dvips は DVI ファイルを PostScript ファイルに変換するソフトウェアです。 実績があり、信頼のおけるプログラムとして TeX の世界では広く用いられてきました。
foo.dvi という DVI ファイルを PostScript ファイル foo.ps に変換するには,次のように打ち込みます:
dvips -o foo.ps foo.dvi
このとき,TeX Live では欧文フォントとして Type 1 フォントが使われます。
PS ファイルを引き続き PDF に変換する予定があれば
dvips -Ppdf -o foo.ps foo.dvi
ように “-Ppdf” というオプションを付けておきましょう。 欧文 Base14 フォントを埋め込む場合は “-Pdownload35” といったオプションにします。
ハイパーリンクを埋め込んであるなら
dvips -z -o foo.ps foo.dvi
のように “-z” を付けます。
長い間新機能の追加もなく、このため技術的にはかなり遅れています。 以下のような制限があります。
利用できるのは PostScript Type1 フォントと PK フォントです。
画像は常に EPS へ変換して利用します。
標準では A4 サイズになり,%%BoundingBox や %%PaperSize には正しい用紙サイズが出力され,PostScript の用紙設定コマンド a4 が出力されます。 この用紙設定コマンドが解釈不可能な場合には単に無視されます。
レターサイズにするには dvips に -t letter というオプションをつけて実行します。
jsclassesでたとえば
\documentclass[a4paper,papersize]{jsarticle}
のようにオプション [papersize] を与えれば,DVI ファイル中に
papersize=用紙の幅,用紙の高さ
という形式の special 命令が挿入されます。
一般のドキュメントクラスでこのような special を出力するには,LaTeX ファイルのプリアンブルにたとえば
\AtBeginDvi{\special{papersize=210mm,297mm}}
のように書いておきます。
また,dvips に -t a4 というオプションを与えれば,強制的に a4 という設定が選ばれ,PDF に変換した際に正しく A4 サイズになります。
dvips で出力した PS ファイルを PDF ファイルに変換するには,以下の方法があります:
通常のドキュメントクラスでは,a4paper オプションを付けても,Adobe Acrobat Distiller のデフォルト設定では用紙がレターサイズになってしまいます。 A4 にするには,ジョブオプションの設定でページサイズを変えるか,あるいは dvips に “-t a4” というオプションを付けてください。 jsclassesなら
\documentclass[a4paper,papersize]{jsarticle}
のように “papersize” オプションを付けると dvips が用紙サイズを認識してくれます。
図を挿入する際には graphicx パッケージに
\usepackage[dvips]{graphicx}
のように dvips オプションを指定します. 図として EPS を挿入できます.
% 以下,LaTeX入門/図表からの移転。
(u)pLaTeX + dvips でタイプセットする場合には
\documentclass[dvips]{jsarticle} \usepackage[dvips]{graphicx}
と書くことで,画像取り込みの指示が dvips に正しく伝わります。
LaTeX で作成した日本語文書を dvips を用いて PDF 化する際,しおりが文字化けしないようにするためには convbkmk または bkmk2uni を使います。
なお,convbkmk は Ruby スクリプトですので,Ruby の処理系が必要です.