#ref(http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/intro/title.jpg,nolink,around,"TeX, LaTeX 入門") RIGHT:''TeX'' /ték/[名]〔コンピュータ〕テフ,テック RIGHT:《テキストベースの組み版システム;数式の処理を得意とする》。 RIGHT:—『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店,2001年) ''目次'' #contents * TeX,LaTeX とは? [#nef9fd41] [[TeX]] は [[Donald Ervin Knuth:http://www-cs-faculty.stanford.edu/~knuth/]] によって開発された,フリーの「''組版システム''」です. すなわち,活版印刷のような「文字や図版などの要素を紙面に配置する」という作業をコンピュータで行います. 現在のバージョン番号は 3.14159265 です(2014 年 1 月にリリース). [[LaTeX]] は TeX の上に構築されたフリーの文書処理システムです. [[Leslie Lamport:http://lamport.org/]] によって開発されました. TeX は「組版のために開発された言語」でもあり,そのままでは使いにくい点もあるので,LaTeX では一般的な文書作成に便利な機能拡張がなされています. 現在では TeX で組版を行う場合には LaTeX を使うことが圧倒的に多いため,単に「TeX」と言った場合にそれが LaTeX のことを指している場合も多いのですが,本来 TeX と LaTeX は区別されるべきものです. ** 読み方 [#gea7d22e] TeX は「テック」または「テフ」([tex])と読みます. どちらかというと大学系の人は「テフ」派が多いようです. 英語圏では [tek],[tekh] または誤読ですが [teks],ドイツ語圏では「テヒ」([tɛç]) とも読むようです. 同様に LaTeX は「ラテック」「ラテフ」などと読みます. -[[TeX の発音:http://d.hatena.ne.jp/takeda25/20140428/1398662547]] -[[TeXはテック:http://kahei.org/blog/2014/04/tex-3.html]] -[[TeXはテック - Talpa memorandum:http://sonmin-sokuho.hatenablog.com/entry/2014/04/28/120221]] -[[「TeX」の読み方は「テック」だった | スラド:http://it.srad.jp/story/14/04/28/0911215/%E3%80%8CTeX%E3%80%8D%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%E3%81%AF%E3%80%8C%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%8D%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F]] -[[「TeX」の読み方はテフ、それともテック?:http://www.kksanshusha.jp/booklab/archives/1184]] -[[Wikipedia.ja:TeX]] ** ロゴ [#k4f3130b] TeX および LaTeX の正式なロゴはこのページのタイトルのようなデザインです.ただし, プレーンテキストや電子メールなどで書くときには組版《くみはん》処理による表記ができないので, それぞれ “TeX”,“LaTeX” と書くことになっています. ** 動作環境 [#u28a6dc4] ほとんどの OS で動作します. つまり,ほとんどのコンピュータで使えます. -[[Microsoft Windows:http://www.microsoft.com/japan/windows/]] -UNIX®([[OS X:http://www.apple.com/jp/osx/]] など) -UNIX 互換 OS([[Linux OS:http://kernel.org/]],[[FreeBSD:http://www.freebsd.org/]] など) -Windows 上で UNIX ライクな環境を提供する [[Cygwin:http://www.cygwin.com/]] -モバイルオペレーティングシステム([[Android OS:http://www.android.com/]],[[iOS:http://www.apple.com/jp/ios/]] など) ** 日本語化された TeX, LaTeX [#xb5d1a9c] 日本では TeX, LaTeX を日本語化した [[pTeX, pLaTeX:http://ascii.asciimw.jp/pb/ptex/]] が使用されています. pTeX, pLaTeX は株式会社アスキー (現:[[株式会社KADOKAWA・DWANGO:http://www.kadokawa.co.jp/]]の アスキー・メディアワークス ブランドカンパニー)が日本語化したものです. pTeX, pLaTeX の頭文字の p(ピー)は ''p''ublishing(出版)の意味です. アスキーでは pTeX, pLaTeX およびこれらに基づく編集支援システム [[EWB:http://ascii.asciimw.jp/ascii/EWB/]] を無償配布し,自社の本の製作に利用していました. 現在は pTeX, pLaTeX を内部 Unicode 化した [[upTeX, upLaTeX>upTeX,upLaTeX]] が利用できます. ** Unicode に対応した TeX, LaTeX [#bcc0d89c] Unicode に完全対応したものには -[[LuaTeX, LuaLaTeX>LuaTeX]] -[[LuaJITTeX, LuaJITLaTeX>LuaJITTeX]] -[[XeTeX, XeLaTeX>XeTeX]] があります. ** LaTeX のバージョン [#q9d2d675] 1994年に LaTeX の新版 LaTeX 2ε(トゥー・イー),1995年にはアスキーから日本語版 pLaTeX 2ε が出ました. これにともなって,それ以前の古い LaTeX を特に LaTeX 2.09 と呼ぶことになりました. 以下では現行の LaTeX 2ε と pLaTeX 2ε と upLaTeX 2ε に基づいて説明します. 組版処理による表記ができないプレーンテキストや電子メールなどで書くときには LaTeX 2ε を “LaTeX2e” と書くことになっています. 以下では LaTeX 2ε, pLaTeX 2ε, upLaTeX 2ε をそれぞれ “LaTeX2e”, “pLaTeX2e”, “upLaTeX2e” と書きます. TeX, pTeX, upTeX については,ここでは LaTeX2e, pLaTeX2e, upLaTeX2e の「縁の下の力持ち」としてそれぞれ TeX, pTeX, upTeX が働いていると言うに留めておき,詳しい説明は省略します. * LaTeX2e, pLaTeX2e, upLaTeX2e の入門書 [#l062c239] まずは次の本を挙げておきます. -[[奥村 晴彦:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/]], [[黒木 裕介:https://twitter.com/kuroky_plus]]『[[[改訂第6版]LaTeX2e 美文書作成入門:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/bibun6/]]』([[技術評論社:http://gihyo.jp/]],2013年10月,定価 ¥3,456 (本体 ¥3,200),[[ISBN 978-4-7741-6045-0:http://ja.wikipedia.org/wiki/Special:Booksources/978-4-7741-6045-0]]) --[[TeX Live]] 2013 を収録した DVD-ROM 付.[[電子版:https://gihyo.jp/dp/ebook/2013/978-4-7741-6107-5]]もあります. これ以外にも多くの[[良書>TeXの本]]が出ています. 書店でお選びください. ** LaTeX のバージョンについて —入門書を読む際に— [#h22f32a6] LaTeX には大きく分けて二つの異なるバージョンがあります. 現行の LaTeX2e と,旧バージョンの LaTeX 2.09 です. 日本語化されたものでは upLaTeX2e と pLaTeX2e と pLaTeX 2.09 があります. ''LaTeX2e と LaTeX 2.09 は別物''と考えて良いくらいです. 図書館には今でも LaTeX 2.09 時代の解説書が並んでいたりするかもしれません. LaTeX2e と LaTeX 2.09 は異なるものなので注意が必要です. 文書ソースを \documentclass で始めるのが LaTeX2e,\documentstyle で始めるのが LaTeX 2.09 です. LaTeX 2.09 用の古い原稿を LaTeX2e で処理すると自動的に LaTeX 2.09 の互換モードで処理されるので,エラーなどが出ないことも多くあります. * インストール [#i326adb5] 初心者には TeX のインストールが最も難しいところかもしれません. TeX Wiki には OS ごとのインストール方法が詳しく書かれていますので,[[TeX 入手法>TeX入手法]] をご参照ください. ** TeX を Web で [#j1241f24] インストール不要で LaTeX が使えるウェブページもあります. 初めて LaTeX に触れるにあたり,とりあえず使ってみたい場合は -「[[TeXを使ってみよう(upTeX版):http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/texonweb/]]」 -「[[TeXを使ってみよう:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texonweb/]]」 が便利です. このようなサービスの作り方については,[[TeX を Web で>TeXをWebで]]を参照してください. また,より進んだクラウドのサービスも提供されています. -[[Cloud LaTeX:https://cloudlatex.io/ja]] -[[Overleaf:https://www.overleaf.com/]](旧称:writeLaTeX) * 使い方 [#hf6bc116] 主に LaTeX の使い方を中心に解説しています. -[[最初の例>TeX入門/最初の例]] -[[簡単な数式 (1)>TeX入門/簡単な数式(1)]] -[[簡単な数式 (2)>TeX入門/簡単な数式(2)]] -[[各種パッケージの利用>TeX入門/各種パッケージの利用]] -[[レポート>TeX入門/レポート]] -[[HTML と LaTeX の比較>TeX入門/HTMLとLaTeXの比較]] -[[複雑な数式>TeX入門/複雑な数式]] -[[図表>TeX入門/図表]] -[[文献引用]] -[[索引作成]] -[[マクロの作成>TeX入門/マクロの作成]] -[[スライドの作り方(jsarticle 編)>TeX入門/スライドの作り方(jsarticle編)]] -[[応用的な使い方>TeX入門/応用的な使い方]]