*TIPA [#z57e2958] [[TIPA:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~fkr/computer.htm]]は東大の[[福井玲:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~fkr/]]先生が作られたIPA (International Phonetic Alphabet、国際音標文字、いわゆる発音記号フォント) です。TIPAのTはTeXまたはTokyo (東大?) を意味するとのことです。同じ福井先生が製作に携わったTSIPAをベースに、大幅に機能およびフォントデザインを改良したものです。 TIPAのフォントにはIPAの記号のほか、アメリカの音声学、インド・ヨーロッパ言語、東アジアの言語学などで使用される音声記号が含まれています。これらはComputer Modernをベースに設計されており、Roman、Slanted、Bold Extended、Sans Serif、Typewriter体など豊富な種類が使用できます (Italic体はありません)。また、TimesおよびHelveticaにデザインを近づけたバージョンも含まれています。 福井先生のサイトの[[tipaディレクトリ:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~fkr/tipa/]] から最新版がダウンロードできます (執筆時点での最新版はtipa-1.3です)。 [[CTANのfonts/tipa/:http://www.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/fonts/tipa/]]でもミラーされています。 **インストール [#j6ff5f64] makeが使える環境であれば、Makefileの先頭のPREFIXの定義を適宜変更し make install を実行します。 手動でインストールする場合は、展開されたファイル群を以下の場所に移動します (下記/usr/local/share/texmfの部分はお使いの環境に応じて読み替えて下さい)。 - styディレクトリの中身を/usr/local/share/texmf/tex/latex/tipaに入れる。 - mfディレクトリの中身を/usr/local/share/texmf/fonts/source/fkr/tipaに入れる。 - tfmディレクトリの中身を/usr/local/share/texmf/fonts/tfm/fkr/tipaに入れる。 - type1ディレクトリの中身を/usr/local/share/texmf/fonts/type1/fkr/tipaに入れる。 - dvipsディレクトリの中身を/usr/local/share/texmf/dvips/configに入れる (※)。 >(※) TDS 1.1では/usr/local/share/texmf/fonts/map/dvips/fkr/tipaになります。 移動したら、必要に応じてmktexlsr、updmap --enable Map tipa.mapなどを実行します。 その後TIPAの配布に含まれるdocディレクトリ内にある、tipaman.texをコンパイルします。インストールに成功していれば、生成されたtipaman.dviの全ページが正常に表示されます。 **使い方 [#o25babb1] \usepackageコマンドでtipa.styを読み込めば、TIPAの機能を使用できるようになります。 \documentclass{jsarticle} \usepackage{tipa} \begin{document} : \end{document} 特殊な記号を使用する場合は、\usepackage{tipa}の後に続けて\usepackage{xipa}を指定します。 \documentclass{jsarticle} \usepackage{tipa} \usepackage{xipa} \begin{document} : \end{document} 音声記号は、 -通常のテキスト内でマクロ名を指定する -マクロの引数や環境内でショートカット文字を使用する のいずれかの方法で入力できます。たとえば英語の「explanation」の発音を表す記号 >[ˌɛkspləˈneɪʃən] は [\textsecstress\textepsilon kspl\textschwa \textprimstress ne\textsci\textesh\textschwa n] または \textipa{[""Ekspl@"neIS@n]} と入力します。 使用できるコマンド、フォントの詳細はtipaman.texをご参照下さい ([[TIPA:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~fkr/computer.htm]]のページでは、tipaman.texをコンパイルした文書のPDF版 (TIPAマニュアル) を見ることもできます)。