[[LaTeX入門]] / [[最初の例>LaTeX入門/最初の例]] / [[簡単な数式 (1)>LaTeX入門/簡単な数式(1)]] / [[簡単な数式 (2)>LaTeX入門/簡単な数式(2)]] / [[各種パッケージの利用>LaTeX入門/各種パッケージの利用]] / [[レポート>LaTeX入門/レポート]] / [[HTML と LaTeX の比較>LaTeX入門/HTMLとLaTeXの比較]] / [[複雑な数式>LaTeX入門/複雑な数式]] / [[図表>LaTeX入門/図表]] / [[図表の配置>LaTeX入門/図表の配置]] / [[相互参照とリンク>LaTeX入門/相互参照とリンク]] / 文献引用 / [[索引作成]] / [[LaTeX マクロの作成>LaTeX入門/LaTeXマクロの作成]] / [[スライドの作り方(jsarticle 編)>LaTeX入門/スライドの作り方(jsarticle編)]] / [[応用的な使い方>LaTeX入門/応用的な使い方]] ---- * 文献引用 [#p8a928c2] 論文やレポートでは,引用文献のリストを作成し,本文中で文献番号を付記する必要があります。 ここでは,そのような文献引用の方法を説明します。 #contents ** すべて手動で行う方法 [#q3041d64] 文献リストを作る環境が thebibliography 環境です。 「そんなの enumerate 環境(番号付き箇条書き)でいいじゃないか」と思うかもしれませんが,参考文献のリストにはそれなりの形式があります。 thebibliography 環境ではその形式に従ったやり方で文献リストを作ってくれます。 文献リストを出力したいところに次のように書きます。 \begin{thebibliography}{99} \item 奥村晴彦,黒木裕介『\LaTeXe 美文書作成入門』第6版(技術評論社,2013) \item …… \end{thebibliography} 99というのは文献リストの番号が最大で2桁になるという意味です。 これは番号部分の幅を定めるためだけに参照されます。 この方法では,本文中で文献を参照する際に自分で番号を間違えないように 奥村,黒木~[1] によれば,……であることが知られている~[3--5,7] のように付けなければなりません(~ は,その部分で行分割しない空白です)。 これではリストの順番を変更するのに不便ですので,以下のようにコンピュータに任せた方がよいでしょう。 ** 半分人間が行う方法 [#m05a76a7] 文献リストを出力したいところに次のように書きます。 \begin{thebibliography}{99} \bibitem{美文書} 奥村晴彦,黒木裕介『\LaTeXe 美文書作成入門』第6版(技術評論社,2013) \bibitem{…} …… \end{thebibliography} この \bibitem には,文献名を代表するような分かりやすい名前をつけておきましょう。 そして,本文中で文献番号が欲しいところで 詳しくは奥村~\cite{美文書} 第11章を参照されたい。 のように書きます。 こうして (u)pLaTeX で2回処理すると \cite{美文書} が [1] のような番号で置き換えられます。 \cite と \bibitem を使った相互参照のある文書を処理するには,少なくとも2回タイプセットする必要があります。 ** 文献処理の全自動化 [#p7b7879c] // 大友さんによる「文献リストと相互参照、および索引の作り方」(インターネットアーカイブ) // http://web.archive.org/web/20081231221606/http://www.klavis.info/bib.html // をもとに,jbibtex → pbibtex などの変更を施して移植しました。 // パブリックドメインにしていただいたことに感謝いたします。 文献の項目数が少なければ上の方法でもかまわないのですが,数が多くなってきたときには,この方法は若干面倒です。 LaTeX と組み合わせて文献データベースから自動的に参考文献リストを作るためのツールとして,BibTeX があります. ここでは,pTeX に特化した pBibTeX を用いて,文献処理を自動化してしまう方法を紹介します(upTeX に対応した upBibTeX というツールもあります)。 まず,「文献データベースファイル」を,TeX 文書のファイルとは別に作成します。 このファイル名を bunsi.bib としましょう。 この新しいファイルに,次に示すようにどんどん書いてしまうのです。 まずは日本語の文献です。 -著者名が「ボルティモア,ロディッシュ,ダーネル ほか」の3人以上(実際は6人) -出版社が「東京化学同人」,訳者が「野田春彦,丸山工作」の2人(本当は6人) -刊行日が2001年9月10日 の『分子細胞生物学 第4版』という本があるとします。 その場合,相互参照のために使うラベル名を mcb とすると,次のように書きます。 author, title... といったそれぞれの項目は,順不同でかまいません。 思いついたまま書いてください。 @book{mcb, author = "ボルティモア,ロディッシュ,ダーネル and others", title = "『分子細胞生物学 第4版』", publisher = "東京化学同人", year = "2001年9月10日", note = "野田春彦,丸山工作 訳" } 行末のコンマを忘れずに書いてください。 このうち,author(または editor), title, publisher, year の4つは,どの本でも省略せずに書きます(他の項目は省略可)。 その他の著者の存在を示す「ほか」は,"and others" と記します。 note は本の情報等を書く項目であり,訳者はここに書いてしまいます。 なお,著者名が漢字であれば,yomi という項目に(できればアルファベットで "Kousaku Maruyama" のように)書きます。 次に,欧米の文献です。 -著者名が "D. Baltimore, H. Lodish, J. E. Darnell" の3人以上(本当は6人) -出版社が "W. H. Freeman"(これは人名ではなく出版社名です) -刊行日が "2000" の MOLECULAR CELL BIOLOGY, Fourth Edition という本があるとします。 その場合,相互参照のために使うラベル名を mcbe とすると,次のように書きます。 @book{mcbe, author = "D. Baltimore, H. Lodish, J. E. Darnell and others", title = "MOLECULAR CELL BIOLOGY, Fourth Edition", publisher = "W. H. Freeman", year = "2000" } 一方,本文(ファイル名を bunken.tex とします)には,文献リストを出力したい場所に次のように書いておきます。 本文では,先ほどと同様に文献を \cite で参照します。 あるいは,本文(\begin{document} と \bibliographystyle{jplain} の間)に \nocite{*} と書きます。 これは「一切文献を \cite で参照しません」という命令です。 確認しますが, 文献データベースファイル(bib ファイル)名は bunsi.bib です。 また,文献リストの形式には jplain というものを選びます。 これは,一般的に多く使われる文献リストの形式 です。 \documentclass{jsarticle} \begin{document} \textit{Molecular Cell Biology}~\cite{mcbe} (日本語訳は『分子細胞生物学』~\cite{mcb} )は, \textit{Molecular Biology of the Cell} と並んで,しばしば分子生物学の入門書として読まれる本です。 \bibliographystyle{jplain} \bibliography{bunsi} \end{document} 他にも bib ファイルがあるときは \bibliography{bunsi,bunsi2} のようにコンマで区切ります。 その上で,以下のコマンドで処理します。 platex bunken pbibtex bunken platex bunken platex bunken 拡張子を省略していますが,そのほうが楽でしょう。 具体的には +まず bunken.tex を platex でタイプセット(bunken.dvi, bunken.aux, bunken.log ができる) +出てきた bunken.aux を pbibtex で処理(bunken.bbl, bunken.blg ができる) +文献リスト bunken.bbl ができたことを確認し,platex で bunken.tex を再度タイプセット pbibtex が作成した文献リスト bunken.bbl には thebibliography 環境ができています。 したがって,その後の platex によるタイプセットは少なくとも2回必要です。 「文献データベースファイル」を作るのが若干面倒だと思われるかもしれません。 [[BibTeX 関連ツール>BibTeX関連ツール]]には,そのような作業を助けてくれるツールが紹介されています。 BibTeX よりスタイルのカスタマイズが簡単な [[BibLaTeX>Biblatex]] という LaTeX パッケージも便利です。 ** Wiki 内の関連項目 [#v34680b7] -[[文献情報]] -[[「著者-出版年」型の文献引用]] -[[TeXの本/文献データベース]]:[[TeXの本]]を BibTeX の書式でまとめたもの。サンプルとして使えるかも。 ** リンク [#ae1fdc87] W32TeX の 2009年7月20日の変更で,アスキー pTeX 付属の jbibtex は pbibtex という名前に変更され,翌日の2009年7月21日には NTTjTeX 付属の jbibtex が追加されました。 // いま (2015-06-10) 残っている参考ページ: // -http://written.4403.biz/archives/2009/08/jbibtex-pbibtex.html // -http://mas0061.blogspot.jp/2009/11/texjbibtex.html したがって,それ以前に書かれた記事を参照すると pbibtex の代わりに jbibtex というコマンドで書かれています。 適宜読み替えてください(ほぼ全ての記事は NTTjTeX ではなくアスキー pTeX 向けに書かれているようですので)。 -[[BibTeX 活用術>http://keizai.xrea.jp/latex/bib/bindex.html]] -[[BibTeX と bibtex-mode, reftex-mode の使い方>http://www.fan.gr.jp/~ring/doc/bibtex.html]] -[[pLaTeXで卒論を書こう#参考文献を作成する (Internet Archive)>http://web.archive.org/web/20050412112642/http://www.mmm.muroran-it.ac.jp/~s0824088/tex/sotu/sotu10.html]] -[[経済学におけるBibTeXの利用>http://shirotakeda.org/ja/tex-ja/bibeco-ja.html]] -[[TeXにおける参考文献の引用(BibTeX)とcje02.bst >http://keijisaito.info/arc/BibTeX/cje02.htm]] -[[BibTeX文献情報のWeb検索>http://keijisaito.info/arc/BibTeX/get_bib.htm]] -[[.bst カスタマイズ (cbst)>http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/anes/www/html/manual/bibliography.html]]