*dvips [#y40d302b] dvips は DVI ファイルを [[PostScript]] ファイルに変換するソフトウェアです。 実績があり、信頼のおけるプログラムとして TeX の世界では広く用いられてきました。 -[[Tom Rokicki and Radical Eye Software:http://www.radicaleye.com/]] --[[The Official Dvips Home Page:http://www.radicaleye.com/dvips.html]] -[[Dvips(k):http://www.tug.org/dvips/]] ---- #contents ---- **使い方 [#a0ed32c6] foo.dvi という DVI ファイルを PostScript ファイル foo.ps に変換するには,次のように打ち込みます: dvips -o foo.ps foo.dvi このとき,TeX Live や最近の W32TeX では欧文フォントとして Type 1 フォントが使われます。 少し古い W32TeX を使っている場合は Type 1 フォントでなく pk フォントが使われてしまい,これを PDF に変換すると汚くなります。 // 私の手元では 2012 年 11 月時点で pk フォントを利用していたことを確認しています。 // 2014 年 12 月にはいつのまにか Type 1 フォントになっていました。 // なお,かつての teTeX や ptetex は 2006 年時点で既に Type 1 フォントでした。 PS ファイルを引き続き PDF に変換する予定があれば dvips -Ppdf -o foo.ps foo.dvi ように “-Ppdf” というオプションを付けておきましょう。 欧文 Base14 フォントを埋め込む場合は “-Pdl” といったオプションにします。 ハイパーリンクを埋め込んであるなら dvips -z -o foo.ps foo.dvi のように “-z” を付けます。 ***制限事項 [#x73150ff] 長い間新機能の追加もなく、このため技術的にはかなり遅れています。 以下のような制限があります。 - TrueType や OpenType フォントは利用できない。 利用できるのは PostScript Type1 フォントと PK フォントです。 - PNG、JPEG、PDF などの画像は利用できない。 画像は常に EPS へ変換して利用します。 ***dvips の用紙サイズ指定 [#b1d8723b] 標準では A4 サイズになり,%%BoundingBox や %%PaperSize には正しい用紙サイズが出力され,PostScript の用紙設定コマンド a4 が出力されます。 この用紙設定コマンドが解釈不可能な場合には単に無視されます。 レターサイズにするには dvips に -t letter というオプションをつけて実行します。 私の[[新ドキュメントクラス>jsclasses]]でたとえば \documentclass[a4paper,papersize]{jsarticle} のようにオプション [papersize] を与えれば,DVI ファイル中に papersize=用紙の幅,用紙の高さ という形式の [[special 命令]]が挿入されます。 一般のドキュメントクラスでこのような special を出力するには,LaTeX ファイルのプリアンブルにたとえば \AtBeginDvi{\special{papersize=210mm,297mm}} のように書いておきます。 また,dvips に -t a4 というオプションを与えれば,強制的に a4 という設定が選ばれ,PDF に変換した際に正しく A4 サイズになります。 ***dvips で変換した PS ファイルを PDF に変換する [#m9a341d6] dvips で出力した PS ファイルを PDF ファイルに変換するには,以下の方法があります: -dvips で変換した PS ファイルは [[Ghostscript]] 付属の ps2pdf コマンドで PDF ファイルに変換できます。きちんと設定すれば,日本語部分もきれいなアウトラインで出力されます。 -Adobe Acrobat DC をお持ちであれば,PS ファイルをダブルクリックすれば Adobe Acrobat Distiller DC が PDF に変換してくれます。 通常のドキュメントクラスでは,a4paper オプションを付けても,Adobe Acrobat Distiller DC のデフォルト設定では用紙がレターサイズになってしまいます。 A4 にするには,ジョブオプションの設定でページサイズを変えるか,あるいは dvips に “-t a4” というオプションを付けてください。 [[新ドキュメントクラス>jsclasses]]なら \documentclass[a4paper,papersize]{jsarticle} のように “papersize” オプションを付けると dvips が用紙サイズを認識してくれます。 ***図の挿入 [#e0b06e9a] 図を挿入する際には [[graphicx]] パッケージに \usepackage[dvips]{graphicx} のように dvips オプションを指定します. 図として EPS を挿入できます. ***しおりの文字化けを防ぐ [#v5d4fb65] LaTeX で作成した日本語文書を dvips を用いて PDF 化する際,しおりが文字化けしないようにするためには [[convbkmk>http://www.ctan.org/pkg/convbkmk]] または bkmk2uni を使います。 -http://www.t-lab.opal.ne.jp/tex/uptex.html -[[convbkmkコマンドの使い方 覚え書き:http://konoyonohana.blog.fc2.com/blog-entry-35.html]] なお,convbkmk は Ruby スクリプトですので,[[Ruby]] の処理系が必要です. **リンク集 [#fd89856f] -TeXLiveのdvips [[forum:678]] -pdfへのフォントの埋め込みとPSプリンタ [[qa:38540]] ***ChangeLog [#o96c7d5c] -[[[texlive] Index of /trunk/Build/source/texk/dvipsk:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipsk/]] --[[log:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipsk/?view=log]] --[[ChangeLog:http://www.tug.org/svn/texlive/trunk/Build/source/texk/dvipsk/ChangeLog?view=markup]]