[[TeX入門]]/
[[最初の例>TeX入門/最初の例]]/
[[簡単な数式(1)>TeX入門/簡単な数式(1)]]/
[[簡単な数式(2)>TeX入門/簡単な数式(2)]]/
[[レポート>TeX入門/レポート]]/
[[HTMLとLaTeXの比較>TeX入門/HTMLとLaTeXの比較]]/
[[複雑な数式>TeX入門/複雑な数式]]/
図/
[[文献引用]]

*EPS形式の図の挿入 [#v4efe6a4]

たとえば [[apple.eps:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/dtp/apple.eps]]
というEPS形式の図があったとします.(図をEPS以外の形式で保存している場合もあるかと思います.その場合は[[変換ツール>変換ツール#w1278ce9]]に挙げられているソフトでEPS形式に変換することになります.
←今はPDFにするのが前提ならEPSに限らずPDF、PNG、JPEGがそのまま使えますので特にEPSにこだわる必要はないでしょう)このとき,次のようにすれば図(と
[[詩:http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/files/18352_15628.html]] :) )が挿入できます。 

 \documentclass{jsarticle}     % または jarticle 等々
 \usepackage[dviout]{graphicx} % または dvips または dvipdfm
 \begin{document}
 
 まだあげ初めし前髮の/林檎のもとに見えしとき/前にさしたる花櫛の/花ある君と思ひけり
 
 \includegraphics[width=5cm,clip]{apple.eps}
 
 \end{document}

この dviout と書いたところはドライバ(出力ソフト)の名前です。 dvips(k) の場合は dvips,dvipdfm(x) の場合は dvipdfm とします。 

これでエラーになる場合は pTeX または dviout または Ghostscript のインストールがうまくいっていないのでしょう(あるいは非常に古いのでしょう)。 インストールガイド をよく読んでネットからダウンロードしてインストールするか,[[本>TeXの本]] についている CD-ROM でインストールしましょう。 

* PDF形式の図の挿入 [#a58e4bcb]

RIGHT:cf.) [[PDFの作り方#図の描き方>PDFの作り方#yca8607c]]

最終的にPDF形式で出力したい場合は,図もPDF形式で用意しておくのが便利です。 

たとえば [[apple.pdf:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/dtp/apple.pdf]]
というPDF形式の図があった場合,次のようにすれば図が挿入できます。 

ここでは,あらかじめ井上さんの [[mediabb.sty:http://www.ns.musashi-tech.ac.jp/~inoue/Pages/TeX/mediabb.sty.html]]
がインストールされている場合について説明します。 

 \documentclass{jsarticle}     % または jarticle 等々
 \usepackage[dvipdfm]{graphicx}
 \usepackage{mediabb}
 \begin{document}
 
 まだあげ初めし前髮の/林檎のもとに見えしとき/前にさしたる花櫛の/花ある君と思ひけり
 
 \includegraphics[width=5cm,clip]{apple.pdf}
 
 \end{document}

これを platex で処理し,続いて dvipdfmx で処理すると,全体がPDF形式になります。

このようにPDFを使えば,Ghostscriptが呼び出されることがないので,処理も速くなります。

PostScriptとPDFの両方を出力する必要がある場合は,apple.eps と apple.pdf
を両方用意しておいて,
 \includegraphics[width=5cm,clip]{apple}
のように拡張子なしでインクルードします。
こうすれば,\usepackage[オプション]{graphicx}
のオプション次第で,適当なほうがインクルードされます。

** pdfTeX [#zed83e69]

pdfTeX を利用しているときは、graphicx パッケージのオプションを
次のように設定すればいいようです。

 \usepackage[pdftex]{graphicx}

* PNG形式の図の挿入 [#s7e8e2f8]

例えば [[apple.png:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/dtp/apple.png]] (426x496)
を使うには,PDFの場合と同様にすればいいのですが,mediabb.styは必要ありません。
mediabb.styを使っても,PDFと違って,PNGはサイズの自動取得ができません。

もしサイズがわかっているのであれば,図を読み込むところで,

 \includegraphics[bb=0 0 426 496,width=5cm]{apple.png}

のように大きさ情報を [bb=0 0 x y] の形式で与えてしまうのが簡単です。
これを自動化するには,ebbというツールがdvipdfmに同梱されているはずですので,あらかじめ

 ebb apple.png

と(Windowsならコマンドプロンプトで)打ち込んでおけば,大きさ情報を書き込んだapple.bbというファイルが生成されますので,[bb=0 0 x y] のような情報を書き込まなくても処理できます。

* 図と文字の重ね打ち [#rc7de959]

図中にTeXで組んだ文字を入れる方法はいろいろありますが,ここではoverpic.styによる方法を説明します。

 \documentclass{jsarticle}
 \usepackage[dvipdfm]{graphicx}
 \usepackage[abs]{overpic} % この行を追加
 \usepackage{mediabb}
 \usepackage{pict2e}  % 後で矢印をきれいに出すため。なければ不要
 \begin{document}
 
 % \includegraphics[width=5cm,clip]{apple.pdf} を次のように書き換える
 \begin{overpic}[width=5cm,clip,grid]{apple.pdf}
 \end{overpic}
 
 \end{document}

こうすると,図の上にグラフ用紙がオーバーレイされます。これを見ながら,挿入したい文字と矢印を座標で指定します。文法はpicture環境と同じです(pict2e.styを使えばpicture環境がさらに強力になるのでお薦めします)。

 \begin{overpic}[width=5cm,clip,grid]{apple.pdf}
   \linethickness{3pt}  % pict2e.styがなければ\thicklinesにする
   \put(150,80){\vector(-1,0){25}}
   \put(155,75){\Huge\sffamily Byte!}
 \end{overpic}

多少試行錯誤が必要ですが,これでよければgridを外します。

overpic.styは [[CTAN:macros/latex/contrib/overpic/]] にあります。
overpic.styだけをダウンロードして,適当なところ(わからなければ文書ファイルと同じところ)に入れておきます。

pict2e.styは [[CTAN:macros/latex/contrib/pict2e/]] にありますが,展開したものを [[ここ:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/archive/pict2e/]] に置いておきます。
dvipdfm(x)を使うなら,pict2e.styとp2e-dvipdfm.defだけダウンロードして,やはり適当なところに入れておきます。

** 2色刷り [#s5ccf134]

最近の本は黒とあと1色の2色刷りにすることが多くなりました。

プロセスカラーはCMYKで行いますが,このような2色刷りには,黒をK,もう一つの色(特色,スポットカラー)を例えばCに当てておいて,印刷時にCの色を指定します。

例えば上の例で図中の文字と矢印だけ特色にするには,次のようにします。

 \documentclass{jsarticle}
 \usepackage[dvipdfm]{graphicx,color}
 \usepackage[abs]{overpic}
 \usepackage{mediabb}
 \usepackage{pict2e}
 \definecolor{spot}{cmyk}{1,0,0,0}
 \begin{document}
 
 \begin{overpic}[width=5cm,clip]{apple.pdf}
   \color{spot}\linethickness{3pt}
   \put(150,80){\vector(-1,0){25}}
   \put(155,75){\Huge\sffamily Byte!}
 \end{overpic}
 
 \end{document}

* 図の配置 [#i209eceb]

図を適当な場所に配置してキャプションを付けるには,次のようにします。

 \begin{figure}
   \centering  % 中央揃えするなら
   \includegraphics[...]{...}
   \caption{林檎とバイトの関係}
 \end{figure}

ただし,図の位置はコンピュータが決めますので,必ずしもこのように書いた位置に入るとは限りません。
// もっとも,キャプションをつけ,かつ,図表にはその番号で言及するのであれば,
// “その場”配置にこだわる必要はありません.
これが嫌なときは,頭のところで

 \usepackage{float}

と宣言しておき,図を入れるところでは

 \begin{figure}[H]

のように大文字の [H] を付けておきます。

float マクロを読み込まなくても,[h] のかわりに [!h] を使うと,より here に
近い位置に埋め込もうとします?
// float の配置に ! 指定を行った場合には,\textfraction 等の
// float 配置パラメータを無視して単に float を収める余地があるか否かしか
// チェックしません(したがって,! と h を併用した場合には,概ね“その場”
// 配置となります).ただし,\intextsep(h 配置の float とその前後の本文との
// 間の空白の大きさ)は考慮されますので,float の大きさが微妙な場合には
// やはり次ページ送りになることもあります.
// もっとも,!h 指定の場合は,現在のページにその float を収める余地がない
// 場合には自動的に !ht 指定として扱う(つまり,現在のページの残りは
// テキストで埋めて,float は次ページの上部に置く)ので(その旨の警告も
// 現れます),float パッケージでの H 指定よりも都合がよいことも多いでしょう.