*ASCII 文字を用いた転写表記 [#m96736b7]
ASCII 文字を用いた転写表記とは,アクセント附きローマン文字を
TeX や BibTeX ソースの中で書き表すための方法(の一つ)です。

-現行の標準方法でもあります。
-“transliteration” (翻字,文字転写,字訳)で
あり,“transcription” (音声転写,音訳)ではありません。
-その表記テーブルは
[[TeX の入門書>TeXの本]]などに掲載されています。
--TeX ソース例1も簡単な実例です。
-ただし各種の文字に対しては,正常にタイプセットするために
パッケージを用いるなどの各種の方法が必要になることがあります。
--例えば下記の TeX ソース例3のような
ベトナム文字の “\~{\^e}” などへの対処です。
--詳しくは [[TeXWiki:pTeX と多言語処理>pTeXと多言語処理]] をご参照ください。
--ただし BibTeX ソースの場合には,“\” で始まる転写文字はさらに“{”, “}” で括る必要があります。
---例えば,“\~{\^e}”は“{\~{\^e}}” としてください。
---これを実現させるために下記の utf82tex (Perl スクリプト)には
オプション (-b) が用意されているようです。
-現在では転写表記や ISO-2022-JP コードなどの利用ではなくて,
全て UTF-8 コードを用いて TeX や BibTeX ソースを書き,タイプセットできます。
// -- TeX ソースも BibTeX ソースも?
-ちなみに UTF-8 に対応していない古いpTeX, pLaTeX を用いている場合は日本語文字については ISO-2022-JP (JIS), EUC-JP, or Shift_JIS コードが使用されます。
--全て UTF-8 コードで書かれたソースを
上記のような旧式の標準表記方法へ変換したい場合には,
「[[UTF-8 による TeX 文書の作成 — Utf82TeX:http://yasuda.homeip.net/tex/utf82tex.html]]」
をご参照ください。
---上記では utf82tex (Perl スクリプト)が提供されており,UTF-8 コードの
文字から転写表記を調べたい際にも用いることができます。
--角藤さんの&ref(ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/utils/utf8toutf.zip,utf8toutf);
(これは C プログラム)も同様の目的のために用いることができますが,
その変換テーブルに関しては上記ほどパーフェクトではないようです。
---ただし高速ですし EUC-JP or Shift_JIS コードへの変換機能も
内蔵されていますので,使いやすいと思う方も多いと思います。
---文字コードを判定し,utf8toutf を利用して
タイプセットするシェルスクリプトの一例です:
 #!/bin/sh
 ### -*- mode: shell-script -*-
 JOBNAME=`basename $1 .tex`
 nkf -guess $JOBNAME.tex | grep -e "UTF-8" > /dev/null
 if [ $? -eq 0 ]
 then
 ### もしも \input{} コマンドで外部ファイルを取り込んでいる場合には,
 ### マージ処理を行った後でファイルに下記のような文字コード変換を行ってください。
  utf8toutf -s < $JOBNAME.tex > $JOBNAME.sjis
  platex $JOBNAME.sjis
 else
  platex $JOBNAME.tex
 fi
 dvipdfmx $JOBNAME.dvi
--「[[qa:46042]] Unicode への移行」という丁寧で重要な投書がありました。

***TeX ソース例 [#q52d86a6]
+&br;
 %%% -*- mode: yatex; Coding: utf-8; Encoding: UTF-8 -*-
 \documentclass{article}
 \begin{document}
 \begin{itemize}
   \item \'o    % ó (with acute)
   \item \`o    % ò (with grave)
   \item \^o    % ô (with circumflex/hat)
   \item \"o    % ö (with diaeresis/umlaut)
   \item \~o    % õ (with tilde)
   \item \=o    % ō (with macron)
   \item \.z    % ż (with dot above)
   \item \c{c}  % ç (with cedilla)
   \item \v{s}  % š (with caron/hacek)
   \item \u{a}  % ă (with breve)
   \item \r{u}  % ů (with ring above)
   \item \H{o}  % ő (with double acute)
   \item \d{o}  % ọ (with dot below)
   \item \b{b}  % ḇ (with line below)
   \item \t{ts} % t͡s (with double inverted breve [= ligature tie])
   \item \O     % Ø (“O” with stroke)
   \item \o     % ø (“o” with stroke)
   \item \L     % Ł (“L” with stroke)
   \item \l     % ł (“l” with stroke)
   \item \AE    % Æ (ligature “AE” [= Ash])
   \item \ae    % æ (ligature “ae” [= ash])
   \item \OE    % Œ (ligature “OE” [= Ethel])
   \item \oe    % œ (ligature “oe” [= ethel])
   \item \AA    % Å (“A” with ring above)
   \item \aa    % å (“a” with ring above)
   \item \ss    % ß (sharp “s” [= Eszett])
   \item \i     % ı (dotless “i”)
   \item \j     % ȷ (dotless “j”)
 \end{itemize}
 \end{document}
+T1 encoding
 %%% -*- mode: yatex; Coding: utf-8; Encoding: UTF-8 -*-
 \documentclass{article}
 \usepackage[T1]{fontenc}%\usepackage{textcomp}
 \usepackage{lmodern}
 \begin{document}
 \noindent
 T1 encoding
 \begin{itemize}
   \item \k{a} % ą (with ogonek)
   \item \TH   % Þ (latin capital letter Thorn)
   \item \th   % þ (latin small letter thorn)
   \item \DH   % Ð (latin capital letter Edh/Eth)
   \item \dh   % ð (latin small letter edh/eth)
   \item \DJ   % Đ (“D” with stroke)
   \item \dj   % đ (“d” with stroke)
   \item \NG   % Ŋ (latin capital letter Eng)
   \item \ng   % ŋ (latin small letter eng)
 \end{itemize}
 \begin{itemize}
   \item \v{L} % Ľ (“L” with caron)
   \item \v{l} % ľ (“l” with caron)
   \item \v{t} % ť (“t” with caron)
   \item \v{d} % ď (“d” with caron)
   \item \IJ   % IJ (ligature “IJ”)
   \item \ij   % ij (ligature “ij”)
   \item \SS   % SS (ligature “SS”)
 \end{itemize}
 \end{document}
+T5 encoding
 %%% -*- mode: yatex; Coding: utf-8; Encoding: UTF-8 -*-
 \documentclass{jsarticle}
 \documentclass[uplatex]{jsarticle}
 \usepackage[T5]{fontenc}
 \usepackage{lmodern}
 \usepackage{dblaccnt}
 \usepackage{vietnam}
 \begin{document}
 ベトナム人の苗字にはNguy\~{\^e}n(阮)とTr\`{\^a}n(陳)とがとても多い。
 この苗字は,ベトナム(Vi\d{\^e}t Nam,越南)のかつての王朝であった
 阮朝(nh\`a Nguy\~{\^e}n, 1802--1945)と陳朝(nh\`a Tr\`{\^a}n, 1225--1400)の
 それぞれの皇帝の苗字から取られているらしい。
 日本でも有名なホー・チ・ミン(H\`{\^o} Ch\'i Minh,胡志明,1890--1969)の
 幼名もNguy\~{\^e}n Sinh Cung(阮愛國)である。
 \end{document}


*コメント [#mlcomeiz]
- 上記のような例を調べられる転写表記テーブルはどこかのwebサイトにもあるでしょうか? -- kd &new{2007-02-18 (日) 14:29:42};
- 通常は各言語パッケージのマニュアル等に記載があると思われますが,それ以外に,ということでしょうか。 -- 栗山 &new{2007-02-25 (日) 16:50:30};
- アクセント付き文字について簡単な表がありました.http://cns-guide.sfc.keio.ac.jp/2001/11/2/1.html#SECTION012213200000000000000 -- kd &new{2007-02-27 (火) 18:36:25};
- なるほど,plainTeXで提供されるレベルの,ということでしたか。それなら入門書類でも紹介されていると思います。私は多数存在する各言語パッケージの(独自の)転写方法が網羅的に記載されているサイトがあるか,という意味に取り違えていました(そんなサイトはないと思いますが)。 -- 栗山 &new{2007-02-27 (火) 22:54:37};

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