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* 簡単な数式の例 (1) [#k5e0098a]

LaTeX は数式の組版を得意としています。
ここで簡単な数式を含む文書を作成してみましょう。

#contents

**数式を含む文書の作成と LaTeX 処理 [#i1af012b]

次のファイルを作ってみましょう。

 \documentclass{jsarticle}
 \begin{document}
 
 日本で漱石が「吾輩は猫である」を発表したころ,
 ドイツではAlbert Einsteinが特殊相対論を発表した。
 
 この理論によれば,エネルギー$E$と質量$m$は
 \begin{equation}
   E = mc^{2}
 \end{equation}
 で関係づけられる。
 ここに$c$は光速で,
 \begin{equation}
   c = 299{,}792{,}458 \, \mathrm{m/s}
 \end{equation}
 である。
 
 \end{document}

ファイルに ex2.tex という名前を付けて保存し,タイプセットします。
ex2.pdf を開いてみると,以下のように表示されるはずです。

#ref(http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/intro/ex2.jpg,wrap,nolink)
#br


* LaTeX ソースの解説 [#j8956e3c]

**行内数式 [#ud5be9a8]

この例のように,数式は $ でサンドイッチして記述します。

**別行立て数式 [#j0e110d3]

数式番号つきの別行立て数式(独立した行に置かれる数式)は 

 \begin{equation}
 \end{equation}

で囲みます。
数式番号のない別行立て数式は

 \[
 \]

で囲みます((\begin{displaymath} と \end{displaymath} で囲むという方法もありますが,これは後で紹介する amsmath パッケージでサポートされておらず,タイプの手間もかかりますので敢えて使う理由はありません。))。
後で紹介する amsmath パッケージを使う場合には

 \begin{equation*}
 \end{equation*}

でもかまいません。 

**上付き文字 [#z98d3ff8]

//&mimetex(c^2);
「c の2乗」のような上付きは c^{2} のように書きます。
上付きが1文字だけの場合は c^2 としてもかまいません。

**下付き文字 [#r435b918]

同様に
//&mimetex(a_i);
「a の i 番目」のような下付きは a_{i} のように書きます。
下付きが1文字だけの場合は a_i としてもかまいません。

**スペース [#wac0d434]

上の例を見ると,「3 桁区切りのコンマ」について 299{,}792{,}458 のような少し妙な書き方をしています。
その理由は,数式中で 299,792,458 と書くと,数列と見なされてコンマの後に微小な空きが入ってしまい,桁区切りとして不適切な表示になるからです。
コンマを { } で囲むことでこれを防ぐことができます。

数値と単位の間には微小な空きを入れると見栄えが良くなります。
微小な空きを出力するにはコマンド \, を使用します((\, による空白では行分割が起こりません。))。

数式中では,いくら数値と単位の間に空白を入力しても無視されます。 
 \begin{equation}
   c = 299{,}792{,}458       \mathrm{m/s}
 \end{equation}

**ローマン体 [#ba767a1e]

科学論文のルールでは,単位は斜めのイタリック体ではなく直立したローマン体で書きます。
LaTeX では数式中の英字は通常はイタリック体になりますが,\mathrm コマンドを使うとローマン体の英字を出力できます((あるいは,SI 単位を正しく表記するために便利な [[siunitx]] パッケージを使うこともできます。))。

// 現在の構成では「パッケージ」は後のページで扱うのでできる限り「先取り」は避けたいはず。
// その状況で,必要もない(使ってない)のにパッケージを出してくるのは何故?
// // 昔の残骸ですね。どうせ「複雑な数式」で同じことを扱うので,消しましょう。