*ICMJE (International Committee of Medical Journal Editors) [#ua5e736e] ICMJE とは,[[国際医学雑誌編集者委員会(International Committee of Medical Journal Editors):http://www.icmje.org/]] です. このページでは,医学系のトップジャーナルが採用している共通の統一投稿規定 (ICMJE Recommendations) に合わせた論文を TeX で書く Tips を集めましょう. // 2007年 11月 5日 月曜日 谷村 // どんどん書き足してください ''目次'' #contents ** ICMJE Recommendations (Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing, and Publication of Scholarly Work in Medical Journals) とは [#occb286d] 医学の分野では,「[[医学雑誌投稿に関する統一投稿規定 (Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing, and Publication of Scholarly Work in Medical Journals):http://www.icmje.org/recommendations/]]」が国際医学雑誌編集者委員会 (International Committee of Medical Journal Editors) により作成されています. 現在 500 誌以上の雑誌が ICMJE Recommendations に従っています([[ICMJE Recommendations の採用雑誌一覧:http://www.icmje.org/journals.html]]). これは,1979 年に発表され,最初に会議を開催した都市の名をとって[[バンクーバースタイル>Wikipedia.ja:バンクーバー方式]]と呼ばれています. 最新版は 2013 年 12 月版です. 日本語訳も存在します. -[[第1章 はじめに - 臨床研究で学ぶ論文執筆:http://www.asca-co.com/oncol/2013/08/post.html]] -[[論文執筆の手引き - 東京女子医科大学学会:http://www.twmu.ac.jp/gakkai/journal/qa.html]] -[[投稿 | 【Ronbun.jp】医学論文を書く方のための究極サイト | 大鵬薬品工業株式会社:http://www.ronbun.jp/icmje/]] ** プリアンプルの例 [#yb81b0fc] \documentclass[a4paper,titlepage]{article} \usepackage{graphicx} \usepackage{newtxtext,newtxmath} \usepackage[doublespacing]{setspace} \renewcommand{\listfigurename}{Legends of Figures} \usepackage[noheads,tablesfirst]{endfloat} \AtBeginDelayedFloats{\renewcommand{\baselinestretch}{2}} \makeatletter \renewcommand{\@makecaption}[2]{% \vskip\abovecaptionskip \hbox to \hsize{\hfil #1\hfil}% \vskip\belowcaptionskip} \makeatother ** ダブルスペース [#j474cf50] 簡単にダブルスペース化するには,setspace.sty を使います. 部分的にシングルスペースや任意のスペーシングをしたい場合のコマンド・環境が setspace.sty に用意されています. 詳細は setspace.sty の中をのぞいてみてください. -[[[TeX]論文を添削してもらう時のダブルスペース:http://cocomoff.hatenablog.com/entry/2012/02/10/143142]] ** タイトルページの作成 [#h7ddae99] ICMJE Recommendations では,タイトルページの要素として, - 論文のタイトル - 著者氏名及び所属機関 - その研究業績が帰属すべき部署及び機関の名称 - 権利放棄証書(必要に応じて) - 通信担当著者とその連絡先(住所,TEL,FAX,e-mail) - 別刷請求先の著者とその住所 - 助成金,装置,薬剤などの形態で受けた援助の出所 - ランニングタイトル - 総単語数,表の数,図の数 が必要です. タイトルページは titlepage 環境の中に書きます. article に titlepage オプションをつけると,titlepage 環境や abstract 環境は自動的に改ページされます. ただし,ページ番号はふられません. タイトルページに図の数や表の数を入れるには lastpage.sty を使います. -表の数の参照 --最後の \begin{table}...\end{table} の間に,\label{lasttable} を入れ,\ref{lasttable} で参照します. -図の数の参照 --最後の \begin{figure}...\end{figure} の間に,\label{lastfig} を入れ,\ref{lastfig} で参照します. *** Todo [#jd39c775] - 総単語数(抄録,謝辞,図表キャプション,文献リストは除く)を自動的にカウントして,タイトルページに入れる ** ページ番号 [#z8ab941f] ページ番号はタイトルページからはじめて一連番号を付けることになっています. // Abstractからページ番号を振りたい場合は,\begin{abstract}...\end{abstract}のあとに, // \addtocounter{page}{1} // を追加します. *** ページ番号を右上に [#a0c50ac9] 最新版の ICMJE Recommendations ではページ番号の位置指定はなくなりました. ページ番号の位置を簡単に変更したい場合は,pageno.sty を使うとよいでしょう. 例えば右上なら下記のようにします. \usepackage[outsidehead]{pageno} ** 四方余白を1インチに [#ae6567ae] 最新版の ICMJE Recommendations では「十分な余白」に変更されましたが… 四方余白を1インチと指定されている場合は,fullpage.sty で簡単に四方余白を1インチにできます. \usepackage{fullpage} オプションなしで読み込むだけで OK です. もし,\usepackage[outsidehead]{pageno} と併用して本文と右肩のページ番号が重なる場合は, \usepackage[outsidehead]{pageno} をはずして,単に \usepackage[myheadings]{fullpage} とします. fullpage のその他のオプションには,plain, empty, headings があります. ** 図表 [#gb594e5c] ICMJE Recommendations では,図表は1つずつ独立したページで用意して,本文の後につけなければなりません. また,図はキャプションなしで用意し,図の裏に図番号などのラベルを貼ります. いまのところの妥協案は下記の通り. 自分や共著者へのプレビュー用に通常通り figure 環境や table 環境を使い,投稿時に \usepackage[noheads,tablesfirst]{endfloat} とする.すると,図の挿入箇所に [Figure 1 about here] などと挿入され,図表は本文の後に回される. デフォルトでは図が表よりも先にくるので,tablesfirst というオプションを入れる. *** 図版の説明文リストをダブルスペースに [#o3fe6c26] endfloat を使っている場合,下記をプリアンプルに足す. \AtBeginDelayedFloats{\renewcommand{\baselinestretch}{2}} *** キャプションなしの図を出力する [#pc2b2ad4] @makecaption を再定義する. \renewcommand{\@makecaption}[2]{% \vskip\abovecaptionskip \hbox to \hsize{\hfil #1\hfil}% \vskip\belowcaptionskip} 図をキャプションなしにして,さらにページいっぱいに拡大する方法はいまのところ不明(誰か加筆してください). List of Figures の方はちゃんとキャプションがリストされているはず. *** Todo [#a08dd516] - 図の裏に貼るラベルを自動出力 ** 度量衡単位 [#f7517a12] SI 単位を用います. SI 単位の入力をサポートするパッケージとして [[siunitx]] があります. ** 略語を簡単に [#n64448be] 略語は初出の時にフルスペルで書かなくてはいけません. これを自動的に行ってくれる acromake.sty があります. \acromake{ANSA}{{\tt ANSA}}{another nasty stupid acronym} と書いておくと, \ANSA is a new approach to the use of \ANSA, where \ANSA is ... は another nasty stupid acronym (ANSA) is a new approach to the use of ANSA, where ANSA is ... となります. 自分がよく使う略語の定義ファイルを作成しておき,\input{} で読み込めば,略語の展開を気にすることなく,本文に集中できます. ** 文献スタイル [#n0cb9c0e] ICMJE Recommendations の文献スタイルの例は, [[ここ:http://www.nlm.nih.gov/bsd/uniform_requirements.html]]にあります. これは,[[Vancouverスタイル:http://en.wikipedia.org/wiki/Vancouver_system]]と呼ばれるもので,幸いにも [[vancouver.bst>CTAN:biblio/bibtex/contrib/vancouver/vancouver.bst]] [[[詳細:http://www.ctan.org/pkg/vancouver]]]が CTAN にあります.~ これを使って \bibliographystyle{vancouver} \bibliography{使用するbibファイル名} とすれば OK です. この vancuver.bst は,論文タイトルを bib ファイルにかかれているとおりに出力します. *** 論文タイトルを文頭以外小文字に [#x1a58ed1] Lacet などに投稿する際には文頭以外は小文字にした方がよいでしょう. 自動的に論文タイトルの文頭以外を小文字にするには,vancouver.bst の904行目付近の FUNCTION {format.title} { title %%duplicate$ empty$ 'skip$ %% { "t" change.case$ } %%if$ "title" bibinfo.check } この部分の%を削除します. *** 著者名のファーストネームをイニシャルに [#n367e118] 旧版の vancouver.bst では,例えば,bib ファイルの中に Donald E. Knuth と書かれていれば, Knuth DonaldE と出力してしまいます.~ bib ファイルの中を D. E. Knuth と代えれば, Knuth DE と本来の出力をします. vancouver.bst を編集して,Donald E. Knuth でも D. E. Knuth でも Knuth DE と出力するようにしましょう. vancouver.bst の731行目が "{vv~}{ll}{ ff{}}{ jj}" になっている場合は "{vv~}{ll}{ f{}}{ jj}" と編集します.