[[Ghostscript]] > GNU Ghostscript 7.07

*GNU Ghostscript 7.07 [#u1488af6]

//特に UNIX 互換 OS でのインストール法をまとめましたが,バイナリで用意されている Windows でも役に立つことがあるかもしれません。

#contents

*はじめに [#he9c7727]

[[GNU Ghostscript 7.06 on Linux:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/linux/gs706.html]]
ではエプソンコーワのドライバを使いましたが,バグがあるようなので,ここでは大森さんの gdevlips
ドライバに戻しました。
その後エプソンコーワのドライバも改訂されたように思いますが,未確認です。

Mac OS X (+ X11) でもまったく同様にインストールできます
(Mac OS X 10.4 では ./configure --without-gimp-print
で Makefile の XLIBS=Xt Xext X11 は XLIBS=Xt SM ICE Xext X11 に直しました)。

安宅さんの
[[Install GNU GhostScript 7.07 and dvipdfmx [Intetnet Archive]:http://web.archive.org/web/20090130073812/http://pop-club.hp.infoseek.co.jp/tex/gs_dvipdfm.html]]
というページが役に立ちます。
LIPS のB列出力については [[qa:19792]]
をご覧ください。

**News [#qc5125cb]

-[040723] [[URW フォントのバグ>URW]]

*ダウンロード [#k0bb1098]

たとえば [[sourceforge:http://sourceforge.net/projects/ghostscript/files/gnu-gs/7.07/]] から入手できます。

-ghostscript-7.07.tar.bz2 または ghostscript-7.07.tar.gz
-gnu-gs-fonts-std-6.0.tar.gz ftp://mirror.cs.wisc.edu/pub/mirrors/ghost/gnu/fonts/gnu-gs-fonts-std-6.0.tar.gz
-gnu-gs-fonts-other-6.0.tar.gz ftp://mirror.cs.wisc.edu/pub/mirrors/ghost/gnu/fonts/gnu-gs-fonts-other-6.0.tar.gz
-jpegsrc.v8d.tar.gz [[http://www.ijg.org/files/jpegsrc.v8d.tar.gz]]

次のものは
[[ここ:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/mirror/gs-cjk/]]
から入手できます。

-adobe-cmaps-200204.tar.gz -> adobe-cmaps-200406.tar.gz でないと,otf パッケージの使用などで文字欠けが発生する。
-acro5-cmaps-2001.tar.gz

*インストール [#r6c67752]

**Windows [#y7d058ad]
Ghostscript 7.07 (&ref(ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/gs/gs707w32full.zip);) に関する説明をします.~
現在の最新の GPL Ghostscript には日本語の縦書きに難点が残っています.~
気になる場合は 7.07 を使用してください。~
縦書きをしない場合は脆弱性が存在するので最新の Ghostscript にすることをお勧めします.~
gs707w32full.zip を展開して中にある “setupgs.exe” を実行すればインストールできます。~
デフォルトでは C:\gs\ に入ります(ご自分でドキュメントを読んでトラブルを解決するつもりの人以外は,安易に変えないでください)。~
C:\gs\gs7.07\bin\gswin32.exe が実行ファイルです(コンソール版は gswin32c.exe)。

環境変数 TEMP に全角文字が含まれていると失敗するかもしれません
(Windows (8, 7, Vista, XP)でユーザ名に2バイト文字を使っている場合など)。
この場合は,例えば C:\tmp\ というフォルダ(ディレクトリ)を作っておき,
[コントロールパネル] → [システムとセキュリティ] → [システム] → [システムの詳細設定] → [環境変数] で
環境変数 TEMP を “C:\tmp” に設定してからインストールを行います。

環境変数 GS_LIB については,2003年7月13日以降の Ghostscript 7.07 では
一切不要です。むしろ不完全な GS_LIB を設定するとトラブルの元ですので,
削除しておいてください。

動作チェックと
して [スタート] → [すべてのプログラム] → [Ghostscript] → [Ghostscript
7.07] で Ghostscript を起動し,
その窓にマイコンピュータから C:\gs\gs7.07\examples\tiger.ps を
ドラッグ & ドロップして虎の絵が表示できれば OK です。

dviout for Windows との連携をチェックするには,dviout をインストールした
フォルダ(例えば C:\w32tex\dviout\)の GRAPHIC\PS\ フォルダに上の tiger.ps と,
同じフォルダにある golfer.ps とをコピーしておきます。これでその場所にある
pssample.dvi をダブルクリックして絵入りの文書が表示できれば OK です。

dvipdfmx や dvipdfm で PDF を作る際には,C:\gs\gs7.07\bin\ にパスを通して
おきます。環境変数 PATH に “C:\w32tex\bin” を加えた場合,
さらにその後に “;C:\gs\gs7.07\bin;C:\gs\gs7.07\lib” を追加します。結局
PATH は “C:\w32tex\bin;C:\gs\gs7.07\bin;C:\gs\gs7.07\lib” となります。

2003年9月5日以降の角藤さんの Ghostscript 7.07 配布では,和文フォントを
埋め込まない設定にできます。設定は,dvipdfmx.cfg の “D” で始まる行を
次のように書き直します(本当は1行です)。

 D "gswin32c -q -dSAFER -dNOPAUSE -dBATCH -sPAPERSIZE=a0
 -sDEVICE=pdfwrite -dCompatibilityLevel=1.3
 -dAutoFilterGrayImages=false -dAutoFilterColorImages=false
 -dGrayImageFilter=/FlateEncode -dColorImageFilter=/FlateEncode
 -dUseFlateCompression=true -sOutputFile=%o -c '.setpdfwrite <<
 /NeverEmbed [/Courier /Courier-Bold /Courier-Oblique /Courier-BoldOblique
 /Helvetica /Helvetica-Bold /Helvetica-Oblique /Helvetica-BoldOblique
 /Times-Roman /Times-Bold /Times-Italic /Times-BoldItalic
 /Symbol /ZapfDingbats
 /Ryumin-Light /GothicBBB-Medium /MS-Mincho /MS-Gothic]
 >> setdistillerparams' -f %i -c quit"

***【参考】 Ghostscript による PDF 作成 [#zce2e51d]

次の作業は Ghostscript 7.07 単独で日本語の PDF を作る場合,
および dvipdfmx や dvipdfm で処理する EPS ファイルに
日本語が含まれている場合に必要です。EPS ファイルに日本語が含まれていない
(あるいは日本語がアウトライン化されている)ならば,dvipdfmx や dvipdfm で
処理する本文にいくら日本語が使われていても,以下の作業は特に不要です。

[[Ring Server:http://www.ring.gr.jp/]] の
[[/pub/text/TeX/ptex-win32/gs/:http://www.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/gs/]]
から&ref(ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/gs/adobe-cmaps-200204.zip);
と&ref(ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/gs/acro5-cmaps-2001.zip);
をダウンロードします。

C:\gs\gs7.07\Resource\ というフォルダ(ディレクトリ)を作り,
この二つのファイルをその中で展開します。
もし C:\gs\gs7.07\Resource\ 以外のフォルダに
展開するなら,C:\gs\gs7.07\lib\gs_res.ps の248&ndash;249行を
編集する必要があります。

次は和文フォントを使えるようにします。
ここでは Microsoft Windows の「MS 明朝」,「MS ゴシック」を
使ってみます。C:\gs\gs7.07\lib\CIDFnmap の最後に次のように書き込みます。

----
 /Ryumin-Light      /MS-Mincho        ;
 /GothicBBB-Medium  /MS-Gothic        ;
 /HeiseiMin-W3      /Ryumin-Light     ;
 /HeiseiKakuGo-W5   /GothicBBB-Medium ;
 
 /MS-Mincho         (msmincho.ttc) 1  ;
 /MS-Gothic         (msgothic.ttc) 1  ;
----

これで日本語が表示できます。

C:\gs\gs7.07\lib\ も Path に含めておけば,ps2pdf コマンドで
PostScript ファイルを PDF ファイルに変換できます。
ただし『無効なフォント「MS-Mincho」が文書から削除されました。』と出て,
すべてゴシック体で表示されてしまいます。
これを防ぐには,MS-Mincho,MS-Gothic を文書から削除して
Ryumin-Light,GothicBBB-Medium という名前に置き換えればいいわけです。
これを自動化するスクリプト
[[replacecjkfonts, cjkps2pdf:http://www.eaflux.com/replacecjkfonts/]]
を[[中丸幸治さん:http://www.eaflux.com/]]が作られています。
これを使えば PDF のサイズも小さくなりますし,Adobe Reader が
適当なフォントできれいに表示してくれます。

2003年9月5日以降の角藤さんが配布なさっている
Ghostscript 7.07 なら,replacecjkfonts 無しでうまくいくと思います。

**Linux, OS X [#od0594e8]
以下では Linux や OS X
でインストールを行いました。

 $ cd /usr/local/src
 $ tar xvf ...../ghostscript-7.07.tar.bz2
 $ cd ghostscript-7.07
 $ tar xvf ...../jpegsrc.v8d.tar.gz
 $ mv jpeg-9 jpeg
 $ ./configure

“tar xvf” でエラーになるなら

 $ bzip2 -dc ...tar.bz2 | tar xvf -

のようにしてください。

大森さんの
[[LIPS &amp; ESC/Page &amp; NPDL &amp; RPDL 対応 Ghostscript デバイスドライバ:http://www.ucatv.ne.jp/~taeko/software/gs/]]
のページから gdevlips ドライバを入手し,展開します。

 $ tar xvf gdevlips-2.4.0.tar.gz
 $ mv gdevlips-2.4.0/*.htm doc/
 $ mv gdevlips-2.4.0/* src/
 $ cat src/gdevlips.mak >>src/contrib.mak

Makefile のたとえば383&ndash;384行目に次のような変更を加えます。

 DEVICE_DEVS17=$(DD)stcolor.dev
 DEVICE_DEVS18=$(DD)lips3.dev $(DD)lips4.dev $(DD)escpage.dev

src/gdevespg.c の75行目が

 if (xdpi  600)

となっていますが,LP-1900 のような True 1,200 dpi の ESC/Page
プリンタが安価で入手できるようになったので,

 if (xdpi  1200)

のように変更してしまいました。

なお,make で次のような警告が出ます。

 src/contrib.mak:896: 警告: ターゲット `obj/lips3.dev' へのコマンドを上書きします
 src/contrib.mak:600: 警告: ターゲット `obj/lips3.dev' への古いコマンドは無視されます

lib/gs_res.ps の249&ndash;250行

 /FontResourceDir (/Resource/Font/) readonly .forcedef  % pssys'params is r-o
 /GenericResourceDir (/Resource/) readonly .forcedef    % pssys'params is r-o

の /Resource/ (2箇所)を /usr/local/share/ghostscript/Resource/
に書き直します(あるいは ln -s /usr/local/share/ghostscript/Resource /Resource
のようにシンボリックリンクしてもいいでしょう)。

この段階で
[[山田泰司さん:http://www.aihara.co.jp/~taiji/gyve/]]
のパッチを当てることをお勧めします。
これについては下の方にも少し書きましたが,難しければ後に延ばしてもいいでしょう。

これでトップレベルで make,make install
すると,次のものが /usr/local/bin/ に入ります。

>bdftops dvipdf eps2eps fixmswrd.pl font2c gs gsbj gsdj gsdj500 gslj
gslp gsnd lprsetup.sh pdf2dsc pdf2ps pdfopt pf2afm pfbtopfa pj-gs.sh
printafm ps2ascii ps2epsi ps2pdf ps2pdf12 ps2pdf13 ps2pdf14 ps2pdfwr
ps2ps pv.sh sysvlp.sh unix-lpr.sh wftopfa

また,/usr/local/share/ghostscript/7.07/ の下にたくさんのものが入ります。

仕上げです。

 $ make
 $ make install
 $ cd /usr/local/share/ghostscript
 $ tar xvf gnu-gs-fonts-std-8.11.tar.gz
 $ tar xvf gnu-gs-fonts-other-6.0.tar.gz
 $ mkdir Resource
 $ cd Resource
 $ tar xvf adobe-cmaps-200204.tar.gz
 $ tar xvf acro5-cmaps-2001.tar.gz

gdevlips-2.4.0 のパッチ等の情報が
[[竹野さんのページ:http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/FreeBSD/LBP/lbp.html]]
にあります。

*和文フォントの設定(IPAex フォント編) [#n1c45670]

和文フォントを使えるようにします。~
[[IPAexフォント/IPAフォント:http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/]]が Ghostscript で使用できます。~
ipaexm.ttf, ipaexg.ttf を /usr/local/share/ghostscript/fonts/ に入れておきます。
/usr/local/share/ghostscript/7.07/lib/CIDFnmap に次のように書き込みます。~

 /Ryumin-Light            /IPAexMincho ;
 /GothicBBB-Medium        /IPAexGothic ;
 
 /IPAexMincho             (ipaexm.ttf) ;
 /IPAexGothic             (ipaexg.ttf) ;

こうしておけば,表示だけでなくコマンド ps2pdf で日本語 PDF が作れます。~
ps2pdf は gs で PDF を作るシェルスクリプトです。~
同様な仕組みで dvipdfmx もインクルードされた EPS ファイルを PDF 化しますので,ps2pdf
が正しく働くことは重要です。~

*和文フォントの設定(その他) [#k11d6c69]

これ以外にも,和文 TrueType フォントがあれば /usr/local/share/ghostscript/fonts/
に入れて,/usr/local/share/ghostscript/7.07/lib/CIDFnmap
にたとえば次のように書き込みます(これらはダイナフォントの平成書体で,商品です)。

 /Ryumin-Light              (DFHsm3.ttc) ;
 /GothicBBB-Medium          (DFHsg5.ttc) ;
 /FutoMinA101-Bold          (DFHsm5.ttc) ;
 /FutoGoB101-Bold           (DFHsg7.ttc) ;
 /Jun101-Light              (DFHsr4.ttc) ;

フォントによっては TrueType Collection 番号を追加します:

 /Ryumin-Light              (XXXXXX.ttc) 2 ;

TrueType フォントは PDF 化がうまくいかない場合が多いのですが,エラーさえ出なければ,PDF
化した後で replacejfont.pl で外せば大丈夫です。

なお他 OS 用フォントを Linux から使うことについては,
[[三田さんがまとめてくださったもの [Internet Archive]:http://web.archive.org/web/20040811230145/http://www.ee.t.u-tokyo.ac.jp/~mita/FreeBSD/Truetype-copyright.txt]]
があります。
この中では Microsoft だけ「Windows 以外での使用は認めません」と答えています。

*システム設定 [#r4365fa6]

/etc/printcap はたとえば次のようにしておきます。

 lp:\
 :sd=/var/spool/lpd/lp:\
 :mx#0:\
 :sh:\
 :lp=/dev/lp0:\
 :if=/usr/local/lib/gsf:

スプールディレクトリができていない場合は作っておきます。

 $ checkpc -f

フィルタ /usr/local/lib/gsf は,LP-1900 の 600 dpi モードなら,次のようにします。

 #!/bin/sh
 /usr/local/bin/gs -q -dNOPAUSE -dSAFER -dBATCH \
 -sDEVICE=lp1900 -r600 -sPAPERSIZE=a4 -sOutputFile=- -

1,200 dpi モードなら,-r600 を -r1200 にします。
1,200 dpi モードにするとかなり遅くなりますし,文字部分はあまり変化がありませんが,
画像はハーフトーンの網点が細かくなるので一目瞭然の差があります。

これで lpr hoge.ps と打ち込めば hoge.ps が印刷できます。

*その他 [#ld9cdeca]

B列(B5判など)の出力については TeX の掲示板の
[[qa:17129]]
以下に話題が出ています。
Ghostscript のB列は JIS ではなく ISO なのでサイズが微妙に違います。
たとえば JIS の B4 は “/jisb4” と定義されています (gs_statd.ps)。
dvips のサイズ指定については[[ここ>dvips]]参照。

*関連リンク [#d80c1879]
-[[ESP Ghostscript:http://sourceforge.net/projects/espgs/]]
-[[小川弘和さん:http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/herogw/]]
-[[Mac OS X でレーザープリンターを使うスレ (過去ログ)>http://mimizun.com/log/2ch/mac/1037063324]]
-[[Welcome to ~taiji at gyve:http://www.aihara.co.jp/~taiji/gyve/]] (山田泰司さん)
-[[GNU Ghostscript 7.07 Windows 版のインストールと設定:http://www.trueroad.jp/pdf-make/gs-install.html]]
-[[ghostscript 7.07 のインストールログ:http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~kanamitu/install/sol9/gs-7.07.txt]]
-[[GNU Ghostscript 7.06 for Windows の導入:http://www.fan.gr.jp/~ring/doc/gs7.06.html]](新堂さん)
-[[Pi&egrave;ce de l'Ensemble [Internet Archive]:http://web.archive.org/web/20090403203845/http://pop-club.hp.infoseek.co.jp/]](安宅さん &amp;
荒川さん)Ghostscript 7.07 や dvipdfmx のインストール情報,AUCTeX,X-Symbol 等々