ここでは,TeX や LaTeX で外字を扱うための方法を説明します。
外字とは,特定の文字集合(文字コードなど)に含まれない文字をいい,日本では一般に JIS 規格(通常は JIS X 0208,稀に JIS X 0213 や JIS X 0221)に含まれない文字をいいます。 表外字または拡張漢字と呼ばれることもあります。
OTF パッケージ(ベータ版・開発版)を使えば,Adobe-Japan1-7 の 23,060 グリフを出力できます。 ほとんどの文字はこれで大丈夫でしょう。
Adobe-Japan1-7 にもない文字は Illustrator や Inkscape で作ってしまいましょう。 ここでは Illustrator を例に説明します。
まず目印に一辺100ポイントの正方形を描いておきます。 間違えて消したり動かしたりしないようにロックしておくといいでしょう。
左下隅から12ポイント上がったところが起点になるように元となる文字を入力します。
文字のアウトラインをとって,修正します。 この場合,中央の「一」と「口」を選択して「←」キーを数回押し,次に「口」の左縦棒だけ選択してさらに「←」キーを数回押せばいいでしょう。
目印の正方形の枠の塗りをなしにしてから EPS 形式で保存します。 ここではファイル名を kou-itai.eps としました。
実際に LaTeX 文書中に入れてみましょう。
\documentclass{jsarticle} \usepackage[dvips]{graphicx} \begin{document} 精興社 精\raisebox{-0.12zw}{\includegraphics[width=1zw]{kou-itai.eps}}社 \end{document}
epstopdf kou-itai.epsで kou-itai.pdf に変換し,それを次のようにして取り込みます。
\documentclass{jsarticle} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \begin{document} 精興社 精\raisebox{-0.12zw}{\includegraphics[width=1zw]{kou-itai}}社 \end{document}
これを処理した結果です:
同様にして Inkscape でも外字を作成することができます。
人名の表記等,細かな字形の差異を特別に使い分ける必要のある業務等での活用を想定した IPAmj 明朝フォントを利用する ipamjm パッケージ があります。 IPAmj 明朝の MJ 文字図形名の番号を指定して当該グリフを表示させます。
さらに,IVS による異体字表現をサポートする PXipamjm パッケージもあります。
フリーな「漢字字形共有サイト」であるグリフウィキで登録された漢字字形を LaTeX 文書で簡単に利用できるようにするパッケージとして,BXglyphwiki パッケージが開発されています。
有用なマークを EPS 化されたものがありましたら,実体または URL を送っていただければ幸いです。
%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 %%BoundingBox: 0 0 80 80 5 setlinewidth 20 20 10 90 360 arc 0 40 rlineto 20 60 10 0 270 arc 40 0 rlineto 60 60 10 -90 180 arc 0 -40 rlineto 60 20 10 180 450 arc closepath stroke
BXcoloremoji の紹介記事です。
upLaTeX で絵文字を出力する試みがあります。
XeLaTeX や LuaLaTeX で絵文字を出力する方法の紹介です。