mathabx は Anthony Phan 氏により2002年4月30日に初めて公開された新しい数式用フォントで,Computer Modern および AMS fonts の上位互換を目指してデザインされています。
名称は初期の配布が matha, mathb, mathx シリーズからなるものであったことに由来すると思われます。
mathabx フォントの出力例を次に示します。
同じものを CM フォントで出力したものが
になります。 mathabx のアルファベット等が CM 互換であることや,約物や演算子等の記号類のデザインが一新されていることなどが確認できます。
最初の公開から幾度かの改定を経て,現在の配布(2005年5月18日版)には以下のフォントシリーズが含まれています。
詳細は配布に含まれる mathtest.tex を tex で typeset して得られる文書を参照してください。 これはそれ自体が mathabx フォントのサンプルと簡単な説明を兼ねたものになっています。 同じものを PS 形式 (mathtest.ps) および PDF 形式 (mathtest.pdf) に変換したものも CTAN の同じディレクトリ (CTAN:fonts/mathabx/) に置いてあります。 あるいは一次配布元には PS を gzip で固めたものが置いてあります。
mathabx は TeX Live に収録されており,たとえば Debian, Ubuntu などでは texlive-fonts-extra パッケージをインストールすることで mathabx が利用可能になります。
CTAN から METAFONT 形式のフォント本体 (source ディレクトリ下) とマクロ (texinputs ディレクトリ下) を取ってきて,README にしたがって適切なディレクトリに収めてください。 実際の利用時に mf ファイルから TFM (*.tfm) が生成され,mathabx が利用可能となります。 Type1 フォントを埋め込んだ PS ファイルを作成する場合などには,CTAN (mathabx-type1 パッケージ) にある map ファイルと Type1 フォント (*.pfb) も取ってきて,README を参考にして適切なディレクトリに収め,必要に応じて mktexlsr や updmap を実行してください。