途中から再開できたりできなかったりします.

$ sudo ./install-tl --profile installation.profile

再開できない場合は接続先を変更するか,または ISO ファイルをミラーサイトからダウンロードしてインストールしてください.

インストールが終了したら /usr/local/bin ディレクトリ配下にシンボリックリンクを追加します.

$ sudo /usr/local/texlive/????/bin/*/tlmgr path add

上記の ???? は 2018,* は x86_64-darwin または x86_64-darwinlegacy にマッチすることが想定されていますがうまく動作しない場合は以下のようにして具体的なディレクトリ名を指定してください.

$ sudo /usr/local/texlive/2018/bin/x86_64-darwin/tlmgr path add

Xcode のインストール要求ダイアログについての注意

Xcode がインストールされていない環境下では,TeX Live のインストーラの実行中,および tlmgr によるアップデートの実行中に,次のようなダイアログが表示されて実行が中断される問題が知られています。

XcodeCommandLineTools.png

cc コマンドの実行のために Xcode Command Line Tools のインストールが要求されているのですが,実際には,Xcode のインストールは必須ではありません。 「今はしない」をクリックしてスキップして問題なく,そのままインストール・アップデートが続行できます。

なお,このダイアログを出さずに tlmgr を実行するために,次のような回避策が存在します。 例えば

$ sudo tlmgr update --self

の代わりに

$ sudo bash -c "CC=: tlmgr update --self"

と実行すれば,cc コマンドを無効化して tlmgr を実行できます( : は「何もしない」という bash の組み込みコマンド)。 この場合,Xcode のインストールが要求されることなく,tlmgr の実行が正常に完了します。

macOS 10.13 High Sierra / macOS 10.12 Sierra / OS X 10.11 El Capitan への対応

2015年10月3日(日本時間)に,macOS Sierra / OS X El Capitan のヒラギノフォントに対応した ptex-fontmaps (旧名:jfontmaps) & cjk-gs-integrate 20151002.0 が TeX Live 2015 に取り込まれました。 そして ptex-fontmaps & cjk-gs-integrate 20180306.0 で macOS Sierra / OS X El Capitan のヒラギノフォントに対応した ptex-fontmaps が削除されcjk-gs-integrate で OS X 10.11 El Capitan 以降に付属するヒラギノフォントを扱う場合は外部のデータベースを取得して利用する方法に変更されました。 そのため TeX Live 2018 以降は macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントは TeX Live ではサポートされなくなり,TLContrib から cjk-gs-integrate-macos, ptex-fontmaps-macos を別途インストールする必要があります。 pLaTeX / upLaTeX + dvipdfmx でヒラギノフォントを埋め込みたい場合については macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan へのアップグレードが可能です。 この件を含めた一連の対応については,以下を参照してください。

この情報は macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan への積極的なアップデートをすすめるものではありません。 ただし,OS X Yosemite 以前には既知の脆弱性があり,その対策は macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan へのアップデートでしか提供されていないため,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan へのアップデートを見合わせるということは TeX や DTP のためにセキュリティ対策を犠牲にしていると心得る必要があります。

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントのセットアップ

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントを TeX Live で利用したい場合は,はじめに

を完了させてください(どちらを先に行ってもかまいません;TeX Live や MacTeX / BasicTeX のインストールは,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan かどうかにかかわらず従来と同じ方法で可能です*1)。 そのうえで,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントのセットアップ手順は以下のとおりです:

まず,TeX Live を最新の状態に更新します。 ターミナルから tlmgr を実行します。

$ sudo tlmgr update --self --all

次に,TLContrib から cjk-gs-integrate-macos, ptex-fontmaps-macos をインストールします。

cjk-gs-integrate を --link-texmf --cleanup オプション付きで実行します。

$ sudo cjk-gs-integrate --link-texmf --cleanup

cjk-gs-integrate-macos を --link-texmf オプション付きで実行します。

$ sudo cjk-gs-integrate-macos --link-texmf

最後に,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントを埋め込むためのマップファイルを指定します。

macOS High Sierra の場合は

$ sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-highsierra-pron

macOS Sierra / OS X El Capitan の場合は

$ sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-elcapitan-pron

を実行します。

以上で,ヒラギノフォントを pLaTeX / upLaTeX + dvipdfmx で PDF に埋め込むことができます。

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan でのアプリケーションの設定変更

続いて,必要に応じて周辺アプリケーションの設定変更を行います。 これは,MacTeX や BasicTeX のユーザが該当します(Homebrew を使って mactex / basictex をインストールした場合は,パッケージ管理システムの下に置かれているため該当しません)。 なお,各アプリケーションは macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan 対応のためにバージョンアップしていることがありますので,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan へのアップグレード後はアプリケーションも最新版に更新するとよいでしょう。

MacTeX-2014 / BasicTeX-2014 以前では,TeX 関連プログラムへのシンボリックリンクを /usr/texbin 以下に作成していました。 TeXShop などのアプリケーション(の少し古いバージョン)はこの場所にシンボリックリンクが存在することを仮定していましたので,プログラムのパスに /usr/texbin を指定していることがあります。 しかし,/usr/texbin は macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan へのアップグレードにより強制的に /Previous System/usr/texbin 以下に移転されていて,呼び出すことができない状態になってしまいます。

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan での注意点

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan では,セキュリティ上の理由から /usr への書き込みは出来なくなったため,各種バイナリへのシンボリックリンクが変更となります。/usr/local 以下には書きこめるので,/usr/local/texlive はこれまでと変わりません。

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El CapitanOS X Yosemite 以前
/Library/TeX/texbin/usr/texbin

MacTeX-2015 および BasicTeX-2015 は,OS X Yosemite までのシステムには両方のシンボリックリンクを作成しますので,MacTeX がインストールする各種アプリケーションはこれまでの設定のままで動作します。 macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan への移行準備として設定変更も可能です。

MacTeX-2015 がインストールする GUI アプリケーション(BibDesk, LaTeXiT, TeX Live Utility, TeXShop)は /usr/texbin がデフォルトとなっているため,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan での使用においては設定変更が必要です。 (その他のアプリケーションについても同様の変更が必要となるかもしれません。)

MacTeX-2014 および BasicTeX-2014 以前をインストールしている場合,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan にアップグレードすると /usr/texbin に作成されているシンボリックリンクは /usr/texbin/ から /Previous System/usr/texbin/ に移転されます。

また,macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan では和文フォント周りの構成が大きく変化しており,Ghostscript では macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan 付属のヒラギノフォントを埋め込むことができません。

MacTeX

MacTeX は TeX Live をベースにした macOS 専用の TeX ディストリビューションです。

BasicTeX

BasicTeX は TeX Live のサブセットで,macOS 専用の TeX ディストリビューションです。 TeX Live をフルインストールしたくない場合は BasicTeX をインストールします。

あるいは,小川版 Drag & Drop UpTeX (UpTeX.app) が,TeX Live scheme-small をベースに collection-langjapanese を加えたディストリビューションとして配布されています。 UpTeX.app は日本語フォントのセットアップを自動で行う AppleScript の GUI がかぶせてあり,簡単にセットアップを行うことができます。

パッケージ管理システムによる TeX Live (MacTeX, BasicTeX) のインストール

Homebrew によるインストール

TeX Live をフルインストールする場合は MacTeX をインストールしてください。 Homebrew で MacTeX をインストールできます。 Ghostscript などのツールも Homebrew でインストールできます。

$ brew cask install mactex
$ sudo tlmgr update --self --all
$ sudo tlmgr paper a4

TeX Live をフルインストールしたくない場合は BasicTeX をインストールしてください。 Homebrew で BasicTeX をインストールできます。

$ brew cask install basictex
$ sudo tlmgr update --self --all
$ sudo tlmgr paper a4
$ sudo tlmgr install collection-langjapanese

インストールのやり方などの事例も参考になります。

MacPorts によるインストール

MacPorts 用に TeX Live/MacPorts というパッケージが提供されています。 TeX Live/MacPorts をフルインストールする場合は

$ sudo port install texlive +full

日本語関連のパッケージと texlive-luatex パッケージと texlive-xetex パッケージと texlive パッケージをインストールする場合は

$ sudo port install texlive-lang-japanese texlive-luatex texlive-xetex texlive

を実行します。

インストールのやり方などの事例も参考になります。

TeX Live のセットアップ

tlmgr を使用してのアップデート

ターミナルで,以下のコマンドを実行します。

$ sudo tlmgr update --self --all

--self は tlmgr 自体のアップデート,--all は TeX Live 構成要素のアップデートを実行します。 tlmgr は複数のリポジトリを管理できます。 TeX Live Utility は tlmgr の機能を GUI で実現するものですので,上記の機能をメニュー項目から実行できます。

IPAexフォント/IPAフォント

IPAexフォント/IPAフォントは TeX で使用可能な状態でインストールされていますので,updmap-sys の設定だけですぐに pdf に埋め込めます。

ヒラギノフォント

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan に付属するヒラギノフォントに関しては cjk-gs-integrate & ptex-fontmaps 20180306.0 を参照してください。

macOS High Sierra / macOS Sierra / OS X El Capitan では OS X Yosemite 以前と比較して日本語フォントの構成が変更されています。

みかちゃんフォントなどのフリー書体・その他の日本語書体

みかちゃんフォントなどのフリー書体(フォント参照)や,その他の日本語書体を埋め込みたい場合は,そのためのスタイルファイルを利用するのが便利でしょう。 設定は,多少面倒です。 PXmika パッケージMacTeX 2013とみかちゃんフォントの設定を参考にしてください。 自力で一から構築する場合は MacPortsのpTeXにおける和文多書体環境の整えかた が参考になります。

updmap(-sys) の使用に関する注意点

kanji-config-updmap(-sys)

TeX Live のインストールディレクトリ

インストール方法によってディレクトリが異なりますので,ここにまとめておきます。

MacTeX-2018[改訂第7版]LaTeX2e美文書作成入門第2刷
基本インストール/usr/local/texlive/2018/Applications/TeXLive/Library/texlive/2017
TEXMFLOCAL/usr/local/texlive/texmf-local/Users/Shared/TeXLive/texmf
TEXMFHOME~/Library/texmf~/TeXLive/texmf

基本システムのインストール場所

TEXMFLOCAL

TEXMFHOME

その他

その他の選択肢

VirtualBox などの仮想マシン上に Linux をインストールし,その上で TeX Live を使用する方法もあります。 macOS を使用していて LaTeX の実行速度が遅い場合は Linux を使用するのも一つの手です。


*1 古いバージョンの TeX Live がインストールされていても気にせずに,新規インストールと同じ手順でインストールします。

Last-modified: 2018-04-21 (土) 21:13:06 (31d)