geometry は,ページのレイアウトを柔軟に変更することができるパッケージです。 梅木さんによって作られました。
TeX Liveに含まれています。
そもそも,ページレイアウトを変えたい理由のほとんどは「余白が広すぎるように感じる」ことでしょう。
しばしば,LaTeX 標準の article.cls,report.cls,book.cls(日本語なら jarticle.cls,jreport.cls,jbook.cls)の余白が広いという主張をみかけます。 しかし,実際は「余白が広い」のではなく,「用紙が大きい」というのが正しい理解です。 これらのクラスファイルは,米国で標準的なレターサイズ文書を前提に作られており,それをそのまま A4 用紙に印刷するので結果的に余白が大きく見えるのです。
レイアウトを自分でいじる場合に避けるべきことを挙げておきます。 もちろん,本当に「TeX が何をやっているのか」分かっている人なら,これらを使うことには制約はありません。 ページレイアウト・パラメータの直接設定を行うには,複数のパラメータを整合性を保って設定する必要があり,以下は初心者にはあまり勧められません:
一つの対処法が,この geometry パッケージを利用することです。
geometry パッケージは,ページレイアウトの指定を \special コマンドとして埋め込みます。 したがって,graphicx や color,xcolor と同様のドライバ指定が必要です。
geometry 2018/03/26 v5.8 以降は dvipdfmx ドライバオプションが使用できます。geometry v5.7 以前は dvipdfmx ドライバオプションが作られていませんので,dvipdfm を指定するしかありません*1。
geometry パッケージは,長らく(そして現在も)縦組みに対応していませんでした。
そこで,geometry パッケージを無理矢理縦組クラスでも使えるようにする lltjp-geometry.sty が開発されました。 もともとは LuaTeX-ja プロジェクトにおける縦組の実装で作られたものですが,単体で (u)pLaTeX でも使えます。 LuaTeX-ja 20150420.0 リリースにより,これも TeX Live, W32TeX に含まれています。
% とりあえず関係ありそうなものを羅列。古いものもとりあえず拾ってきたので,今の状況に即していなければ補足しつつ分類。