- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
*[[dvipdfmx/xdvipdfmx:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/]] [#x9826408]
&color(White,#5F2F2F){ ''◆CONTENTS◆'' };&br;
#contents
*dvipdfmx/xdvipdfmx とは [#ia9746cb]
dvipdfmx は DVI ファイルを PDF ファイルに変換するソフトウェアです.~
xdvipdfmx は XDV ファイルを PDF ファイルに変換するソフトウェアです.~
[[XeTeX, XeLaTeX>XeTeX]] を -no-pdf オプションを指定しないで実行すると xdvipdfmx が自動的に実行されます.~
**License [#w1524716]
[[GPLv3, GPLv2:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/COPYING?view=markup]]~
**ChangeLog [#he60a3d0]
-[[[texlive] Index of /trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/]]
--[[log:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/?view=log]]
--[[ChangeLog:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/ChangeLog?view=markup]]
-[[[texlive] Contents of /trunk/Master/texmf-dist/tex/latex/dvipdfmx-def/dvipdfmx.def:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Master/texmf-dist/tex/latex/dvipdfmx-def/dvipdfmx.def?view=markup]]
--[[log:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Master/texmf-dist/tex/latex/dvipdfmx-def/dvipdfmx.def?view=log]]
-[[[latexfmxdef] Index of /trunk:http://svn.gnu.org.ua/viewvc/latexfmxdef/trunk/]]
--[[log:http://svn.gnu.org.ua/viewvc/latexfmxdef/trunk/?view=log]]
--[[ChangeLog:http://svn.gnu.org.ua/viewvc/latexfmxdef/trunk/ChangeLog?view=markup]]
*不具合 [#mb96765c]
**dvipdfmx Version 20130624 で TikZ を使用した DVI ファイルを処理すると ** ERROR ** Invalid object type: 10 → TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317) 以降にアップデート [#m3330a51]
TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317), TeX Live 2013 (dvipdfmx-20130405) では大丈夫です~
TeX Live 2014 (→ [[Revision 31738:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31738]], [[Revision 31739:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31739]] を参照) で修正されました~
-[[[dvipdfmx] tikz のパターン描画でエラー:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1081]]
**dvipdfmx Version 20130624 で しおりを作成するとジャンプできない → TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317) 以降にアップデート [#x496f09a]
TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317), TeX Live 2013 (dvipdfmx-20130405) ではジャンプできます~
TeX Live 2014 (→ [[Revision 31386:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31386]], [[Revision 31672:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31672]], [[Revision 31691:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31691]], [[Revision 31759:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31759]] を参照) で修正されました~
-[[hyperref パッケージの hyperlink が機能しない(OS X10.9.1, MacTeX,TeXworks ):http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1225]]
-[[hyperref.styによる目次からのリンクが無効:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1078]]
**dvipdfmx Version 20130624 で PDF 変換した場合に A5 サイズ (148mm×210mm) で出力できない → TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317) 以降にアップデート [#r12477d0]
TeX Live 2014 (dvipdfmx Version 20140317), TeX Live 2013 (dvipdfmx-20130405) では出力可能です~
TeX Live 2014 (→ [[Revision 31398:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=31398]] を参照) で修正されました~
-[[dvipdfmxでPDF変換した際に紙のサイズが異なる:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1073]]
**dvipdfmx-20120420 で IPAexフォント (Ver.002.01) を使うと ** ERROR ** Could not obtain necessary font info. → TeX Live 2013 (dvipdfmx-20130405) 以降にアップデート [#z5173081]
TeX Live 2013 (→ [[Revision 28787:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=28787]] を参照) で修正されました~
-[[dvipdfmxでipaexフォントを使うと** ERROR ** Could not obtain necessary font info.:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texfaq/qa/56967.html]]
-[[QA: dvipdfmxでipaexフォントを使うと** ERROR ** Could not obtain necessary font info.:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=917]]
**dvipdfmx-20120420, xdvipdfmx-0.7.8 で [[Lucida>Wikipedia.en:Lucida]] や [[Bitstream Charter>Wikipedia.en:Bitstream_Charter]] のアクセント記号 (発音記号) が表示できない → TeX Live 2013 (dvipdfmx-20130405) 以降にアップデート [#za070e82]
TeX Live 2013 (→ [[Revision 27479:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=27479]], [[Revision 27480:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=27480]] を参照) で修正されました~
dvipdfmx-20120420 (修正前) と xdvipdfmx-0.7.8 (修正前) と dvipdfm, version 0.13.3TL-j-p1d で [[Lucida>Wikipedia.en:Lucida]] や [[Bitstream Charter>Wikipedia.en:Bitstream_Charter]] のアクセント記号 (発音記号) が表示できません.~
\documentclass{article}
\usepackage[T1]{fontenc}
\usepackage{charter}
\begin{document}
chass\'e du G\"obe
\end{document}
以下のように \' や \" の直後に {}$\!\!\!$ を追加すれば表示できるようになりました.
\documentclass{article}
\usepackage[T1]{fontenc}
\usepackage{charter}
\begin{document}
chass\'{}$\!\!\!$e du G\"{}$\!\!\!$obe
\end{document}
↑ Type1 フォントの合成済字形(←これが seac を使っている)でなくて、TeX 上の合成で事足りるのであれば、アクセント自動置換をごまかして TeX 上の合成を強制することにすればよいでしょう。([[アクセント合成済文字を避ける:http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/20120609/1339257531]] を参照)
\documentclass{article}
\usepackage[T1]{fontenc}
\usepackage{charter}
\begin{document}
chass\'{\empty e} du G\"{\empty o}be /
CHASS\'{\empty E} DU G\"{\empty O}BE
\end{document}
-[[Lucida fonts (T1) and dvipdfm.:https://groups.google.com/group/comp.text.tex/browse_thread/thread/429dd838fe75ea40/d26feb9baf78f9d6]]
-[[Diacritics from Bitstream Charter are not translated to PDF:http://bugs.debian.org/cgi-bin/bugreport.cgi?bug=639373]]
-[[dvipdfmxがBitstream Charterでバグる!:https://twitter.com/h_okumura/status/209849248987090945]]
-[[seac のバグは「構成要素の文字(例だと \'{} e \"{} o)を文書のどこかに紛れ込ませる」と逃げられる、はず。:https://twitter.com/zr_tex8r/status/209880317023109120]]
-[[dvipdfm(x)のseacバグ:https://twitter.com/golden_lucky/status/209924362785140736]]
*注意点 [#n8c7de22]
**upLaTeX + dvipdfmx で波ダッシュ「〜」(U+301C) が 全角チルダ「~」(U+FF5E) で表示される → map ファイルの UniJIS-UTF16-H を unicode に変更または \AtBeginDvi{\special{pdf:mapline uprml-h unicode :0:msmincho.ttc}} を追加 [#n5909871]
-[[upLaTeX + dvipdfmx で波ダッシュ「〜」(U+301C) が 全角チルダ「~」(U+FF5E) で表示される:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1218]]
-[[qa:49109]]
-https://twitter.com/zr_tex8r/status/422752198724825090
-https://twitter.com/zr_tex8r/status/422763693202350080
-[[pLaTeX + dvipdfmx で PUA 文字を何とかする話:http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/20130420/1366451325]]
**dvips, dvipdfm, dvipdfmx で \scalebox を使用した場合に dvipdfmx の縦組時のみ他のドライバと挙動が異なる → [[pxtatescale パッケージ:https://gist.github.com/zr-tex8r/5237259]] を使用する [#he8e8e71]
-[[\scaleboxの縦組時挙動に付いて:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=961]]
*使い方 [#qabeb774]
-[[Dvipdfm マニュアル:http://gaspra.kettering.edu/dvipdfm/dvipdfm-0.12.4.pdf]] (英語) をまず読んでください。
**コマンドラインオプション [#tc481bdb]
$ dvipdfmx -h
Usage: dvipdfmx [options] [dvifile[.dvi|.xdv]]
dvipdfmx --extractbb|--xbb|--ebb [options] "extractbb" になる
dvipdfmx --help|--version
Options:
-c カラースペシャルを無視する (モノクロ印刷用)
--dvipdfm DVIPDFM 互換モードを有効にする
-d 数値 PDF 出力の小数点以下の桁数を設定 (0-5) [2]
-f ファイル名 マップファイル名を設定 [pdftex.map]
-g 寸法 アノーテーションの余白 [0.0in]
-h | --help このメッセージを表示し終了
-l ランドスケープモード
-m 数値 追加の拡大率を設定 [1.0]
-o ファイル名 出力ファイル名を設定, "-" で標準出力 [dvifile.pdf]
-p 用紙サイズ 用紙サイズを設定 [a4]
-q 静かに
-r 解像度 ビットマップフォントの解像度を DPI で指定 [600]
-s ページ範囲 ページ範囲を指定 (-)
-t PNG 形式のサムネイルを埋め込む [dvifile.1]
--version バージョン情報を出力し終了
-v うるさく
-vv よりうるさく
--kpathsea-debug 数値 kpathsearch デバッグフラグを設定 [0]
-x 寸法 水平方向のオフセットを指定 [1.0in]
-y 寸法 垂直方向のオフセットを指定 [1.0in]
-z 数値 zlib の圧縮レベルを指定 (0-9) [9]
-C 数値 様々なオプションフラグ [0]:
0x0001 予約済み
0x0002 TPIC シェーディングコマンドに不透明なグレーの代わりに
半透明な塗りつぶしを使う (PDF 1.4 が必要)
0x0004 CID フォントを固定幅として扱う
0x0008 重複したフォントマップエントリーを置き換えない
0x0010 PDF デスティネーションの最適化を抑制する
正の値は常に前に与えられた値と OR される
負の値を指定すると前の値を置き換える
-D 文字列 PS->PDF 変換コマンドラインテンプレート [none]
-E フォントライセンスフラグに関わらず常にフォントを埋め込む
-I 数値 画像キャッシュの寿命 [-2]
0: すべての古い画像を消去し新しい画像を残す
-1: すべての古い画像を消去し新しい画像も消去する
-2: 画像キャッシュを無視する
-K 数値 暗号化キー長 [40]
-M MetaPost PostScript 出力を処理
-O 数値 開いたブックマークアイテムの最大深度 [0]
-P 数値 暗号化の許可フラグを設定 [0x003C]
-S PDF 暗号化を有効に
-V 数値 PDF のマイナーバージョンを設定 [5]
コマンドラインから入力されるすべての寸法は "True" 付きと解釈される。
"-s" の引数はコンマで分離されたページレンジを列挙したものです、
例えば、"-s 1-3,5-6".
ページサイズは用紙フォーマット (例: "a4")
あるいは w<unit>,h<unit> (例: "20cm,30cm") で指定。
バグ報告は電子メールで: tex-k@tug.org.
**フォントの設定 [#tbddb566]
フォントの設定はマップファイルで行います。マップファイルの役割は、TeX が認識するフォント名と実際に PDF 出力に使うべき実フォントとを対応付けることです。このファイルの書式は
tfm[@SFD@] enc font options
のようになります。ここで '''tfm''' は TeX において使われるフォント名、'''enc''' は使用すべきフォントのエンコーディング、'''font''' は PDF 出力に用いられる実フォント名(通常はファイル名)で ''' options''' で様々なオプションを指定します。[@SFD@] の項は CJK パッケージで用いられるフォントの分割方法の指定で、pLaTeX などでは通常不要です。
TeX Live などの通常のインストールではおそらく各 OS で利用可能なフォントのマップファイルは既にインストールされているでしょう。ない場合は jfontmaps パッケージ (TeX Live の場合) を導入します。使用するマップファイルの切り替えには updmap プログラムを使います。マップファイルが用意されていないフォントを使いたい場合は自分で用意しなければなりません。
以下にマップファイルの書き方について簡単に解説します。
***TeX フォント名 [#ua7d8a2c]
マップファイルの '''tfm''' の項には TeX で使用されるフォント名、あるいは Virtual font から最終的に辿り着く TeX フォントがきます。cmr10 や rml などです。オプションとして @ SFD@ をつけることができます。ここで SFD は Subfont Difinition ファイル名です。このオプションは '''SFD''' の規則にしたがい分割されたサブフォントを一つのフォントにまとめあげるときに指定します。
min@Unicode@ unicode Mincho
は、Unicode.sfd の規則にしたがって分割されたサブフォント群 min00, min01, ... を逆にひとつの Unicode フォントにまとめ上げます。その後このひとつに束ねられた仮想的なフォントは Mincho というフォントにマップされます。
***エンコーディング [#y16b9bc3]
'''enc''' を正しく指定しないと正しい出力は得られません。dvipdfmx でサポートされているものは
dvips の .enc 名
PostScript CMap リソース名
unicode
の3種類です。dvips の .enc ファイルは 8-bit エンコーディング用のエンコーディングファイルで、どのコードポイントにどの文字 (グリフ) が割り当てられているかを PostScript の書式で記述します。例えば、8r.enc では
/TeXBase1Encoding [
% 0x00
/.notdef /dotaccent /fi /fl
/fraction /hungarumlaut /Lslash /lslash
...(略)...
/udieresis /yacute /thorn /ydieresis
] def
のような記述が見られます。コード 0x00 に /.notdef (未定義) 文字を、0x01 に /dotaccent を、0x02 に /fi (f と i のリガチャ) を...割り振っています。文字の識別は PostScript グリフ名で行われます。OpenType/TrueType フォントでは Unicode値を使って /uniXXXX (XXXX は 4 桁の 16 進数 Unicode 値) という形での文字の指定も可能です。必要な .enc ファイルは通常のインストールでほぼすべてインストールされています。
foo 8r Foo
というマップエントリは TeX フォント foo を Foo に対応付けます。その際 TeX で用いられたエンコーディングは 8r.enc に記述されてあるものとします。
PostScript CMap リソースは dvipdfmx が文字を CID と呼ばれる文字の識別番号で識別する場合に用いられます。CMap ファイルは一般的に用いられるエンコーディング (Shift-JIS など) からの CID への対応付けを記述したファイルです。例えば、UniJIS-UCS2-H は Unicode の JIS サブセットの範囲で UCS2 でエンコードされた文字列を Adobe-Japan1 で定められた文字集合の CID 値の並びに変換するのに用いられます。拡張子が ".otf" の 和文 OpenType フォントでは通常これを使います。pTeX/pLaTeX でよく用いられる設定は:
rml H Ryumin-Light
gbm H GothicBBB-Medium
などです。CMap ファイルは通常は Adobe によって管理されたものが一式インストールされているはずです。
最後に unicode は OpenType/TrueType フォントに内臓の Unicode マッピングテーブルを使って Unicode 値からフォント内の字形データを得ることを指定します。upLaTeX や Omega など DVI ファイル内のエンコーディングが Unicode となる場合にはこれが使えます。
uprml-h unicode ipaexm.ttf
エンコーディングに unicode を指定する場合は追加の外部ファイルを必要としません。
***実フォント名 [#he05780d]
'''font''' の項には出力 PDF で使用されるフォント名がきます。これは通常フォントファイル名です。
ugoth10 unicode Gothic.ttf
は TeX フォント ugoth10 を TrueType フォント Gothic.ttf に結びつけます。また、フォントファイルが TrueType Collection の場合は
ugoth10 unicode :1:GothicB.ttc
のようにファイル名の前に :n: を付けることで n 番目のフォントを選べます。
***オプション [#d4922a30]
"変形" オプション
-s .167
-e 1.2
-b 1.0
"s" は斜体に、"e" は横に伸縮し、"b" は太字にするオプションです。"b" の利用は推奨されません。
フォントオプション
-i 2
-w 1
"i" は TrueType Collection インデックスの指定 (フォント名の前の :2: と同じ) で "w" は縦書き/横書きの指定です。"w" はエンコーディングが unicode のときのみ有効で、値が 1 のときは縦書き用であることを示します。オプション "w" の値が 1 のとき縦書き用の OpenType グリフ置換機能が有効になります。
***フォント関連のよくあるエラーと警告 [#p3025758]
フォントとエンコーディング関連、PostScript ファイルの取り込みではエラーが多発します。よくあるエラー・警告とその原因です:
Could not locate a virtual/physical font for TFM “gbm-jis”.
There are no valid font mapping entry for this font.
Font file name “gbm-jis” was assumed but failed to locate that font.
Cannot proceed without .vf or “physical” font for PDF output…
この種のエラーは mktexpk が実行され失敗した後表示されます。TeX フォント "gbm-jis" にはなんら実フォントとの対応付けがなされておらず、"gbm-jis" という名のフォントを試そうとして失敗しました。おそらくフォントの設定が適切になされてません。類似のエラーとして:
Could not locate a virtual/physical font for TFM "hgothr-h".
This font is mapped to a physical font "HiraKakuProN-W3.otf".
Please check if kpathsea library can find this font: HiraKakuProN-W3.otf
Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...
のようなメッセージが出る場合は、フォント "HiraKakuProN-W3.otf" がインストールされていないか dvipdfmx が見つけられる場所にありません。
Could not find encoding file "H".
pTeX/pLaTeX で通常必要な PostScript CMap リソース "H" が見つかりませんでした。これらのファイルが正しくインストールされていない可能性があります。
No character mapping available.
CMap name: H
input str: <7c>
CMap "H" での文字コード変換に失敗しました。おそらくエンコーディングの指定が誤っています。自身が DVI への出力にどのようなエンコーディングを使っているか把握する必要があります。H (JIS) で未定義の文字コードを使っている可能性もあります。
Glyph missing in font. (CID=19141, code=0x4e23)
お使いのフォントには CID 19141 に対応する文字データがありません。フォントを代えるなどの対処が必要です。
Failed to load AGL file "glyphlist.txt"...
PostScript グリフ名と Unicode との対応を記述したファイル "glyphlist.txt" が読み込めませんでした。(主に欧文フォントで) 稀に文字が欠落したり、生成された PDF ファイルで文字列の検索やコピー & ペーストがうまくいかなくなるかも知れません。
CMap has higher supplement number than CIDFont: Ryumin-Light
Some chracters may not be displayed or printed.
使用している CMap が新しい改訂版であるため、フォント "Ryumin-Light" に含まれない文字が使用される可能性があります。文字が欠落する可能性があり、"Glyph missing in font." の警告が出ないか注意する必要があります。
***ファイルが見つからない場合の対処法 [#x37a3e64]
ファイルが見つからないというエラーが出た場合は、dvipdfmx がどこを探していてるかを知る必要があります。TeX 関連の多くのプログラムは kpathsea というライブラリにファイル検索を依頼しており、dvipdfmx も kpathsea ライブラリを利用しています。kpsewhich というコマンドラインプログラムがファイルを置くべき場所を知るのに利用できます。例えば、PostScript CMap "H" が dvipdfmx に見える場所にあるか確かめるには
kpsewhich -progname=dvipdfmx -format=cmap H
とします。ファイルが存在する場合はその場所が出力されます。空行しか出力されない場合は dvipdfmx の検索パスにファイルが存在しません。CMap ファイルがどこにインストールされているべきなのか知るには
kpsewhich -progname=dvipdfmx -show-path=cmap
のようにします。区切り文字 (Windows では ";") で区切られたフォルダのリストが出力されます。検索パス等は
kpsewhich -a -format=cnf texmf.cnf
で示されるファイルで設定されています。kpsewhich の使い方については
kpsewhich -help
などを参照してください。
**画像の取り込み [#a1cabace]
dvipdfmx がサポートする画像フォーマットは PNG、JPEG、BMP、JPEG 2000 (2014/08/11 より) および MetaPost が出力した EPS (MPS) です。これに加えて PDF のページも取り込めます。通常の EPS はサポートされていないことに注意してください。通常の EPS ファイルの取り込みでは外部プログラムを呼び出し、dvipdfmx が扱えるフォーマットに変換してから取り込みます。
dvipdfmx はダウンサンプルは行いません。画像を埋め込むとファイルサイズが異様に大きくなるような場合は画像加工ソフトで適切な解像度になるように画像のサイズを調整してください。
***サポート状況 [#e5c0f21c]
PNG はよくサポートされています。透明度や埋め込み ICC プロファイルなどの情報も保持されます。色深度が 16bpc のときは 8bpc へと変換されるという制限があります。メタデータの保持はできていません。
JPEG は比較的よくサポートされています。CMYK 色空間にも対応していますが、ビューアが対応していない可能性もあるため避けるのが無難です。物理的サイズの取得に JFIF データを利用します。EXIF データは利用していません。JFIF と EXIF データに不整合がある場合に画像サイズの決定に問題が生じることが知られています。埋め込み ICC プロファイルにも対応しています。
BMP は非圧縮かランレングス圧縮のものに限られます。多くの拡張機能には対応していません。
JPEG 2000 の対応は最低限のものです。PDF の仕様の制限から JP2 と JPX baseline サブセットに限定されます。J2C ファイルには対応していません。透明度については不明です。
PDF はベクタ•ラスタ画像のどちらにもよく対応した高機能なフォーマットですが、仕様の改訂の度に複雑化するという問題があります。不要に高いバージョン設定にしない、タグ付きにしないなどの点に注意すれば比較的よく対応できます。これまで PDF-1.5 以上のファイルで取り込みに失敗することがありましたが、2014/08/14 の修正でそのようなファイルにも対応しました。
***どのフォーマットを選ぶべきか? [#la46999e]
PNG と JPEG で満足しているのであればそれを続けましょう。PDF は PNG と同等の機能をもち、JPEG も丸ごとサポート (実際に丸ごと JPEG ファイルを埋め込める) しているので PDF で統一することも考えられます。RAW データから JPEG への変換でもやもやとしたノイズが気になる場合は JPEG 2000 を検討してもよいでしょう。ただし、JPEG 2000 は普及に失敗したようで PDF ビューアのサポートが十分でない可能性もあります。
PostScript はそれが確かに必要だという場合を除き使わない方がよいでしょう。dvipdfmx は PostScript を直接サポートしていません。
***PostScript ファイルの取り込み [#q1c3abbe]
PostScript ファイルを取り込む際には通常は GhostScript が自動的に起動し、PDF へ一時的に変換したうえで取り込みます。具体的には dvipdfmx.cfg のオプションの記述を見ましょう:
kpsewhich -progname=dvipdfmx -format=othertext dvipdfmx.cfg
で示されるファイルに
D "rungs -q -dNOPAUSE -dBATCH -dEPSCrop \
-sDEVICE=pdfwrite ...(略)... -sOutputFile='%o' '%i' -c quit"
のような一行があるはずです。("%" で始まる行はコメント行です) この部分の指示により dvipdfmx は PostScript の図を埋め込むように指示されたとき、自動的に rungs (gs へのラッパー) を起動し PDF へ変換するように動作します。"D" オプションの基本的な書式は
D "command %i %o"
のような形です。ここで "%o"、"%i" はそれぞれ出力 (dvipdfmx が定める一時ファイル名)、入力ファイル名に置き換わります。取り込まれた PostScript の図に問題があるようでしたらこのオプションを見直してください。PostScript ファイルはトラブルの大きな原因です。フォントをすべて埋め込んだはずなのに埋め込まれていないフォントがある。和文フォントを使わないようにしたはずなのに実際は使ってある。など、取り込まれた PostScript ファイルが原因となっている場合があります。また変換が失敗する場合はまず "D" オプションで指定されたコマンドを直接実行してみて、どのようなエラーがでるのか調べてください。dvipdfmx が
Filtering file via command -->rungs -q ...(略)... failed.
Image format conversion for "./foo.eps" failed...
のようなエラーメッセージを出力する場合は PostScript の変換プログラムが変換に失敗しています。
***SVG を取り込む [#o8c48aab]
"D" オプションは EPS ファイルを取り込むためだけのものではありません。これは dvipdfmx がサポートしない形式のファイルを処理するための一般的なものです。Inkscape などに SVG から PDF への変換を依頼して図を取り込むこともできます:
D "inkscape -z -A %o %i"
実際の運用では様々な画像フォーマットに対して分岐処理をするスクリプトを呼び出すことになるでしょう。
***MetaPost 出力への対応 [#gd0313ef]
MetaPost が出力する EPS ファイルは外部プログラムの助けなしに dvipdfmx が処理することができます。ただし、
prologues:=2;
に指定してください。また、非公式ですが dvipdfmx に "-M" オプションを付けて実行することで "MetaPost モード" で MetaPost 出力を PDF へ変換することができます。例えば MetaPost が出力した "test.1" というファイルに対して
dvipdfmx -M -o test.pdf test.1
を実行すると、"test.pdf" が生成されます。デバッグ用に使えます。
**special コマンド [#p133bd5e]
dvipdfmx は様々な special 拡張をサポートしています。文書やページの設定を行うものとして
papersize landscape pdf:pagesize pdf:encrypt pdf:minorversion
など、dvips 由来のもの、HTML 形式のハイパーリンクなど様々です。dvipdfmx 自身も独自の special による拡張機能を持ちます。
これらの機能のうちほとんどはユーザーが直接意識することはありません。通常はパッケージの製作者が LaTeX 等の為の使い易いインターフェイスを提供します。しかしながら様々な特殊効果を出す為にこれらの拡張機能を直接使いたい場合もあります。dvipdfm(x) 独自の機能を使う場合は、それにより他の DVI ドライバとの互換性を酷く損なうという事に注意してください。いくつかの機能は DVI の設計思想に反することもあります。
***ページ設定 [#zbee7ac4]
landscape や papersize などの文書全体に影響するものは PDF への変換前にスキャンされ実行されます。
\special{landscape}
は用紙を横置きに、
\special{papersize=210mm,297mm}
は用紙サイズを 210mm × 297mm に設定します。
pagesize は文書の途中でも使えますが、これが実行されるタイミングによっては予期せぬ結果となります。特にページがシャッフルされる時は意図したようにはなりません。
\special{pdf:pagesize width 210mm height 297mm}
のように使います。
***special で遊ぶ [#a807a6c0]
-http://www2.hyo-med.ac.jp/~tanimura/LaTeX/dvipdfmx.html あたりに dvipdfm/dvipdfmx 用の \specail の様々な使用例があります。
アノーテーション (注釈機能) でファイルを添付:
\special{pdf:fstream @fileobj (ファイル名をここに)}%
\special{pdf:ann width 5bp height 10bp
<< /Type /Annot
/Subtype /FileAttachment
/FS <<
/Type /Filespec
/F (ファイル名をここに)
/EF << /F @fileobj >>
>>
/Name /Paperclip
/C [0.8 0.4 0.4]
/T (タイトルをここに)
>>
}%
上の例ではまず最初の special で外部ファイルを取り込み、それを fileobj と名付けます。次の special で "添付ファイル" アノーテーションを作ります。出来上がった PDF には小さなクリップが表示され、その上で右クリックするとメニューから添付ファイルを保存できるようになるはずです。(ビューアーによって操作は異なります) このようにして TeX のソースを埋め込んでおくこともできます。
ページの開始時に任意の PDF 描画コードを挿入することもできます:
\special{pdf:bop 0.4 0.4 0.6 rg 0 0 596 842 re 72 72 452 700 re f*}
これは余白の部分を塗りつぶします。"bop" はページの開始時に指定された PDF 描画コードを埋め込みます。
ウォーターマーク風のものを入れます:
\documentclass[]{article}
\usepackage{bophook}
\AtBeginDocument{
\special{pdf:obj @Courier-Bold
<<
/Type /Font
/Subtype /Type1
/BaseFont /Courier-Bold
/Encoding /WinAnsiEncoding
>>
}
\special{pdf:eop BT 1 Tr /_Fn01 200 Tf
\special{pdf:bop BT 1 Tr /_Fn01 200 Tf
0.707 0.707 -0.707 0.707 72 216 Tm (Sample) Tj ET}
}
\AtBeginPage{
\special{pdf:put @resources << /Font << /_Fn01 @Courier-Bold >> >>}
}
\begin{document}
Hello, world.
\end{document}
(bophook.sty が必要です) やや複雑な例です。"obj" はオブジェクトを定義するコマンドでここでは Courier-Bold というフォントを定義しています。"eop" は "bop" とは違って、ページの終了時に指定された PDF 描画コードを挿入します。"put" の部分では resources で識別される辞書オブジェクト (ここではページリソース) に与えられたオブジェクトを追加します。ここではフォントリソースに先ほど定義したフォント Courier-Bold を "_Fn01" という名前で追加しています。
(bophook.sty が必要です) やや複雑な例です。"obj" はオブジェクトを定義するコマンドでここでは Courier-Bold というフォントを定義しています。"bop" はページの開始時に "Sample" という文字列を描画するように指示しています。"put" の部分では resources で識別される辞書オブジェクト (ここではページリソース) に与えられたオブジェクトを追加します。ここではフォントリソースに先ほど定義したフォント Courier-Bold を "_Fn01" という名前で登録しています。
上の例ではページに直接 Sample という文字を書き込みましたがアノーテーションを使ってウォーターマークを入れることもできます。
**PDF のバージョンを指定する [#b272a636]
-[http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/20140705/1404540914 出力 PDF のバージョン(とか)を指定する], [http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/20140706/1404618797 出力 PDF のバージョン(とか)を指定する(補足)]
-https://github.com/zr-tex8r/BXpdfver
-[http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=690 pdfの図が表示されない]
-[http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/20140530/1401462549 mediabb パッケージが(あまり)役に立たない話]
PDF 1.4 で出力したい場合はプリアンブルに
\special{pdf: minorversion=4}
bxpdfver パッケージを使用する場合は
\usepackage[dvipdfmx,1.4]{bxpdfver}
PDF 1.5 で出力したい場合はプリアンブルに
\special{pdf: minorversion=5}
bxpdfver パッケージを使用する場合は
\usepackage[dvipdfmx,1.5]{bxpdfver}
PDF 1.6 で出力したい場合はプリアンブルに
\special{pdf: minorversion=6}
bxpdfver パッケージを使用する場合は
\usepackage[dvipdfmx,1.6]{bxpdfver}
PDF 1.7 で出力したい場合はプリアンブルに
\special{pdf: minorversion=7}
bxpdfver パッケージを使用する場合は
\usepackage[dvipdfmx,1.7]{bxpdfver}
と記述すれば OK です.~
コマンドラインオプションで指定することもできます.~
-V number Set PDF minor version
**dvipdfmx を画像キャッシュで高速化 [#y11c4b43]
-TeX Live 2013 以降で使用可能です (→ TeX Live [[Revision 29495:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=29495]], [[Revision 29512:http://www.tug.org/svn/texlive?view=revision&revision=29512]] でコミットされました)
-[[Image cache in (x)dvipdfmx by Tsuchimura-san:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=1153]]
-[[dvipdfmx を画像キャッシュで高速化:http://oku.edu.mie-u.ac.jp/tex/mod/forum/discuss.php?d=958]]
デフォルトでは有効にならないようになっています。~
有効にするにはコマンドラインオプション
-I number
において、number を正整数にします。~
この数値は、キャッシュが有効な時間を表しています。~
デフォルトで有効にしたい場合、dvipdfmx.cfg の I セクションで
I 24
のように設定しておきます。~
この場合、一日以内ならキャッシュにイメージがある場合、それを使用することを意味しています。~
**dvipdfmx に extractbb などの名前でシンボリックリンクを作成する [#k882a214]
-[[#美文書 115ページ、「TeX Liveではextractbbやebbは実はdvipdfmxへのシンボリックリンクです」?:https://twitter.com/ti5942/status/273700405341483008]] → [[extractbbのプロパティ:https://twitter.com/ti5942/status/273742359915794432]]
dvipdfmx はコマンドの名前によって機能を変えることができます.~
[[dvipdfmx.c:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipdfm-x/dvipdfmx.c?view=markup]] の main 関数を見るとコマンド名によって処理を変えています.~
UNIX ではプログラムに複数の機能を実装してシンボリックリンクを使用して別の名前をつけることで機能を変えることは普通に行われます.~
**DVI ファイルが存在しない PDF ファイルを削除する [#i282b26a]
dvipdfmx には DVI ファイルが存在しない PDF ファイルを削除する機能があります.
PS C:\Users\$Env:USERNAME> dvipdfmx test
test.dvi -> test.pdf
** ERROR ** Could not open specified DVI file: test.dvi
Output file removed.
*関連リンク [#me536d1a]
-[[Unofficial LaTeX graphics drivers - 概要 [Puszcza]:http://puszcza.gnu.org.ua/projects/latexfmxdef]]
-[[Newest 'dvipdfmx' Questions - TeX - LaTeX:http://tex.stackexchange.com/questions/tagged/dvipdfmx]]
-[[Dvipdfmx - MyTeXpert:http://mytexpert.sourceforge.jp/index.php?Dvipdfmx]]
-[[「dvipdfmx」の検索結果一覧 - マクロツイーター:http://d.hatena.ne.jp/zrbabbler/archive?word=dvipdfmx]]
-[[PXchfon パッケージ ~pLaTeX文書のフォントを簡単に変更~ [電脳世界の奥底にて]:http://zrbabbler.sp.land.to/pxchfon.html]]
-[[dvipdfmx : いわにぃのブログ:http://blog.livedoor.jp/ti5942/tag/dvipdfmx]]
-[[dvipdfmx は括弧入り eps がお嫌いのようです:http://d.hatena.ne.jp/naga_sawa/20130115/1358217658]]
-[[dvipdfmxのみを用いたpdfファイルサイズの圧縮:http://yonishi.cocolog-nifty.com/weblog/2011/05/dvipdfmxpdf-ebe.html]]
-[[standalone クラスは dvipdfmx でも使えるような気がする:https://gist.github.com/zr-tex8r/3845085]]
-[[LCDF TypetoolsでOpenTypeフォントを使う(DVIPDFMXで):http://dev.activebasic.com/egtra/2012/12/18/522/]]
-[[The DVIPDFMx Project:http://project.ktug.org/dvipdfmx/]]
-[[DVI specials for PDF generation:http://project.ktug.org/dvipdfmx/doc/tb94cho.pdf]] (PDF)